劇場公開日 2016年4月1日 PROMOTION

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蜜のあわれ : 特集

2016年3月28日更新

数ある《傑作文芸映画》に“新たな風”を巻き起こす1本
「金魚のあたいと老作家のおじさまが織り成す、濃密な恋物語でございます」

二階堂ふみ&大杉漣をメインキャストに、室生犀星の幻想小説が映画化された。鬼才・石井岳龍監督が、独特の映像世界で浮かび上げる濃密かつキュートなエロティシズム。真木よう子、高良健吾、永瀬正敏の共演も見逃せない「蜜のあわれ」(4月1日公開)の見どころとは?

会話のみので構成された異色の小説を、日本映画屈指の個性派監督&キャストで映画化!
会話のみので構成された異色の小説を、日本映画屈指の個性派監督&キャストで映画化!

■映画ファンの“期待を裏切らない”キャスト陣×室生犀星“傑作幻想文学”原作
 「無邪気でエロティックな世界に、皆さまも引き込まれますわよ」

二階堂ふみと大杉漣が、人生というものが持つおかしみとあわれを体現する
二階堂ふみと大杉漣が、人生というものが持つおかしみとあわれを体現する

二階堂ふみ、大杉漣を筆頭に、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏という映画ファンなら気にならずにはいられない豪華キャストによって、文豪・室生犀星の傑作幻想文学が映画化された。自分のことを「あたい」と呼び、変幻自在の金魚の姿を持つ少女・赤子と、彼女が「おじさま」と呼ぶ老作家との甘く無邪気でエロティックな恋物語。「爆裂都市 バースト・シティ」「逆噴射家族」「五条霊戦記 GOJOE」の鬼才・石井岳龍監督が、太宰治の「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」、谷崎潤一郎の「細雪」、三島由紀夫の「春の雪」など、これまでに数々の名作が生まれてきたフィールドに挑んだ。

可憐さと色気を兼ね備え、実力派女優としてますます魅力を発揮する二階堂
可憐さと色気を兼ね備え、実力派女優としてますます魅力を発揮する二階堂

大正期に詩人界をけん引、昭和期には「あにいもうと」「杏っ子」などの名作小説を発表し、徳田秋聲、泉鏡花と並んで「金沢三文豪」のひとりと称される室生犀星。多岐に渡るジャンルで作品を発表した文豪が会話だけで構成した小説「蜜のあわれ」が、本作の原作だ。主演の二階堂は、17歳のときにこの小説と出合い、すぐさま「映画になってほしい」、そして「自分が主演したい」と感じたという。抱き続けた長年の思いが、ついに成就した作品なのだ。

長回しシーンでのやりとりも注目の的。初共演ながら抜群のコラボレーションを見せる
長回しシーンでのやりとりも注目の的。初共演ながら抜群のコラボレーションを見せる

室生犀星が自身をモデルにしたという70歳の老作家と、彼の想像力から生まれた、無邪気で愛くるしい赤い金魚の少女・赤子。「私の男」「この国の空」で、演技派としての評価をますます高める二階堂ふみが、熱望してきた赤子役でキュートかつ妖艶な魅力を発揮。北野武監督作をはじめとする数多の映画に出演し、日本映画を支えてきた大杉漣が、赤子に翻弄されながらも、どこかひょうひょうと生きる老作家を、内に秘めた創作者としての葛藤まで含めて演じ切る。ふたりがかもすエロティシズムに注目だ。

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幽霊を演じるのは真木よう子
幽霊を演じるのは真木よう子
本人そっくりな高良健吾の芥川役
本人そっくりな高良健吾の芥川役
存在感を発揮する永瀬正敏
存在感を発揮する永瀬正敏

