事件記者
劇場公開日:1959年7月5日
解説
NHKの連続テレビドラマを映画化したもの。島田一男の原作を、西島大・山口純一郎・若林一郎が共同で脚色し、「拳銃0号」のコンビ山崎徳次郎が監督し松橋梅夫が撮影した。
1959年製作/54分/日本
配給:日活
劇場公開日:1959年7月5日
ストーリー
ここは警視庁内の一角にある「桜田記者クラブ」即ち特ダネを追う事件記者達の根城である。四大新聞社から腕利きの記者が各々派遣されているが、中でもベテランの相沢、八田老人、長谷部、伊那、山崎、浅野とチームワークの良さを誇っているのは東京日報である。東日の菅と中央日々の岩見の二人の新米記者がクラブに派遣されて来た日のことであった。品川駅で新宿のやくざ船十組の親分船木が何者かに狙撃された。その時船木のカバンをチンピラの安が奪って逃げたが、誰もこれに気づかなかった。記者連は飛んだ。重傷の船木は病院にかけつけた村田刑事部長にも真相を語らなかった。事件はやくざの縄張り争いのもつれとみられた。日報の伊那は非番で許婚者のやす子と喫茶店で会っていたが、出がけに見た男こそ船木のカバンをかかえた安だった。船木は腹心の立花と謀ってその夜病院をぬけ出した。新宿の船十組と仇役の六方組の近辺にはベテラン記者達が張り込み、警戒網もはられた。その夜は無事過ぎた。翌日、鮫洲のアパートでチンピラの安が射ち殺された。前日品川で船木を狙った二人組、流れ者のやくざ藤本と殺し屋の小倉だった。安の写真をみた伊那は驚いた。安がカバンを喫茶店の女の子に預けていたのを思い出すと、伊那は飛んだ。麻薬!カバンの中身は多量の麻薬だった。しかも持主は船木だった。船木を狙撃したのはこのカバンが目的だったのではないか?果たして船木と安に射ち込まれた弾丸は同じものだった。特ダネだった。その夜船十組と六方組の対立は爆発寸前だった。船木のなぐり込みを予期した六方組は殺気立った。その頃カバンをさがしあてた藤本と小倉が喫茶店に現れたが、待伏せた警察に捕えられた。船十組も六方組も蜂起寸前に一網打尽に検挙された。船木を狙撃したのは六方組ではなかった。「やくざの縄張り争いの蔭に麻薬の秘密!」翌朝の東京日報は見事に他社を出しぬいた。