地獄の波止場(1956)

劇場公開日:

解説

陶山鉄原作「海霧」を、「白浪若衆 江戸怪盗伝」の浅野辰雄が脚色、「まぼろし小僧の冒険 第三篇、第四篇」の小杉勇が監督、「力道山物語 怒涛の男」の山崎安一郎が撮影を担当した。主なる出演者は「赤穂浪士」の小杉勇、「風船」の三橋達也、「極楽剣法」の安部徹、「銀心中」の北林谷栄など。

1956年製作/87分/日本
原題または英題:Waterfront Lust
配給:日活
劇場公開日:1956年3月4日

ストーリー

深い海霧に包まれた夜、港につながる製鉄所の構内を突走る熔銑列車の老機関士万造は、二つの人影が運河の岸壁でもつれ合っているのを見た。火を吐く拳銃と水音。恐る恐る岸壁に近づくとすでに人影はなく、万造の足もとに千円紙幣のいっぱいつまったボストンバッグが転がっていた。停年を間近に控えた万造の耳に「悪魔」が囁いた。そして万造はボストンバッグを抱えると夢中でわが家へ帰った。助手の信介が、万造の娘で許婚のふさ子に逢いに出かけた間の出来事である。翌朝、岸壁に死体が浮いた。組合の金庫から更生資金三百万円が消えているので、大騒ぎになった。思いがけない大金を着服した万造は、小さな飲み屋で飲んだことのない酒をあおった。一方、信介は夜勤に出る途中、主犯の笠井に襲われたが「金をどこへかくしやがった。人の仕事を横奪りしやがって!」と叫んだ笠井の言葉が耳にこびりついて消えなかった。あの日以来、万造の様子が変ったのに気がついて、信介は万造を埋立地へ呼び出した。はじめは知らないといい張っていた万造も、包みきれず事実を告白した。信介は「俺が見つけたようにして組合へ届けるよ」といった。物蔭でそれを盗み聴いた笠井は、約束の時間にボストンバッグを持って岸壁に向う万造を射った。信介が駈けつけたとき、万造は重傷に屈せず、笠井を高炉の頂上に追いつめて揉み合っていた。笠井は駈け登って来た信介の体当りに、柵を越えて墜落した。万造は信介に抱かれながら眼をとじた。万造の葬儀の日も海霧が深かった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

2.5大金は拾ってはいけない

2021年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(小杉勇)は大金の入ったバッグを見つけ、黙って持ち帰る。
次の日、その金は会社の福利厚生用とわかり、二人組が奪い、仲間割れして一人が死体で見つかる。
日本人がまだまだ貧しかった頃の話で、ちょっと切ない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン

他のユーザーは「地獄の波止場(1956)」以外にこんな作品をCheck-inしています。