ある取り調べ

劇場公開日:

解説

俳優・中西良太の脚本による取調室を舞台にした密室劇。妻と息子を殺害した容疑で連行された男。彼は自分が殺した妻子のもとへすぐにでも行かせてくれと「死刑にしてください」と必死に懇願する。男を取り調べることになったベテラン刑事もまた鬱病の妻を抱え、家庭崩壊の危機に直面していた。立場は正反対ではあるが、追い詰められている状況に置かれた2人の男。狭い取調室の中で2人の男が葛藤しつつ、息詰まるような時間が流れていく。監督は数多くのテレビ、映画の脚本や演出を手がける村橋明郎。容疑者の男に佐藤B作、男を取り調べる刑事を中西自身が演じる。

2015年製作/90分/日本
配給:ある取り調べ製作委員会
劇場公開日:2015年6月13日

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映画レビュー

4.0【妻子を手に掛けたと主張し、死刑を望む男と彼の背景を取り調べ室で聞き取り真実を追求する刑事の姿に魅入られる作品。今作は、佐藤B作の熱演と脚本の秀逸さが際立つ作品である。】

2024年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■妻、幸子とパニック障害を持っていた子供勇一を殺害したとされる容疑で逮捕された男、松田和夫(佐藤B作)が連行されてきた。
 死刑になって殺した妻と子供のもとへ行きたいと懇願する松田和夫。
 そんな彼を取り調べることになったベテラン刑事テジマ(中西良太)もまた、鬱病の妻を抱え家庭崩壊の危機にあった。
 そして取り調べの段階で、次第に事件の真相が明らかになる・・。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・松田和夫演じる佐藤B作の、渾身の演技が身につまされる作品である。

・だが、彼も取り調べるベテラン刑事テジマ自身も母が認知症になり、困惑している姿が序盤に描かれる。

■途中で、観ていて事件の真実が推測できるのであるが、それを突っ込むのは野暮である。真面目に印刷工場で長年勤めていた松田和夫が、会社を辞めた理由。
 それは、知的障害を持って生まれた勇一の看護生活に疲れた妻、幸子を助けるためだった事が判る取調室での刑事との遣り取り。

<今作は、2015年に公開された映画でもあるが、現代でも根本的な解決策は見出されていないテーマを密室劇に集約した作品である。
 余り、知られていないようだが、個人的には現代に通じる重い問題を描いた作品であると思った作品である。>

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NOBU

3.0ベテラン取調官の真実引き出し術

2022年12月6日
PCから投稿

中盤位までは何らかの啓蒙ドラマなのかといぶかしげに視聴。
知的障碍児の家庭内看護で追い込まれる家族の話、あるいは仕事中毒公務員との結婚生活に疲れ果てる妻の話とか・・・

しかし、終盤になって犯人の自供の不自然さをぐいぐい攻め立てる刑事の描写からエンドにかけての展開で「取り調べヒューマンドラマ」を見せたかったのだと合点。

極低予算、室内固定セット主体ながら一点貫通主義である程度の深みを演出できていたのではと感じましたね。

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resuwisshu311

4.5観て良かった

2015年10月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

平凡そうな刑事が、取り調べを通じてゆっくり自分を晒しながら事実を追及していくのがカッコ良かった。

結末はどうなるのか読めなかったが、犯人と同じく、最後の最後に少し救われた。

海外で賞とか取れそうだけどなあ…もっと多くの人に観て欲しい傑作です。

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shadow-81

4.5雨音が心に響き

2015年6月16日
スマートフォンから投稿

泣ける

悲しい

こんなに重くて暗くて悲しい映画なのに、気がつくとアッと言う間の90分でした。
この様な内容だと、普通は辛くて見ていられなくなるのですが、其処には愛があり、優しさがあり、労りがあり、観ている者を包みこんでくれる温かさがあるのです。
回想シーンは出てきません!必要が無いからです。
普通、必ず目を覆いたくなるような回想シーンが出てくるはずなのですが、この映画には、そんなものはありませんでした。
台詞だけで充分伝わって来ました!
また、役者さん達が本当に上手です。
雨の音が効果音として使われているのですがとても良いです。
挿入音楽も同じ曲が何度か使われていて、それも良かったです!
強いて言うなら、後ろに流れる音楽がもう少し主張されない方が良かった様な気もしました。でも、こんなに泣かされた映画は久しぶりです。見終わった後もしばらく涙が止まりませんでした。沢山の方に観て貰いたい映画です。

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タエちゃん