天空の蜂のレビュー・感想・評価
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何処にも刺さらない蜂…
なんと言うか…「極めて日本的な、何処にも刺さらない」一本。
馬鹿な嫁と、馬鹿な息子、馬鹿な親父と。
阿呆な実行犯と、マシとはいえやっぱり阿呆なフィクサー。
間抜けな警察と、間抜けな自衛隊。
まともだったのは…原発関係者だけか。
それぞれの言い分は有るけれど、どいつもこいつも目の前の事に流され過ぎで…
本懐を無視してコロコロ変わるのが、頭にきた。
言葉は悪くて申し訳無いのだが…
「誰か、まともな(=筋の通った)人を連れてきてくれ!」と。
もう、突っ込むところしか無い描写ばかりで。
重箱の隅をつつくどころでは無く「重箱カビだらけ」のような有様。
(嫁…お前…とか、クーデターを…とかの人物像に始まり、警官の群れの中で暴徒を取り押えるどころか拳銃を…とか、航空自衛隊が警察権持ってて拳銃持って…とか)
フィクサー周りが唯一しっかり筋を通していたけれど…
そこを突きつける事無く、311に繋げてボヤかしてしまう作劇も如何なのだろうか。
結果、何がしたいのか分からない。
「火種になるような主義も主張もしない」いつもの邦画に成ってしまって。
いやそもそも。
スネガキを下ろした時点で、都合の良い事に爆薬まで積んでいるんだから。
無人で武装も無くホバリングしてるヘリを、木っ端微塵にミサイルでも叩き込んじゃダメなのかしら?
如何転んでも、最悪破片が落ちる方がダメージ少ないよね?
今こそ自衛隊の出番でしょ?
もう、この時点で物語に説得力が無いんだよ。
(劇中でも不可の説明は無し)
つまらない…とまでは行かないけれど、劇中でせっかく出した毒針も、なあなあでいつの間にかさぁ〜っと流してしまい。
観終えて「だから何が言いたい?」とモヤモヤが残る作品。
さすが、東野圭吾、
最初、江ぐっちの奥さん、浮いてて(;^_^Aあれーと思ってたけど、流石モックンと江口の攻防戦。
引き込まれました。災害が続く日本で被害にあった方々を他人事で、見てみぬふりで済ませてしまう。考えさせられる。
「立ち止まって考えて」というメッセージ
…東野圭吾氏自身が「今まで書いた
作品の中で一番思い入れが強いのは
どれかと訊かれれば、これだと答える
だろう」
…という作品。
…私が受け取ったキーワードは
「蜂の習性」「原発」
「自動遠隔コントロール装置」。
…電気というエネルギーは、我々に
とって「蜜」なのか、それとも、
我々を絶滅に追い込ませるものか、
刺し違えるDNAを発動させるもの
なのか…。
…それとも「電気」という
エネルギーは、「目の前の餌」であり
我々は、それに群がる思考を奪われた
奴隷なのか…。
そんな事を考えていました。
例えば地上に、地下に上下に移動する
のに、階段では大変な駅や図書館など
公共施設を設計し、エスカレーターや
エレベーターを設置しては
「便利だ」「楽だ」という「蜜」を
吸わせて、大量の電気の消費を
当たり前そして「必需品」と思わせる
システムにより…洗脳されている我々。
今後、更に爆発的な電気を必要とする
リニア中央新幹線や電気自動車の
普及も、
「速い」「快適」「楽」「お得」…
という『システム』が用意する「蜜」
なのでは無いかと勘ぐりたくも
なりました。
「蜜」を吸わされては、
”自動操縦装置で操作されるかの
ように”抵抗もせず、考えること無く
ついていく私たち…
例えば、私の住んでいる市の市管轄の
エスカレーターやエレベーターや
照明代、空調費のの電気代は
公開されないまま、
誰もが税の費用対効果も考え
させられること無く
…自由に”使わされて”います。
…このまま飼い犬、いや、システムに飼育
される『社畜』でいいのかと。
劇中でも出てきましたが原発誘致地に
住む人、電源の存在をを意識する事
無く、
面倒だったり、罪悪感を感じることに
”目を瞑る”全ての電気を使う、
この国の殆どの人に対して
『考えろ』というメッセージに
感じました。
また、劇中で犯人に身体中を致命的に
傷つけられても、手錠をして
犯人を引き止める為に引きずられても
必死に抵抗するというシーンが
ありました。
…このシーンを観て
犯人が「原発推進するシステム」だと
したら、それに「抵抗無しについて
行っている」のが、今の日本人ではと
感じました。
…しかし劇中では命をかけて、
この日本を救おうと愛する妻子を
残して抵抗する人も存在する。
…自分には必死に出来るのか?
