デビルズ・ノット

劇場公開日:

デビルズ・ノット

解説

1993年にアメリカで実際に起こった未解決事件で、逮捕された3人の少年に対する史上最悪の冤罪事件とも言われる「ウェスト・メンフィス3事件」を、関係者の視点からスリリングに描いた群像劇。「スウィート ヒアアフター」「アララトの聖母」などで知られるカナダの名匠アトム・エゴヤンがメガホンをとり、「英国王のスピーチ」のコリン・ファースと「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」のリース・ウィザースプーンが主演した。93年初夏、米アーカンソー州ウェスト・メンフィスで、児童たちが無残に殺される猟奇殺人事件が発生する。事件当日の不審者目撃情報が相次ぐものの、いずれも決め手に欠け、押し寄せたメディアによって報道は過熱。小さな田舎町の住民たちは、次第にパニックに陥っていく。やがて警察は16~18歳の若者3人を犯人と断定し、逮捕するが、そこに不自然さを感じた私立探偵のロン・ラックスは独自に調査を開始。一方、被害者のひとりの母親パムも、裁判を通して浮上したさまざまな矛盾に動揺していた。

2013年製作/114分/PG12/アメリカ
原題または英題:Devil's Knot
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2014年11月14日

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映画レビュー

4.0魔女狩り?

2023年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

猟奇殺人。人々の不安、かわいらしい子どもへの同情から、人々は生贄を欲しがる。
 それは現代のマスコミ、SNSでの炎上をみても、簡単に再現されること。
 なんであの証言でこの結論かなあと、映画を鑑賞している私達は冷静に判断できるが、次の被害者は自分や自分の大切な人かもしれないと思うと、早くに恐怖の対象を取り除きたくなり、誰かをつるしあげることで安心を得ようとする。
 また、周りの人と違う意見を表明する勇気。へたに表明すると表明したものが魔女に仕立て上げられる恐怖。
 いじめの歯止めがかからなくなるのと同じ。

悪魔崇拝。
 日本だとピンとこないけど…。
 発見された、さらわれた子どもの遺体から内臓が抜き取られていたというニュースを悪魔崇拝に関連付けた記事が新聞に”よく”載る南米。南米で暮らしていた時、「隣の子どもが生贄に…」と真剣な面持ちで語った同僚。
 ネットで見ただけだけど、アルビノを生贄の為に襲ったというニュース。
 『ミレニアム』という映画にも出てきたっけ。
 物語の世界だけだと思っていた悪魔への生贄。現実のものかもしれないと言う恐怖。
 お互いの不信感・漠然とした不安。誰でもいい、対象を特定させて排除して安心したい。その一途な想い。そこだけをみると、強くない人々の、善良なる想いなのに、なぜこうなる。

「誰が犯人か」
 実話ベースだけあって、そこはすっきりしない。ミステリーとして観ると評価は下がる。
 普通の人がもっている人間のエゴ・闇を描き出した作品として秀逸。

良くわからないけど、USAでは再審制度ってないのかなあ?それとも貧困層の子どもたちだから、親も動かなくて、お金もなくて再審請求しなかったのかなあ?
 そんな貧困はこの日本ではあってはならない、このような捜査・裁判はしてはならないと決意したい。

デハーン氏目当てで鑑賞。
 怪しいような、怪しくなさそうな、そんな演技は、出番が少なくとも印象に残る。けれど、もっと物語をかき回してくれてもと期待がアップして。否、これは実話ベースだから、ここだけを膨らませるわけにもいかないし。
 あのシーンだけで、怪しさ/怪しくない雰囲気をあれだけ出せるのはデハーン氏ならではと思う反面、何もデハーン氏使わなくともと、デハーン氏の演技力が生かされていない感じが勿体ない。

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とみいじょん

4.0散乱する話を上手くまとめています

2023年9月2日
PCから投稿

モヤモヤする人が多いでしょうが、実話だから仕方ない。
色々な人が交錯する少しややこしい話ですが、アメリカでは有名な事件なので、アメリカ人は経緯や結末を知っていて観る作品です。しかし、予備知識ナシの人が観てもちゃんとついていけるような簡潔な脚本と堅実な演出でした。

しかし、アメリカっていう国は「疑わしきは罰する」んですね。陪審員制度の弱点でしょう。

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越後屋

4.5無垢で悪意のない住民の恐怖

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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よし

3.0真実は闇の中

2019年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 悪魔崇拝者=オカルト殺人者と決めつける世論。ヘビメタが好きだって黒い衣服が好きだっていいじゃないか!冤罪はこうした偏見から成り立ち、自白の強要からでっち上げられるのが世の常だ。日本ではあまり見かけないオカルト殺人。キリスト教国家ではこうした魔女裁判が根強いということを痛感。

 一人は知的障害を持った16歳の若者。残り二人のダミアン、ジェイソンは無実だと言い張るものの、裁判も強引に押し切られた形となった。どうしてまたダミアンとジェイソンなんだ?!ホラー映画を想像してしまう、観客をもミスリードするネーミングなのか。

 猟奇殺人の内容よりも、魔女裁判のごとき進む裁判の方が怖かった。最初にビデオテープに証言したマーロン少年も何かにとりつかれたのような淡々とした表情だったし、証言台に立った少女も無表情。町ぐるみで少年たちの復讐のための儀式を行ってるかのようだった。不思議と印象に残ってるのが、性犯罪絡みだったので被疑者が陰部まで警察に撮影されてたことかな・・・

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kossy