ボヴァリー夫人とパン屋
劇場公開日 2015年7月11日
解説
フランス文学の古典「ボヴァリー夫人」をモチーフにした、絵本作家ポージー・シモンによるグラフィックノベルを「ココ・アヴァン・シャネル」のアンヌ・フォンテーヌ監督が映画化。フランス西部ノルマンディーの小さな村で稼業のパン屋を継ぎながら平凡な毎日を送るマルタン。彼の唯一の楽しみは文学。中でも「ボヴァリー夫人」は繰り返し読み続けている彼の愛読書だ。ある日、彼の向かいにイギリス人夫妻、ジェマとチャーリー・ボヴァリーが引っ越してきた。この偶然に驚いたマルタンは、小説のように奔放な現実のボヴァリー夫人=ジェマから目が離せなくなってしまう。夫の目を盗み、若い青年と情事を重ねるジェマの姿に、マルタンは小説と現実を重ねあわせて妄想をふくらませ、思わぬ行動に出るのだった。主演のマルタンに「屋根裏部屋のマリアたち」のファブリス・ルキーニ、ジェマ・ボヴァリーに「アンコール!!」のジェマ・アータートン。
2014年製作/99分/R15+/フランス
原題:Gemma Bovery
配給:クロックワークス
スタッフ・キャスト
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2021年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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映画「ボヴァリー夫人とパン屋」
(アンヌ・フォンテーヌ監督)から。
フランス人がイギリス人に、たどたどしい英語で
話しかけるシーンから、笑いながらメモを取った。
本当は、フランス語で話したいんだろうなぁ、と。
続いて「何気ない彼女の仕草に一瞬にして
10年間眠っていた性欲が目覚めた」との字幕、
思わず、照れ臭くなって、メモしてしまった。(笑)
やはり強調されているのは、フランスの田舎の暮らし。
「田舎暮らしは快適だと思われるが、
めげない精神力が必要だ」「強い心が大切」
「意外かもしれないが」と前置きして、
「田舎では抗うつ剤を飲む人が多いんだ」と続けた。
長閑なようで、実はけっこうストレスが溜まるのが田舎。
そんな表現が面白かった。
主人公の愛読書「ボヴァリー夫人」のストーリーと、
目の前で起きている現実が重なり、物語が展開していく。
ラストに出てくる「人生が芸術を模倣することもあるんだ」
このワンフレーズが作品の肝かな。
P.S
「原題:Gemma Bovery」に「パン屋」を付け加えた邦題、
何か意味があるのだろうか?(笑)
困っちゃいますよね・・素敵な女性がすぐそばに住んでいる状況は嫌です・・ 手を出すどころか知り合いにもなれないという気持ちのせいで家にいながら苦しまなきゃいけないなんて・・。 ドジ踏んで失敗した場合、いやほぼ間違いなくドジ踏みますが(笑)、相手に「こんなとこに引っ越さなきゃよかった」なんて思われたまま暮らさなくちゃいけないし・・
2020年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
妖艶な肉体には観ているこっちも発情させられた。
「あの逞しいボディ、頭から爪先まで堪能したい」とムラムラした野郎どもは少なくない。
観終わって、巻き戻してはラブシーンだけを抜粋して何度も観てしまった。そりゃ、あんないい女が隣に引っ越してきては、いくらジジイといえども平常心でいられない。
しかし残酷だな。目の前で若い男と絡む姿を目撃してしまうのだから。とはいえ、何もない退屈な日常より刺激があってよいと思う。
この作品はまさに人間の嫉妬を全開にあぶり出した歯がゆい思いをする作品だ。
2020年4月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
19世紀の名作文学『ボヴァリー夫人』をモチーフにしたグラフィックノベルを映画化したフランス映画。
まず、『ボヴァリー夫人』の話を知らないといけないので(名作文学なのに知らないという…)、いつもながら、教えてWikipedia~!
田舎町の平凡な結婚生活にうんざりしたエマ・ボヴァリーは、自由で華やかな世界に憧れるも、不倫や借金に溺れ、最後は人生に絶望し、自殺する…というもの。
さて、本作は…
フランスの田舎村でパン屋を営むマルタンの愛読書は、『ボヴァリー夫人』。
ある日向かいの家に、イギリス人夫妻が越して来る。奥さんの名は、“ジェマ・ボヴァリー”。
何処か『ボヴァリー夫人』と重なる彼女にマルタンは惹かれ…。
誰だって隣にエマニエル夫人が越して来たら色々妄想しちゃうが、それを名作文学に置き換えたとしても、やってる事は同じ。
その美貌もさることながら、パンをこねてみたいと言い、「ここ、熱い…」と言い、上着を脱いだ時のうなじ、胸の膨らみ…。絶対、誘ってるよね!?
背中をハチに刺され、背中のボタンを外し、背中に口を付けて毒素を吸い出すという端から見れば背中にキスしてるような事もOK!
これら実際の振る舞いも、妄想も、もう止まりません!
そんなジェマに、マルタンだけじゃなく村の男たちもメロメロ…。
とにかく魅惑的なジェマ。演じたジェマ・アータートンも然り。
ジェマから目が離せなくなったマルタンはある日、ジェマが夫が出張で留守中、若い男と密会している事を知る。
ジェマの行動はますます『ボヴァリー夫人』を連想。
と言う事は、最後も。アクシデントとは言え、ジェマを巡る騒動は思わぬ結末へ…。
『ボヴァリー夫人』を地で行くようなジェマは自由奔放でありながらも何処か悲劇的。皮肉めいたものも感じる。
でも最も皮肉的なのは、マルタン。
ラスト、向かいの家に、新たな女性が越して来る。
何か困った事があったら何でも言って…と、一見親切な隣人のように思えるが、下心見え見え。
本作はスケベェ親父の艶笑劇であった。
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