脇を固める面々にも注目だ。「さよなら渓谷」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝く真木よう子が、作家への思いからこの世に舞い戻ってきた幽霊役。作家の元友人であり、コンプレックスの原因でもある芥川龍之介役には、「横道世之介」の高良健吾。芥川本人とのそっくりぶりは、すでに大きな注目を集めている。赤子に世話を焼く金魚屋の主人に扮するのは、「ELECTRIC DRAGON 80000V」「私立探偵 濱マイク」ほか石井岳龍監督とのタッグ作でも知られる永瀬正敏。まさに映画ファン垂ぜんのキャストがそろった。

フィルム撮影と鮮やかな色彩にこだわり、独自の映像世界を完成させた
フィルム撮影と鮮やかな色彩にこだわり、独自の映像世界を完成させた

メガホンをとったのは、80年代の「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市 バースト・シティ」「逆噴射家族」でジャンルを超えた強烈な世界観を作り上げ、多数の熱狂的ファンを獲得した石井岳龍。クエンティン・タランティーノも熱い支持を送り、「キル・ビル」のキャラクター、オーレン・イシイの由来のひとりとしても知られている。「五条霊戦記 GOJOE」「シャニダールの花」「ソレダケ that's it」など、同じフィールドにとどまらず精力的に活躍を続ける鬼才が、独自の感性によって、これまでに例を見ない「新たな文芸映画」を作り出した。


■老作家の「おじさま」と、金魚の少女「赤子」の秘めた恋──
 幻想とエロティシズムと共に描かれる、人生という甘い蜜、おかしさ、あわれとは──

赤いワンピースに身を包み、丸いお尻と愛きょうのある仕草で、天真らんまんさと妖艶さをあわせて放つ愛くるしい少女・赤子(二階堂ふみ)と、そんな赤子を愛おしい眼差しで見つめる和装の老作家(大杉漣)。自分のことを「あたい」と言う赤子と、赤子に「おじさま」と呼ばれる老作家、親子以上に歳の離れたふたりは、「おじさま、あたいを恋人にしてちょうだい。短い人生なんだから、楽しいことでいっぱいにするべきよ」「僕もとうとう金魚と寝ることになったか……」と、昼はきわどい会話をとめどなく繰り返し、夜は身体を密着させてともに眠るという間柄だ。

父娘のようでもあり、恋人同士のようでもあるふたりの関係は、エロティックでもユーモラスでもあるのだが、どこか現実離れした不思議な雰囲気をかもし出す。それもそのはず、赤子は実は人間ではなく、赤い金魚が姿を変え、人間の少女として現れているのだ。

「あたい」と「おじさま」、ふたりが織り成す恋はどのような結末を迎えるのか
「あたい」と「おじさま」、ふたりが織り成す恋はどのような結末を迎えるのか

そんなある日、生前から老作家へ愛を募らせていた女・ゆり子(真木よう子)が、幽霊となってこの世に出現する。老作家の講演会で体調を崩したゆり子を赤子が介護したことをきっかけに、ふたりは急速に親交を深めていくが、同じ男を思う恋敵でもある。赤子を老作家へ譲った後も、変わらず温かい目を向ける金魚売りの男(永瀬正敏)との交流や、かつての友人であり、すでにこの世の人ではなくなった芥川龍之介(高良健吾)と老作家の愛憎入り交じる邂逅(かいこう)も交えられ、老作家、赤子、ゆり子の恋の行方が描かれる。

「人生」という甘い蜜の奥に潜む、おかしさ、あわれとは何か。幻想的なエロティシズムの香りとユーモアとともに、誰もが抱える苦悩や葛藤、人生における「救い」が浮かび上がっていく。

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■歌人・穂村弘&映画評論家・清水節が見た「蜜のあわれ」とは?
 「さあ、おじさま方、あたいたちの物語はいかがだったのかしら?」

文豪が著した幻想文学を鬼才監督が映画化した「蜜のあわれ」を、歌人である穂村弘氏と映画評論家の清水節氏が鑑賞。原作の魅力を通して映画はいかに映ったのかを穂村氏が、そしてひとつの映画作品としての完成度はどれほどだったのかを清水氏が、それぞれの視点から明かした。

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インタビュー

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