幕が上がるのレビュー・感想・評価
全236件中、1~20件目を表示
素晴らしい学園映画 黒木華が作品に品格をもたらす
「踊る大捜査線」シリーズで知られる本広克行監督が得意とする、いわゆる学園もの。「サマータイムマシン・ブルース」では若手のホープだった瑛太、上野樹里らに自分たちの魅力をいかんなく発揮させ(いまと全くキャラの異なるムロツヨシの姿も)ているが、今作でも「ももクロ」ではなく、百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏の女優としての魅力を最大限引き出すことに成功した。適材適所のキャスティングであり、もっと評価されても良い作品ではないだろうか。そして、5人が通う高校の教師役で出演している黒木華の佇まいが格別で、特筆すべきポイント。黒木の存在が物語に安定感をもたらし、品格すら与えている。
観ると勇氣がわく
部長の高橋さおり(百田夏菜子)の表情、セリフ、雰囲氣がとても良い。
溝口先生(ムロツヨシ)の言動は笑える。
中西さん(有安杏果)が緑色のドリンクを飲んだあとからの展開も良い。
演劇部を見学するだけだった吉岡先生(黒木華)が本氣になってしまう。
懐かしい辛島美登里さん、今をトキメク吉岡里帆さん、芳根京子さん、伊藤沙莉さんも脇役で出演しています。
挿入歌は「ももいろクローバーZ」です。
感動ポイントが多く、かなり氣に入りました。
あとで円盤特典のオーディオコメンタリーや2枚目のボーナスディスクをじっくり観たいと思います。
意外と演技上手なももクロ陣
................................................................................................
高校の新3年で演劇部の夏菜子はキャプテンに抜擢される。
でも正直そんなに興味なく、辞めようかどうか悩んでいた。
そんな折、新任の美術教師から演劇内容について意見される。
最初は人の気も知らないでと思って反発するが、
調べたらその人は学生演劇の女王と呼ばれた人だった。
夏菜子は顧問になるよう直訴するが、断られる。
でもアドバイスするだけなら、となって実質的な顧問となる。
そしてやるからには全国を目指すってことになり、合宿も行う。
全国まで行けば受験に支障が出るが、構わないと思った。
こうして地区大会を勝ち抜く。
しかしそんな折、この先生が急きょ手紙を残していなくなる。
東京合宿で古い知り合いに会い、プロ女優への熱が再燃したのだった。
そしてオーディションに合格し、教師も辞めることになった。
夏菜子は裏切られた気持ちになりつつも、
先生の選んだ道は正しいと思うのだった。
................................................................................................
まず驚いたのが、ももクロの演技の上手さだった。
昔よくあった棒演技のアイドルドラマなんかとは時代が違うのか。
演劇には知識も興味も全くないんだけど、
若い人達が何かに熱中して試行錯誤するのは、見ていて感動する。
しかも救世主のような天才が出現・・・好きなパターン。
またその力で頑張って優勝ってなベタな終わり方より、
先生もまさかの現役復帰で姿を消すってのも良かったと思う。
黒木さんもとても格好良かった。
しかし生徒らはともかくとして、黒木さんまで露骨に、
駄目なおっさん教師を相手にしてないのはどうかと思ったけど(場)
未来を捨てても私はこれがやりたい!
当て書き??ももクロには詳しくないけど、それぞれ役が合ってて演技が自然!
ファンじゃなくても問題なく楽しめる!
部活がテーマの映画って少ないし、ましてや演劇部は観たことない。演劇部って未知の世界線だったので、しっかり知れておもしろかった。
演劇部に興味がなくても、曖昧な評価に不満があった人や頑張りたいけど、どう頑張ればいいのか分からない人におすすめ!
人生を変える出会いって運だとは思うけど、でもその運も宝くじみたいで、やらないと出会えないんだよな、と。
何もせずに、ぼーっとして待ってたら永遠に出会えない。
主人公たち弱小演劇部が出会ったのは、かつてのカリスマ学生舞台女優だった先生。
先生の演技を観て、頑張る道筋が見つかった時の輝きが眩しい。
子供達が受け取るばかりじゃなくて、先生も子供たちの頑張りから刺激をもらって、お互いに成長していく姿が素敵。
主人公がこれでいいのか迷ってプレッシャーに負けそうになりながらも、仲間を励まし励まされ、将来に繋がるかも分からない部活動を進路を後回しにしながらも、夢中になって取り組む姿に涙。
輝いてる学生は美しい〜!
