ある精肉店のはなし
劇場公開日:2013年11月29日
解説
大阪貝塚市で代々、育てた牛を家族で食肉処理し、販売している精肉店を営む一家を、温かなまなざしで見つめたドキュメンタリー。大阪貝塚市にある北出精肉店では、7代目の長男が肉質を見極めて切り分け、妻は接客にいそしみ、ガレージで太鼓屋の看板を掲げる次男も自ら牛を解体し、なめした皮を使ってだんじり太鼓の皮の張り替えを行っている。しかし、穏やかに暮らす一家の心の中には、その仕事ゆえにいわれなき差別を受け続けてきた父の姿があった。それでも仕事に対する誇りをもって自らを律して生き、命を食べて人は生きるという生の本質を見つめ続けている一家の1年間を記録した。原発開発計画に反対する山口県祝島の人々を描いて大きな反響を呼んだ「祝(ほうり)の島」の纐纈あや監督の第2作。
2013年製作/108分/日本
配給:やしほ映画社、ポレポレタイムス社
スタッフ・キャスト
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2022年12月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
含蓄のあるドキュメンタリー
これだけリアルなドキュメンタリーは今まで経験したこと無いだけに、みいってしまいました
お肉が好きな人は、感謝しないとと思う反面、大変なお仕事だなぁと思いました
太鼓の表面素材についても勉強になりました
2019年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
以前から気になりつつも公開終了してしまい、今回新たにポレポレ東中野さんでの、1129いいニクの日に合わせての上映で観ることができました。冒頭の後半の2回にわたる牛の路地裏での移動、屠殺、家族総出での解体シーンは圧巻です。リアリティの極致でした。Netflixのドキュメンタリーだと延々と解体シーンなどが続くのでしょうが、本作では北出家の皆さんの明るい人柄と7代続いた歴史などとても深い内容の作品でもあります。
2017年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
命を頂いて生きていることをもう一度見つめ直すドキュメンタリー。
命から食べ物にする過程もさることながら
残った皮を太鼓にしてゆく過程も興味深いし
被差別部落の歴史にも触れていて、
生きてゆくことの二重の罪、
他の命を頂いて体を維持し
他を貶めることで己の優位を保とうとする
人間というものの二重の罪を深く感じました。
その中で人の命を育む仕事(食肉業者)としての
矜持を持って生きて来た人々の
淡々とした日常に、ただただ頭が下がる思い。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
私は皮革製品の販売をしており、
食べるという以上にもっと沢山、
牛さんの命の恩恵に預かっているので、
このドキュメンタリーは観ておくべき作品だと思って鑑賞。
牛さんが生きている時に、柵や檻に引っかかって
ちょっと擦りむいて出来たような小さな傷に
文句を言う様な罰当たりな客には
もう何も売りたくない気持ちになりました。
@お勧めの鑑賞方法は?
今は自主上映が主流になってますが
チャンスがあれば是非ご覧ください。
2017年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
と畜から行っている精肉店の一家の話。
肉屋と同和地区というのは密接な関係にあり、そのことを避けては通れない。
それを現実として、でもさらっと触れている。大変な思いをされたこともあると思うが、それも含めてのサラッと、という感じ。それを感じると何とも言えないほどの重みがある。
と畜場が閉鎖に伴って牛を飼うのを止めることになり、最後の牛が運ばれてくる。
「生きている時は情が入るが、その後は商品」という言葉は忘れられない。