という疑問。
…一人では難しいかもしれません。
…でもこの映画を見て何かを感じた人
たちが、安保問題で団結したSEALDs
(シールズ)を中心にした若者達の
ように未来の日本を思いつながれば…
という可能性も感じました。
また別のシーンでは原発関係者の
子供がいじめで自殺する場面があり、
原発への悲しさ、怖さが脳内で変換
され、怒り、攻撃力となり、
それらが弱者に向けられるという
事も描かれていました。
私たちは「悪いこと」と知り
ながらも、”やってしまった”
事に対して意識的、無意識に
罪悪感を持ちます。
仮に感情に流されたり、悲しみが
脳の自己防衛機能によって、
攻撃に変換される本能によってでも
です。
それは、私たちの中にある本質…
「すべての存在に対し与えたい、
愛したい」に反するからです。
ですので…
「罪悪感を持たない為に、あなたが
命をかけれる事は何ですか」
…改めて自分に問いたいと思いますし、
今後は、自動ドアと手で開けるドアや
エスカレーターと階段が併設されて
いる施設を前にした時に、
私は、あなたが、どちらを
意識して選ぶのか?…という形で
自問する形で「考える」事、罪悪感を
なくすにはどうしたら良いのかを、
忘れないようにしたいです。
…この作品は1995年発表で、311が
起きる前の作品ですが、まるで
311を予測した後の世論を語るような
内容には驚きました。
…予告にあった「映画化不可能」と
言われた…は、実は技術ではなく、
スポンサー不足なのではと感じました。
…製作委員会の顔ぶれを見る限り、
普段出てくる、大手マスコミ
(TV会社や新聞社)、
など原発村に関わりそうな企業が
不在なのが分かります。
参考「天空の蜂」製作委員会
(松竹、木下グループ、講談社、
ローソンHMVエンタテイメント、GYAO!)
ココニアル。
かなりデリケートなテーマをよく映画化したなと。
東野圭吾の作品に多い裏をかいた展開は今作も健在!最後までドキドキしながら鑑賞できる作品でした。
しかし…。このテーマ、関係者も、それ以外の人も、この国に住む以上避けて通ってはいけないんでしょう。しっかりと考えなくては。後半から涙が止まりませんでした。良作です。
最高の仕上がり。
ここまで骨太に、本物のエンターテイメントを追及してくるとは思わなかった。それだけ土台の原作に力があるのだろう。
映画としては片寄りすぎず、様々な要素を巧く纏めていて、最高の仕上がり。リアリティを越えたリアルを感じた。
それぞれの俳優の演技は見事。個人的には航空自衛隊のヘリパイロットと息子救助に向かう隊員が非常に良かった。國村隼も素晴らしい。仲間由紀恵は小さくて儚くてなんて美しいんだろう。
綾野剛の存在感は唯一無二であると確信。あの異常で危険な雰囲気は簡単に出せるものではない。これから更に面白い俳優になっていくだろう!香川照之と少し似ている。
逆に湯島の妻だけが残念。もう少し若ければ寺島しのぶあたりも良かったと思う。松島花はなりきれていないので残念。これだけの大作なのだからそれなりの役者を使ってほしい。
とにかく誰にも観て欲しい一本であることには間違いない。
考えさせられる
