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映画「ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区」 ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区
劇場公開日 2013年9月14日
解説
多くの歴史的建造物が残るポルトガルの古都ギマランイスを題材に、ヨーロッパ映画界を代表する4人の名匠が競作したオムニバス作品。バーで働く男の1日を描いたアキ・カウリスマキ監督作「バーテンダー」、1974年の革命をモチーフにしたペドロ・コスタ監督作「スウィート・エクソシスト」、閉鎖された紡績工場が題材のビクトル・エリセ監督作「割れたガラス」、ギマランイス城を舞台に描いたマノエル・デ・オリべイラ監督作「征服者、征服さる」の4話で構成。2012年・第13回東京フィルメックスの特別招待作品として上映(映画祭上映時タイトル「ギマランイス歴史地区」)。13年、劇場公開。
2012年製作/96分/G/ポルトガル
原題:Centro Historico
配給:ロングライド
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2017年4月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
アキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、オリヴェイラなどの監督のオムニバス作品。カウリスマキはいつもの感じです。おかしいかわいいw あー、ビクトル・エリセ長編作らないの?作らないかー。
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1作目アキ・カウリスマキ。
2作目ペドロ・コスタ。
3作目ビクトル・エリセ。
4作目オリヴェイラ。
何とも濃いメンツによるポルトガルを舞台にしたオムニバス。
2作目・3作目、どちらも「実際の思い出を語らせる」形態。やっていることは実は全く一緒。にもかかわらず180度違うタイプの映画になっている。そこが凄いなあと思った。どちらもインタビュー形式とも言えるが、その枠組みを越えて、半ドキュメンタリーとファンタジーの境を彷徨う。あくまでも個人の、その人しか体験出来ない特有の思い出だが、確固たる力を持って迫ってくる。
2作目『スウィート・エクソシスト』。ポルトガル・カーネーション革命に巻き込まれた出稼ぎ労働者の苦難の思い出が語られる。多くの人に歓喜をもって迎えられた革命も出稼ぎ労働者にとっては違う意味を持っていた。亡霊のようにつきまとう思い出を祓う(エクソシスト)ことは出来るのか。祓っていいものなのか。
3作目『割れたガラス』。幼少期(12歳くらい)から紡績工場で働いてきた老人たちの思い出。貧しいながらも、一家のそして国の経済を支えてきた自負。革命により景気が前進した様子。だが、歴史は流れ他国の安い労働力に押され閉鎖される工場。
2・3作目ともに、モノを作る人、労働者の「思い出」だった。
そして4作目『征服者、征服さる』。そこにはもう、モノを作る人はいない。ポルトガルを訪れる観光客の様子が延々と映し出される。
「モノを作る人」から、「モノを消費する人」が訪れる国へ。
この変化を古都の石像がじっと見つめている。
石像の顔と、観光客の俯瞰(石像の目線で撮られた)のショットが繰り返される。それだけのことだが虚を衝かれる。その強烈さたるや。
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「1ショットの強烈さ」でいったら、近年ペドロ・コスタに敵う人はいないと思っていた。本作におけるペドロ・コスタも素晴らしい(これの長バージョン『ホース・マネー』はもっと素晴らしい)。
だが、その強烈さを、飛び越えるオリヴェイラ(当時103歳)のショット。ただただ唸るしかない。
2014年2月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
「熱波」との2本立てだったので観たが、ぶっちゃけ何が言いたいのかさっぱりわからなかった。
館内は年配の映画ツウらしき方々がたくさんいたが、半分以上寝てたしイビキが響き渡ってた。
きっとわかる人にだけわかるのでしょう。
2013年10月13日
iPhoneアプリから投稿
映画「ポルトガル、ここに誕生す」、好きだったのは3話目のビクトル・エリセの「割れたガラス」。2話目は歴史的文脈がわからず撃沈。
2002年に閉鎖された、1845年創業の紡績繊維工場の食堂だった場所で、かつての労働者たち一人一人に、工場での思い出を淡々と語らせていく。食堂の古い写真を見てどう感じるかに耳を傾ける。ただそれだけなのだけど、ここで働いていた無数の労働者の物語が地層のように層を成して行く。なんだか自分もその1人として連なっている気分になる。
そのうちの1人、70代のおだやかな顔をした女性が語る。「しあわせだったかはわからないわ。いまもしあわせが何かわからない。喜びならわかるし、あったわ。けど、しあわせだったかはわからない。」(セリフうろ覚え)
退屈だと感じる向きもあると思うけど、見てよかった。
日本とは全然違う、いや日本も30〜40年もたてば、こんな諦観の境地に立てるのか?、いや立っていいのか?・・・等々、なんだかいろいろグルグル考えてしまったのでした。ってぐらい、枯れてますわ〜ポルトガル。
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