ネタバレ! クリックして本文を読む
ったく、なんておもろいセリフ。
子供は素直でよろしい。
ええ、楽しかったですよ?
久々に自分にオトナとして映画を楽しむ姿勢を課すことを思い出させてくれました。もちろん、子供向け映画である、という前提で本作を鑑賞する、という意味だ。
原作はおろか、ジブリのアレも見ていないので、とてもまっさらな気持ちで鑑賞できたか、といわれるとそんなわけはなく、トンでる絵にがっかりとか、まあ、するだろうな、とは思っていたので、そこに落ち込むことはなかったが、晴天の飛行シーンにはもう少し知恵を絞ってもよかったのではないだろうか?ごまかしが効きにくいからねえ。
まあ、子供向け、という視点を続けていくならば、もう少しドラマは早めに動いたほうがよかったとは思う。キキのことを知らないお子さんはほとんどいないだろ?
そもそも前ふりで両親のことや、おばあちゃんのことが全く本編に関係なく、ましては魔女になるか、ならないか、の選択が「できる」というのと、キキが魔女に「なりたい」、という理由の説明ができていないので、ざっくり島にたどり着いたとこから映画が始まっても全く問題なかったのだからね。
本作の子供向け、という意味で最大の欠点はそこ。
それ以外は総じて楽しかったと思う(しつこいが子供向けとして)
風の演出で同じシーンで森が揺れてたのが、ピタっと止まったりして結構すごいんだが、通常時も風が吹きまくってんで若干ウザイ。
キキにまとわりつく少年が戦時中の飛びたい少年兵みたいなのだが、しかしこの少年がなかなか楽しい。このレビューのタイトルや、一方で「魔法、魔法、ゆうなっ!!」ってセリフがなかなかシュール。
役者はみんな楽しかった。特にこの少年兵と飼育係、赤い魔女、嵐の中歌うカバと、CGの猫。
特にCGの猫はかわいかったね。いっぺんキキが魔法を使えなくなったとき、この猫がはぐれたんだけど、再会したとき、ふつうにしゃべってたのにはガクって来たけど、まあ、いいか。CGだろうが、猫はカワイイ。
嵐の中、歌うカバはまあ、やりたかったんでしょうな、面白かったよ。歌わなかったら、あの屋敷の小さい女の子と同様にホラー要員のままでしたし。
嵐の中、運ばれるカバの命が、少年兵とキキの2人の命より重いのは、カバがかわいいからだ。カバがアイドルだからだ。だからこそ、島の住民はキキの応援をするようになったのだから。
島の住民こそが魔女、っていうオチでなくってほんと良かったよ。
キキが嵐の中、うーん、てすっごい力入れて浮き上がろうとしているのと、魔女のとしての自覚が飛翔の源だってことがすっかり忘れ去られているようなんだけど、子供はうーん、って力を入れないとアイデンティティを確立できないものなんだ。
俺もそうだった。
まあ、俺は今でも、うーん、って言っているがな。
追記
ラストのナレーションは、原作者自身が続編ノリノリのような締め方だが、このデキなら、続編いけるんじゃあないでしょうかね。
おおっ、レビューのタイトルとつながった!!
大人は素直「が」よろしい。