新やじきた道中
劇場公開日:1952年8月14日
解説
菅沼完二の企画で、週刊朝日連載の長谷川町子の漫画を映画化したもの。脚本は「赤穂城」の民門敏雄が書いている。「銭形平次捕物控 地獄の門」をあげた監督森一生、キャメラマン牧田行正が続いてとりあげた作品である。出演者は、花菱アチャコと横山エンタツのコンビを復活した二人が久しぶりの共演で、弥次郎兵衛、喜多八を演じ、それに清川虹子、ラジオの丹下キヨ子、「母子鶴」の少女流行歌手江利チエミ、落語家三遊亭圓馬のほか、伴淳三郎、澤村國太郎、横尾泥海男、上田寛、正木隆子などである。
1952年製作/87分/日本
配給:大映
劇場公開日:1952年8月14日
ストーリー
大阪の裏長屋に住むお人好しの弥次郎兵衛と喜多八の二人は、共におふくおやすという女房の尻にしかれて暮していた。ある日弥次の買った富札が思いがけなく当って百両という大金が手にはいった。女スリのお蝶はいち早くこの金を狙ったが、弥次と喜多の二人は帰り路に主人の金を失ったため身投げしようとした手代新七を助けて、あっさり百両の金を呉れてやった。長屋では前祝いのドンチャン騒ぎをしていたが、弥次が一文も持たずに帰って来たので女房たちの怒りは物凄く、遂に二人とも長屋から追い出された。しかし二人は困るどころか女房から解放された自由感にすっかりのんびりとなって、のんきに東海道を江戸へと志ざした。女房連は新七の主人彦兵衛が礼に来たことから事情を知って後悔し、亭主達のあとを追って旅立った。女スリお蝶も二人が百両の金を持っているとばかり思いこんで、これもそのあとを追った。文なし旅行の途中で働きながら、その苦労も大して苦にせず、女房とは後になり先になりしながらも仲々顔が合わず、たまたまばったり出会っても恐妻家の二人は口もきかずに逃げ出すばかり。しかし、とある村では山賊と狸退治で招かれた豪傑に間違えられ進退きわまるが、幸い笑薬の効目で一挙にして山賊と狸を退治し、女房たちからは恭順を誓われて二組仲よく大阪へと引きかえしたのだった。