演じるということ
他人を演じるということは、麻薬のような中毒性のあるものなのだろう。この映画を見ながら、私は20年以上前の、新宿のとあるキャバクラを思い出していた。そこには何人かの女優の卵がキャストとして勤めていて、黒服にも小劇場の俳優さんがいた。私は彼らとの会話が楽しくてそこに通っていた。何度か彼らの公演にも行ったが、テレビに出ている俳優より上手い役者が何人もいた。しかし、彼らのほとんど、いや、知る限り全部が、その後メジャーな舞台に上がることはなかった。ほんの一握りの成功者と、死屍累々ともいえるようなその他の退場者を見続けてきた平田氏や本広氏が、アイドル映画という形を借りて、その退場者に向けて作ったオマージュがこの映画なのではないだろうか。この作品の続編を見てみたいと思う。吉岡先生は、さおりは、演劇の世界にいるのだろうか?表舞台にたっているのだろうか。
映画のコピーの「弱小演劇部が全国をめざす!」と聞くと、勝ち進む過程...
映画のコピーの「弱小演劇部が全国をめざす!」と聞くと、勝ち進む過程のワクワク感を想像しがちだが、この物語はそんな派手なストーリーが展開するワケではなく、演劇部員たちの日常に寄り添った内容で、共学なのに男子生徒のセリフが全く無くて、大丈夫かと思うくらいストイックで直球勝負のおよそアイドル映画とは程遠い作品となってる。
主演の5人の人間関係がセリフだけでなく、何気無い表情や目線、仕草なんかで実はかなり深い所まで表現されている事に驚いた。注意深く彼女たちの演技を追いかけるほど楽しめる、演出の行き届いた作品となっている。リピート鑑賞で新しい発見が出来る奥の深い素晴らしい青春映画が誕生したと思う。
映画デビュー作であるにも拘わらず、5人とも完璧にセリフを入れて現場で台本を開けることが無かったそうだが(監督談)、それが誰かに言われたり5人で示し合わせたりしたワケじゃなく、各々の映画にかける想いの発露の結果としてそうなっただけという事で、この5人のその想いが周りのスタッフや共演者を巻き込んだだろうことは想像に難くなく、この様ないい映画が生まれたことは必然だったのかもしれない。
【以降、軽いネタバレ有り】この物語の主人公である演劇部員の高橋さおり(百田夏菜子)の、冒頭のシーンの何か投げやりで絶えずイラついてる感じと、上級生が抜けて周りから押し付けれた部長を仕方なくやっている感に「こんな娘に、この先付き合うのか?ちょっとしんどいな」って言う印象で、物語は進んで行く。それが、新任の美術教師の吉岡(黒木華)に演劇の神様を見る瞬間のシーンから物語が動き出す。
黒木華の芝居の説得力に、そこでさおりが感じたであろう鳥肌が立つ様な感覚を共有出来たお蔭で、その後のさおりの感情が手に取るように心に入って来る。そうなってしまうと、何度泣いたか分からないくらい泣いている自分がいた。でも感情が高ぶった号泣ではなくて、気が付いたら涙が頬を伝っている感じだ。
現国の授業中に先生(故人 志賀廣太郎)によって語られる内容が、劇中劇の脚本に多大な影響を及ぼしていて、特に最後の授業で語られたことは、最終的にこの物語の落としどころとなっている。演劇を題材にしているだけに、銀河鉄道の夜をモチーフにした劇中劇の演劇的な言い回しがこの映画の深みを増す大きな要素となっている。
自意識の爆発が蔓延して、観るものを支配する?
