港へ来た男

劇場公開日:

解説

製作は「激流(1952)」の田中友幸。雑誌ロマンスに所載された梶野悳三の原作『踊れよ怒濤』から、「続馬喰一代」の成澤昌茂と本多猪四郎が協同で脚本を書き、「南国の肌」の本多猪四郎が監督に当っている。撮影は完倉泰一が受持っている。主な出演者は、「激流(1952)」の三船敏郎、久慈あさみ、田代百合子、「生きる」の志村喬、「結婚案内」の小泉博と藤原釜足などである。

1952年製作/88分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年11月27日

ストーリー

日本唯一の捕鯨基地、金華山附近のある港でのことだった。捕鯨船天津丸の船長岡部は、過去の放蕩生活を清算して、町の料亭「喜楽」で評判の娘園子によって老後の安定した生活を求めようと言い寄っていたが、園子の心は、天津丸の若い運転士新沼に寄せられていた。岡部は出漁して大鯨をう射ちそこなったことによって新沼に八つ当たりしたが、その夜新沼は酒をしたたかあびて岡部に大して大あばれをした。その事から新沼は新たに富久丸の船長として乗り組み、自然天津丸と富久丸とは漁を争うことになった。岡部が昔捨てた女に生ませた西沢信吾は父を慕って来たが、新沼を相手に年甲斐もなく女を争う父に愛想をつかし新沼についていた。しかし、岡部の船が荒天に座礁したときいたとき、新沼と信吾とは生命を賭して天津丸の乗組員を救助した。そこには男と男の意気の交うものがあって、やがて南氷洋へ出航する新造船のデッキには、岡部、新沼、信吾の明るい笑顔がそろい、見送りの桟橋に園子と、信吾の恋人あけみの嬉しそうな顔も見られた。

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