青い山脈(1975)

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎原作の同名小説の四度目の映画化作品。昭和22年の静かな城下町にある女子高校を舞台にして、新旧の世代の対立と青春の歓びを描いた青春映画。脚本は「三婆」の井手俊郎と、剣持亘、監督は新人・河崎義祐、撮影は「青春の門(1975)」の村井博がそれぞれ担当。

1975年製作/93分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1975年8月9日

ストーリー

昭和22年、青い山脈に囲まれた静かな城下町。明倫女子学園の三年生、寺沢新子は、小遣い稼ぎで卵を売っていた時に、大学浪人の金谷六肋と知り合い、二人で街を散歩した。ところが、この事が学校中に知れ渡り、新子の同級生の松山浅子たちが新子を試そうと男の名前で偽のラブレターを送った。新子は担任の島崎先生に手紙を見せて相談した。翌日、島崎先生は浅子たちの卑劣な行為をたしなめたが、浅子たちは母校の名誉を守るための行為だ、と逆に島崎先生に謝罪を要求し大騒ぎとなった。生徒たちや理事会やPTAの機嫌をそこねては、と教師の多くは生徒側に味方した。学校の中で島崎先生に対する空気は悪化していったが、校医の沼田先生、新子、おませな一年生の笹井和子、そして六助やその友人のガンちゃんこと安吉が島崎先生を支持した。やがて、この事件はPTA会長の井口甚蔵の耳に入り、ついに街全体の問題となってしまった。ある晩、街の料亭で、井口を囲んで校長や街の実力者が集ってよからぬ相談をしているのを、和子の姉で沼田先生に惚れている芸者の梅太郎が盗み聞きした。一方、沼田医院の二階でも、沼田先生始め、島崎先生、新子、六助、ガンちゃんたちが、今度の役員会における作戦を練っていた。作戦の打合せが終った後、急病人が出たとの連絡が入り、沼田先生は自転車で出かけたが、途中、数人の暴漢が現われ、殴られた。役員会議の日。会議室には校長を始め、全職員、井口会長が席を占め、その中に梅太郎や保護者代理になりすましたガンちゃんも出席していた。やがて島崎先生支持派と生徒側支持派の激しい論議の末、無記名投票となり、島崎先生の勝利となった。翌日、浅子は新子に総てを打ち明け、新子も喜こんで許した。校長が島崎先生、新子、浅子の目の前でラブレターを焼き捨てた。日曜日。島崎先生、新子、和子、沼田先生、ガンちゃんの六人は自転車で郊外にピクニックに行った。丘の上に立った沼田先生は突然、島崎先生に結婚を申し込み、彼女はその申し出を受けた。白い雲が流れる下で、六助も大声で新子の名前を呼んだ。その声が青い山脈にとけ込んでいった。

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