ももクロについては観たことが無く、噂に聞くばかりで、職場にももものふのおじさんがいて、戸惑うばかりでした。
この映画では、百田以外は、誰がももクロのメンバーか区別がつかず、はっきりとは認識不可でした。
演出と脚本がこなれていないけれども、それが一層女子高生、それも演劇部員の自意識過剰をリアルに表現しています、特に百田の独白が映画を支配しています。
それぞれ、みんな個性的で、伊藤や芳根京子はすぐに判別できましたが、吉岡里帆はわかりませんでした。
黒木華ががんばっていましたが、私的には、ムロツヨシと天龍が印象に残りました。
特に、浣腸されるムロツヨシ。
同じシーンが1時間近く二度再現されるのですがDVDだからでしょうか。
総じて、引き込まれてしまう演技だったので、その中に入ってしまいたい、そう感じました、特に私も高校の時にシェイクスピア劇で主役をしましたので。
ももクロも素敵でしたが、黒木華の存在感も素敵でした。
田舎の高校に舞台女優の先生が赴任したことから、弱小演劇部が全国を目指すことになる青春映画。
ももいろクローバーZ主演の青春映画です。ももクロ目当てで鑑賞したのですが、純粋に映画として楽しめる作品だったと思います。
あまり知られていない高校演劇の世界を舞台に、演劇の奥深さ、全国のレベル、チームワーク等を上手に織り込みエンディングに繋げていきます。
ももクロの演技は、あくまで自然体。ぎこちなさを感じる部分は多々ありましたが、それ以上に自然体の彼女たちの魅力を撮ることを優先しているように感じます。
その中で、黒木華の迫力は流石で、彼女が出ているシーンだけ別の映画になったようにすら思えます。ここら辺は、本広監督の手腕を感じられますね。
難点を言えば、やや長いように感じられます。中盤にやや冗長に感じられた時間もあったので、もう少し削っても良かったかもしれませんが・・・ももクロは当時5名いましたので、出番を考えると難しかったのかもしれませんね。
平田オリザが間口広げた演劇映画
〜あまりにも醜い第1作レビューだった為、再鑑賞再レビューした追記rev.UP 2020.5.1〜
地区予選突破も難しい高校演劇部がある新任教師によって様変わりし、地区予選突破は元より全国大会を目指す話。
ももいろクローバーZと言うアイドルユニットを使う事でアイドル色は強いものの、青春と演劇の面白さというものを脚本にて上手く表現されており、演劇に興味が持てる入口入門的作品である。
高校生3年と言う人生の進路が半分くらい決まってしまう時期に演劇をやる事への不安や戸惑い。
裏方含め皆で作品を作ると言うこと。
心に届く脚本とは?演劇とは?
「私達はどこまでも行けるキップだけは持っている」
やりたい事をやり続ける。どこまでも果てしなくとも。
作品としてもそれが繋がり、人に芸術として心に響くのだ。
私としては銀河鉄道の夜をモチーフにし、全国大会ボランティア後の脚本のヒントとなる電車を2人で待つシーンが好きである。
やがて全国大会に挑む少女達。
「勝てる気しかしない」(理由なんて無いのよ💦)
なんと心強い言葉。
コロナの影響で演劇界も打撃を受けている今。平田オリザ氏がTVで呼びかけていた。
演劇を娯楽と言わず芸術作品として支えて行きたい。
頑張れ演劇‼️
********
タイトル:面白い演技映画なんだけどアイドル感出し過ぎ。
ももクロの演技と演劇と言うテーマは良かったのですが、脚本&演出が醜い映画でした・
脚本&演出が醜いシーン①
ライバル高として実際の高校演劇部が出るのですが、
その高校との比較の演出があまりにも酷すぎる。
彼女達の高校は、ある先生(黒木華)の指導の元、自分達の演劇
が進化していきますが、県大会の前の地方大会にて失敗しまくり
ます。その後にライバル高の演劇シーン。
正直、脚本&演出は「失敗しまくりでは無く無事成功させたが、
ライバル高との差が大きい為、一層努力する」で良かったのでは?
