変身

劇場公開日:

解説

人気ミステリー作家・東野圭吾の原作を、「雨鱒の川」の玉木宏と「花とアリス」の蒼井優主演で映画化。脳移植によって他人に人格を支配される青年の苦悩と、彼をひたむきに愛する恋人の絆を描くラブ・ストーリー。監督は、これがデビュー作となる佐野智樹。

2005年製作/108分/日本
配給:日本出版販売
劇場公開日:2005年11月19日

ストーリー

ある病院の特別室で、長い昏睡から青年が目覚める。工場で働く成瀬純一(玉木宏)は、毎週金曜日に画材店に通っていた。その店で働く恵(蒼井優)は、笑顔がとびきり素敵な女の子だ。ある日、純一は勇気を出して、湖のある森に恵を誘う。それまで風景画しか描かなかった純一は、その日から恵の肖像画を描きはじめ、2人は急速に親しくなっていく。恵との幸せな日々をベッドの中で思い出していく純一は、ある夜、人のいなくなった解析室の中に入り、低温保存庫の中に人間の脳と思われる標本を2つ発見する。そのひとつには「JN」と記されていた。純一のイニシャルだ。彼は、それまで詳しい説明を言いしぶってきた担当医師の堂元(北村和夫)に手術の詳細を問いただす。彼が施されたのは、世界初の脳移植手術であり、損傷を受けた部分に他人の脳片を移植したのだと聞かされる。あの日、純一は恵と一緒に住む部屋を探すために不動産屋にいたのだった。そこに1人の青年が入ってきて、拳銃を振りかざし、金を要求した。その時、奥のスペースで遊んでいた少女が何も知らずに出てきて、その音に驚いた犯人は少女に拳銃を向けた。その時、とっさに少女をかばった純一の頭部に銃弾が撃ち込まれたのだった。退院が近くなった時、やっと面会を許された恵が訪ねてきてくれる。だが、純一は、以前とは食べ物の好みが一変し、描く絵のスタイルも変化する。そればかりか、勤め先の工場でも、以前は人と争うことなど皆無だったのに、同僚たちの仕事ぶりを痛烈に批判し、アパートの隣に住む若者に殺意さえ抱いてしまう。そして愛する恵の天真爛漫な言動にさえ、いらだちを抑えきれなくなるのだった。そんな純一の耳に、どこか遠い記憶の彼方から、ピアノの音が聞こえてくる。それは純一の記憶ではなかった。苦悩を深める純一が偶然出会った女性は、あの強盗犯、京極瞬介(松田悟志)の双子の妹(釈由美子)だった。兄妹の育った家で、強盗事件の発端になった彼らの生い立ちと恨みを彼女は純一に語ってくれる。彼女が語る瞬介は優しい青年だったが、父への恨みから世の中全体を、特に金銭的に恵まれた者たちを激しく憎むようになっていたのだ。そして彼女は、純一の前に赤い小さなおもちゃのピアノを差し出す。幼い日、いつも瞬介はこのピアノを弾いていたという。こうして純一はすべてを知るが、だからといって変わっていく自分を止めることは、彼の力ではできない。彼の本当の葛藤は、ここから始まるのだった。

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映画レビュー

4.0払拭できない細部の作り

2024年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

あの東野さんの小説の映画化。
小説も読んでいるが、これが小説と当時の実写化の「差」なのだろうか。
基本的なプロット変更はないのだが、主人公への感情移入がしにくい結果となっている。
映画から受ける物語の印象が小説とは異なっているように感じて仕方ない。
この作品ではストーリーが中心となってしまい、主人公が変化を繰り返す自分の思考に葛藤する様子にどうしても違和感が払拭できないのだ。
治療された成瀬は趣味や性格に違和感を感じるが、それを排他的行動で示していることにドナーの性格を被せているが、設定上の矛盾を感じてしまう。
京極の双子の妹の話の通り、彼は臆病でやさしい。「番場に謝って欲しかっただけ」
京極が誤って発射した拳銃で成瀬を撃ち、自殺を図ったときの記憶などがそのまま移植されたのも理解できるが、京極という人物と成瀬の行動が一致しているとは思えない。
女医を殺した理由は、裏切り。依頼したにも拘らず日記を教授に送信したこと。
このことは京極としてではなく成瀬本人としての行動だったように思う。
教授が勝手にした脳移植。素性も何もかも秘匿している。
すべてが謎のままで変化に苦しむ自分。
それが女医へと向けられたのは確かだろう。
移植と記憶については手塚治虫さんの漫画でも描かれているが、ドナーがホストを乗っ取るような物語は確かに面白い。
そこに感じる生前の強い思い。成し得なかった事を遂行しようとする思いがあるのかもしれないと思ってしまう。
女医を好きだった医師の男は、犯人の成瀬を襲うが返り討ちに合う。
喧嘩の強さはドナーの記憶か?
その罪悪感と自分ではないものになってしまったことに対する最終的な復讐が教授の前で自殺することだった。
悲劇として描かれた作品だが、どうしても小説の感じ方になれないのが惜しかった。

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R41

4.0どんなに変わろうと、あなたはあなた

2019年9月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

怖い

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しゅうへい

2.0純愛サイコサスペンス

2018年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 自分を撃った奴の脳がそのまま移植されてるんだろうな~って誰でもわかるストーリーが痛い。しかも、撃った奴ってのは兄妹を捨てた父親に謝ってもらおうと思ってただけってのに、頭の良さと凶暴さが増していって・・・なんだかおかしい。

 献身的で一途な女性を演ずる蒼井優は良かったんだけど、ハッと驚く演技を身に付ける前の作品。玉木宏にしてもそう。

 多分、原作はいいんだろうな~と思わせるプロットではあるけど、純愛要素とサイコサスペンス要素を同時に盛り込もうとしたのが敗因。物語と同じように別の人格に支配されつつあったのかもしれません。なにしろ終盤の展開がバタバタになってる・・・あぁ・・・

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kossy

3.0自分に何が起きたのか新聞かネットで調べればいいのに

2016年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Cape God

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