闇のあとの光

劇場公開日:

闇のあとの光

解説

「バトル・イン・ヘブン」「静かな光」などで知られるメキシコの鬼才カルロス・レイガダス監督が、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した長編第4作。メキシコの大自然の中で暮らす若き夫婦と2人の幼い子どもたち。平穏な毎日を送る彼らに、ある日、事件が起こり……。自然の中における人間の生と性を、神もしくは悪魔の視点を介在させつつ、レイガダス監督独自の美しい映像で描く。2012年・第25回東京国際映画祭「WORLD CINEMA」部門で上映され(映画祭上映時タイトル「闇の後の光」)、14年にロードショー公開。レイガダス監督作の日本における初の劇場公開作品となった。

2012年製作/115分/メキシコ・フランス・ドイツ・オランダ合作
原題または英題:Post Tenebras Lux
配給:フルモテルモ、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2014年5月31日

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映画レビュー

3.0昏睡映画ながら新奇な何かがあると思わせる

2023年5月21日
PCから投稿
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resuwisshu311

4.5不安の場としての静謐

2022年3月13日
iPhoneアプリから投稿

動物と共に野山を駆け回る少女。それを捉えるカメラはなぜか四隅のあたりが歪んでいる。何だこれはと思案を巡らせているうちにカットが切り替わり、今度は真っ暗な廊下。音もなく扉が開き、人知を超越した赤い発光体が侵入してくる。発光体は廊下や部屋を歩き回るだけなのだが、下手なホラー映画のバケモノ以上に本能的恐怖心を煽られる。この突然の闖入者により、映画全体が緊張のトーンに包まれることとなる。

その後は「ラグビーの試合」「自己開示セラピー」「材木の伐採」「庭先でチェス」「葦をかきわけるボート」「家族旅行」といった断片的な生活映像が無秩序に展開されていくが、そこにホームビデオのようなキュートさは皆無だ。何が映されようが先の赤い発光体の影が、つまり不安のイメージがまとわりついて離れない。

静謐を媒介とした現実と非現実の交錯といえばアピチャッポン・ウィーラセータクンの映画が真っ先に思い浮かぶが、本作はそれらとは似て非なる、というかまったく正反対のものだ。

アピチャッポン映画において静謐は安息をもたらす。そこにそっと身を横たえることで、我々は不可思議で神秘的な自然世界とシンクロを果たすことができる。彼の映画に「眠くなる」という感想が多いのは、観客が自然世界とシンクロできていたことの証左に他ならない。

一方本作を包み込む静謐は、底の見えない井戸穴のような不安の印象を我々に与える。少しでも気を抜けば吸い込まれてしまうのではないかという不安。それをさらに掻き立てるように現実を非現実が侵犯する。赤い発光体の登場はその最たる例だ。他にも、アポカリプティックな色彩に染め上げられた夕空、引き波が異様に強い浜辺、あるいは明るい部屋の窓から覗き込む夜闇なども非現実の表象といえる。「静謐」と「非現実の侵犯」。受け手はその二重の不安に苛まれることとなる。こいつはもう古典的なホラー映画だ。罷り間違っても途中で寝落ちとかできないッスよ…怖すぎて…

本作はアピチャッポン作品と同様に生々しい自然を背景としているものの、その物語的照準はあくまで人間に向けられている。先に述べたように、本作における自然は、人々の生に絡みつく不安のメタファーとしての側面が強い。この世の終わりみたいな空も、波の強い浜辺も、窓から覗き込む暗闇も、真っ赤な発光体も、すべてはほんの些細な日常の不和の誇張表現だ。

本作を敢えて形容するならば、ハーモニー・コリン『ガンモ』をマジックリアリズムと古典的ホラーの文脈に移植したような映画、といったところだろうか。他のカルロス・レイガダス監督作品にも興味が湧いた。どこで見られるんだろう?

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因果

3.5余白を想像する映画

2015年5月16日
iPhoneアプリから投稿

万人向けの作品でないことは確かだが、だからといって、“分からない”と拒むことは出来ない何とも言えない引力がある。

禍々しく赤く発光する身体を持った悪魔はあの道具箱の中に何を入れ、(それを、あるいはそれを使って)、どんな悪の種を蒔いたのか?どんなことを眠れる人の耳に囁いたのか?

アルコールやドラッグへの依存、暴力、強欲、肉欲、無邪気な子供の嘘。
人間が犯す罪は、映像の断片ではあるがゆえに、描かれなかった物語を観客に想像させる。

豊かな自然。閃めく稲光。
四角くエフェクトをかけられ中央にピントがあった画面は、観客に四角い箱に空けられた穴から人の営みを覗き見ているような恰も神になったかのような錯覚を起こさせる。

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arakazu

4.0音の記憶

2014年6月26日
PCから投稿

興奮

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小二郎