さすがに、設定通りな事は、ないだろうけど、類似はあり得るなあ。その時、現場と、雲の上とは、差異が思惑だけで、とんでもなく拡がる。 かなり、古い原作を、今再現すると、こうなる。ドラマとして、映画としてよく練られている作品です。ただ、完結してる物語に、最後のエピソードは、必要だったかな、妙に違和感あったなあ、少しメッセージが、ボケるかなと、おもいました。いずれしても、テンポ良い展開で、一気に見れる作品です。
エンタメとして楽しみつつも、何かと考えさせられた
エンタメ性重視の過剰演出が目立ったり、何かとキャラ設定にも問題があったりで、いかにも映画通からダメ出しされそうな雰囲気満載な映画ではありましたが、私はそれらを割り引いても基本面白かったですし、何かと考えさせられた映画でもありましたね。
まあ東日本大震災の福島原発事故を経験する前だったらどこまで感情移入できていたか分かりませんし、ただ過剰演出を突っ込んでいただけだったかもしれませんが、あれを経験した今となってはやはり真剣に見入ってしまいます。
しかしこれが95年に書かれた原作と言うのがまた凄いですね。
まるで今の日本を暗示したような内容でした。
震災を経験した今となっては、リアルな恐怖として感じ取れますね。
絶対大丈夫はもはや通用しない世の中と化した今だからこそ、映像化する価値は大いにあったと言えましょう。
これを様々な思惑が錯綜する堅苦しい社会派サスペンスとして描いていたら、果たしてどこまでの人が見たか微妙なところかと思いますが、そこをとても見易い堤流エンタメ作品として描くことによって、映画通には批判されようともたくさんの人に見てもらい、再稼動の方向へ進む原発について再度考える機会を作ってもらった気がして、とても有意義な映画に思えました。
単純にパニック映画としてもまずまずの見応え、突っ込みどころは満載でしたけど、前半の子供救出作戦も後半の原発爆発回避作戦もスリル満点で、基本ハラハラドキドキ楽しませてもらいました。
ある程度犯人や共犯者が分かりつつも、これだけドキドキさせる演出はお見事の一言でしょう!
まあ政治的踏み込みはかなり甘めも、何かと考えさせられた映画でしたよ。
政治が信じられないこの国で、観るべき秀作!
最近の邦画は、
TVや漫画の焼き直しが多いせいか、
本の甘いのが多い。
封切りを早くしたいがために、
詰めきれないのかな。
そんなカンジで
邦画に裏切り続けられていたので、
今作はとても良かったなぁ。
とにかく原作が、秀悦!
綿密に練りこまれて、スリリング。
「日本のいちばん長い日」もそうだけど、
原作小説が骨太だと、
スクリーンに飲み込まれてしまう。
題材は、原発。
そんなタブーとされてきたモチーフに、
作家はもちろん、
スタッフもキャストも配給会社も、
挑戦しているのが素晴らしい。
登場人物が多いのだけど、
さすがの東野圭吾。
各々が背負った背景を、
確実に絡みとっていく。
親子の絆に、
子供のイジメに、
原発地民の悲哀に、
原発開発側の葛藤に
政府の隠蔽気質。
原発に対する様々なストーリーが
折り重なって、
8時間のドラマが転がっていく、
そしてリアリティを積み上げて、
驚愕のラストに向かっていく。
キャストも
見事に原作に答えていた。
原発の設計士
三島を演じる本木さんは、
過去の事件を背負った
抑えたミステリアスさから、
ラストまでのコントラストが
実に鮮やかだった。
テロ犯の綾野くんもいい!