「スウィングガール(映画)」みたく、一からジャズ(こちらは演
劇)を始める訳じゃないのだから。。。
このシーンの後には彼女達の演劇シーンは出てきません。
ですから尚更しっかりとした彼女達の演劇シーンが見たかった
です。
脚本&演出が醜いシーン②
変なシーンで挿入歌。これがまた爆音でうるさい。
「ボランティアで演劇会場の手伝いのシーンでなんでそんな
挿入歌が流れるんだ」とミスマッチにイライラ
脚本&演出が醜いシーン③
特訓シーン&黒木華撤退後の伸び悩むシーンが以上に短い
CMでやってる灰皿投げる特訓シーンに期待していたのに
実際は30秒も無し。
後半の重要伸び悩みシーンなんてやっつけ仕事みたいな脚本
脚本&演出が醜いシーン④
有安と玉井が一緒にペンキを塗るシーンとかで、ももクロファン
としては「ニヤリ」するシーンがありますが、正直映画では
いらなかった。
醜い所ばかり書かせて頂きましたが、全体的には面白かった。
廻りの監督や脚本家が「アイドル映画」に仕立ててしまった感があります。勿体無いです。
ももクロ好きですよ。学生料金なら観ても損はないかな。
青い春
すっげえ良かった。
演劇を通して語られる青春。
儚く尊いものをフイルムに焼き付けた感がしてならない。
ももクロの5人がとにかく良くて、百田さんの感受性なのかセンスなのか…ずば抜けてる。
脚本も凄く好きだし、キャスティングもハマってた。
黒木さんの立ち位置が絶妙で恐れ入る。
だだ漏れになりそうな青春譚の外枠をガチッと止めてるようで、アレが彼女でなかったら俺はこんなにも泣きはしなかったろうと考える。
コントラストも距離感も見事だった。
そして、なぜだか本作の台詞は優しい。
時にか弱く、時に強く、時によろめき、時に立ち止まる。なんなのか良くは分からないのだけれど、とても優しくて愛に溢れてた。
公開当時、良いとの評判だった本作。
なかなかご縁がなかったのだけど、見れて良かった。
宇宙の果てには辿り着く事なんでできやしないけど、どこまでも行ける切符を僕たちは持ってる。
そしてここから、宇宙の果てを目指すんだ。
なんか色んなものにリンクする幕引きだった。百田さんのキャラにガッツリ感情移入してしまい、恥ずかしながら画面の前で涙が止まらなかった。
あと少し。
巨匠、本広克行氏がメガホンを取った。それだけでも感動である。アイドルが演じる。すごいことである。でもスクリーンに出たらそれは女優。ももクロは好きだ。でもあそこにいるのはももクロではなく立派な五人の女優だ。なのになぜももクロ色を出すのか。ももクロではなく女優の彼女達を見たい。本広克行にがっかりした作品だ。
現実とリンク
高校演劇のお話。
今見ると主演クラスの子が脇役してたり見応えあります。
脚本も高校生の葛藤をとても上手く描いていると思う。
特にかなこ、しおりん、ももかの3人は当て書きでもしたんじゃないかというハマり具合。
強いて言えば、最後のへんのあーりんの落ち込み具合だけちょっと過剰演出だったかな。
ムロさんだけは良くも悪くもいつものムロさんでした。
黒木華はやはりすごい。理科室?の一人演技シーンは見どころ。
ただのアイドル映画ではない
ももクロが平田オリザのワークショップに参加して挑んだ演劇部を演じるという彼女たちの成長を見守るかのような青春ムービー。
エンドロールをがっつりももクロにしたのはファンサービス。
静岡県富士市や富士宮市、函南町各所で撮影が行われている。
高校生の演劇部も多数登場。
黄色がヒロイン役で可愛い。
黒木華がドスが効いてる役でいい。
ももクロの5人で手いっぱいになり吉岡里帆や伊藤沙莉に出番なし(伊藤さんは特徴的な声だけ発揮)。
ムロツヨシより志賀廣太郎の方が目立ってた。
蜷川幸雄を思わせる灰皿など演劇系のネタはもっとあるのかもしれないが詳しくないのでわからず。
その一瞬の
今さらモモクロに対して素人臭さが良いなどという感想は月並みすぎるのだけれども。彼女達が持つ年代の輝きが目一杯に弾けるその一瞬が眩しく映る。黒木華が対照的で異物感がすごく(役柄も実際も本物の女優)、とてもいい。
黒木華の映画。
映画としてもすごくいいです。まるでキャンバスの上に描かれたような描写の連続で心地のいい映像です。
しかし、それ以上に黒木華がすごい!初めてセリフを喋ったとき黒木さんってこんな人だったっけ?と思ったぐらいキャラクターが豹変してました。
本当に彼女は名優です。
この映画は間違いなくももクロの映画ではなく黒木華の映画です。
全236件中、1~20件目を表示