ディアボリカル : 特集
“SF”“タイムトリップ”“ホラー”って……どんな映画やねん!
「他とは違う」が大好物なあなたには、今夏、超異彩を放つこの1本!!
怪奇現象がわき起こり、せん光とともに“謎の存在”が突然自宅に現れる。それは悪霊や怨念ではなく、時空を超えてやってくる何者かだった……。従来のホラー映画の常識をうち破るSF的要素がたっぷりの注目作「ディアボリカル」が、8月22日より全国公開。「普通と違う」刺激を求める映画ファンなら、この異色作を見逃せない!
■「おいおいおい! そこまでやられると、逆に見たくなるわ!!」
「ホラー映画ファンの心をくすぐる」満載のツッコミどころに、もうたまらん!
野心あふれる映像作家がアイデアとエネルギーを武器に、映画界に殴り込みを掛ける際に活用するのが「ホラー」ジャンル。思い起こせば、スティーブン・スピルバーグもデビッド・リンチも、そしてデビッド・フィンチャー、ピーター・ジャクソン、サム・ライミ、ダーレン・アロノフスキー、ジェームズ・キャメロンなどなど、大ヒット監督の出世作はみんなホラー(またはスリラー)作品だったではないか。
とにかく映画ファンのこれまでの常識をぶち破り、「こんな映画ってありなんだ!」と思わせてしまう作品群。驚きのアイデアと新たなる才能に出合ってワクワクしたいから、新作チェックは欠かせないというホラーやスリラー、SFファンも多いはずだ。
この夏、そんな映画ファンにおすすめしたいのが、“SFタイムトリップ・ホラー”とジャンルが銘打たれた「ディアボリカル」。「なんだそのジャンルは!?」と反応したあなた、嗅覚はバッチリだ。思わずツッコミを入れずにはいられない、独自性たっぷりの、ホラー映画ファンの心をくすぐる注目作なのだ。
家の中で不気味な物音がしたり、人影がよぎったりする──自宅内での怪奇現象を描く“家モノ”には、「悪魔の棲む家」「ポルターガイスト」「死霊館」といった傑作がそろうが、描かれる真相は大抵が悪霊や悪魔の仕業。心霊ハンターが登場して家を清めることで、主人公一家は平穏を取り戻すという物語仕立てだが、本作の現象の原因はオカルトの類ではなく、なんと「時空を超えてやってくるもの」。「それはいったいどういう事なんだ!?」と混乱せずにはいられない前代未聞の状況なのだ。
蛇口から落ちる水滴が止まったり、机の上に置いてあるものがゆっくりと浮き上がるのを予兆に、まばゆい光とともに時空を超えて現れるのが“アレ”と呼ばれる謎の怪人。そのビジュアルは衝撃的で、平穏に暮らすシングルマザーと幼い兄妹たちに、全身の皮がズルむけになったヌメッとした姿で襲いかかってくるのだ。あらゆる科学的常識を無視し、壁をすり抜けたり、床や天井から腕を突き出して追いかけてくるさまは、恐怖を通り越してもはやギャグの域。思わず「イイね!」ボタンを押したくなるほど。
クエンティン・タランティーノら映画監督、「ソウ」といったインディペンデント作品を見出してきたサンダンス映画祭が、近年そのスピリットを失いつつある中で、先鋭さを受け継ぐ映画祭としてがぜん注目を集めているのが、米オースティンで開催される映画・音楽・デジタルの複合コンベンション「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」だ。「ワイルド・スピード SKY MISSION」「キャビン」「インシディアス」といった作品群が同地でワールド・プレミアを開催。本作は、そのSXSWで反響を呼んだ作品なのだ。
ホラーに挑むのは無名のスタッフ&キャストが多いのは前述の通りだが、本作のアリステア・ルグランはただの新人監督ではない。「華麗なる賭け」のアカデミー賞作曲家ミシェル・ルグランをおじに持つ血筋。「バイオハザード」シリーズのクレア役で知られるアリ・ラーターを主演に恐怖と美が両立する世界を作り出しているのだ。「謎の存在が時空を超えてくる」SF設定は、後半、思いもかけない「ターミネーター」的なタイムパラドックス展開を呼ぶ。ホラーにとどまらない“ジャンル破壊”にも挑んでいるのだ。
■衝撃怪奇スクープ映像4連発!
これは「幽霊」の仕業ではございません──未来から来た“アレ”の仕業です!
百聞は一見にしかず──「時空を超えてやってくる未知なる恐怖」は、実際にその目で確かめるしかない。郊外の住宅地で幼い息子と娘を育てているシングルマザー、マディソン(アリ・ラーター)を恐怖に陥れる数々の怪奇現象を捉えたのが、この4本の映像だ。やがて明らかになる、謎の実験を繰り返したきた怪しげな研究機関の存在。そして幾度となく訪問する不動産セールスマンの目的は何か。それらと怪奇現象との関連性はいったい……。
■そこのあなた──そう、“あなたのこと”を言っている!
ひとつでも当てはまったら、あなたは選ばれし“ヘンタイ”ホラーファンだ!
大きな予算を掛けた超大作でも、有名スターが出演する豪華作品でも、アカデミー賞を獲った良作でもない。だが、アイデアと勢いなら負けていない先鋭的なインディペンデント・ホラー作品。本作を楽しめるのは“選ばれし者”だけと言っても過言ではないだろう。果たして、あなたにはその資格があるか。以下をチェックしてひとつでも当てはまる項目があったなら、あなたもその選ばれし映画ファンに仲間入りだ。