この人は抑えた演技が、
本当に雰囲気あるなぁ。
本木さんと綾野くんは、
邦画界では出過ぎだけどね(笑)
新開発ヘリ「ビッグB」の設計者
湯原役の江口さんは、
ちょっとワザとらしくて、
リアリティに欠けてしまった。
それも脚本のセリフが、
いちいち嘘っぽい犠牲者なんだけど。
向井理さんのちょい役は、
この映画を前向きに終わらせるのに、
とても重要な役割だった。
監督は
壮大で複雑なストーリーを、
よく2時間強にまとめきってくれたね。
伏線の張り方も、実にわかりやすい。
前作イニシエーションラブも良かったけど、
彼が持つ独特の世界観と絶妙な演出が、
観客をいい意味で裏切っている。
アクションもVFXも
まぁまぁよく出来ていた。
ただ脚本はもう少しだった。
小説では成立していても、
映画のシーンでは滑稽になっちゃう
言い回しって多い。
そこはしっかり計算して欲しかったなぁ。
20年前に書かれた原作だけど、
フクイチの事故がなければ、
今でも「原発の危険の可能性」を描くことは、
できなかっただろう。
そういう意味では
非常に皮肉な運命を感じるけど、
今の日本が創るべき邦画の秀作だ。
ラストシーンでは、
原作にはない監督のメッセージが
こころに響く。
日本の政治が信じられない
こんな時代に、
ぜひ観ておいた方がいい。
いつか
いつか、が現実になった今日。
国は人間よりも電気が大事なのをわかっていない、と身をもって知った今だからこそひびくにことば。
昭和色の画面からは今の時代にない泥臭さと他人との距離感の近さを感じさせる。俳優たちからも熱を感じた。
スケールの大きな、実際にはありえないだろう設定も俳優たちの熱がその穴を埋めてすんなりストーリーに入り込めた。
最後の3.11の部分は少し押しつけがましいような気がした。あの部分はなくても、映画を見終わった後、必ずあの日を思うはず。
原発とは
3.11のときも感じましたが、自分も原発について無知なので、もっと勉強して自分の意見を持たないといかんと反省しました。
政府関係者としてはあんまり観てほしくない感じなんだろうか。
作品としては真剣な大人の男の熱き戦いがかっこいいと思いました。
原作を昔読んで気になっていきました( ̄▽ ̄)
10年くらい前に分厚いハードカバー読んで面白かった事だけ覚えてたので見にいきました。よかったです。面白かった。ただ昔の原作なので最後の部分だけは個人的にモヤッとしました。映画としては最後2013年のとこはいらなかったかなと、、、
想像力。
原作はだいぶ前に読了。
読んだ当時はまだ震災前だったけれど、現実にこんなことが起こったら……と背筋が寒くなった。
その後、震災で原発の危機にさらされ、真っ先に思い浮かんだのがこの話でした。映画化より20年も前に出版されていたなんて、東野圭吾さんの頭の中はどうなっているんでしょう。
映画の中でも何度もセリフで出てきますが、全ては「想像力」。
もっと他者の未来を思いやる想像力があったら、原発は作られていたのだろうか…
相手の痛みがわかる想像力があれば、イジメはなくなるのだろうか…などなど。
肝心のキャストは、江口洋介、本木雅弘がさすがの演技なのと、仲間由紀恵の相変わらずの名女優ぶりが光ってます。
その他、ベテラン俳優陣の名演技も!
エンドロールまでしっかり見ると、秦基博さんの主題歌が丸々聞けます。映画とリンクしていて、歌い方とかがかっこいいので最後まで見た方がいいです。
とにかく良かった
日本映画さ、政府とか政治家とかの悪口よく言うよね、中国映画そうしたら絶対上映できなくなる。まさか堤監督の映画だ、知らなかった、フタッフの中学校の先輩何人居るはずだ、ハハハ…でも音声はちょっとおかしいところもあった、映画館の問題か映画自体の問題かわからない…特に爆発のシーンはやばい、本当にびっくりしたwww
途切れない緊張感
久しぶりに楽めた邦画でした。
最初から始まるいきなりの緊張感が最後まで続きました。
この手のサスペンスは邦画にもありましたが、これほどテンプが良いのは久しぶりでした。
東北大震災の前に原発に関してここまで考えていた原作にも驚きがある。原発に潜む問題が震災をみた今なら理解できる。
でも、一番のお気に入りは主役が技術者なところでしょうか。
「技術者」とのセリフがやたら多かった。その度に納得してました。
原作の東野圭吾がいいのか、監督がいいのか、キャストがいいのか?多少凸凹したが、全体的のバランスが絶妙と思った。
今回、石橋けいが出ていたのも嬉しかった。久しぶりに見た石橋けいはお母さん役立った・・・ちとショックだった。
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