七人の野獣
劇場公開日:1967年8月1日
解説
「夕陽が泣いている」の山崎巌の原作を、彼自身と、「夜霧よ今夜も有難う」の江崎実生が共同で脚色し、江崎実生が監督したギャングもの。撮影は「嵐来たり去る」の横山実。
1967年製作/92分/日本
原題または英題:The Filthy Seven
配給:日活
劇場公開日:1967年8月1日
ストーリー
射撃の名手木戸は、三年前に密輪事件を追っていたとき、相沢組の組長を射殺して退職した元刑事だった。ある日、賭博の現行犯で連行された木戸は、特捜班の佐東から、国籍不明の外国人カルロスに監禁されている有能な原子力研究所技師萩原をセイラム国大使館別荘から救い出してほしいと頼まれた。そこは治外法権で警察は手が出せないため、十二日後に親善パーティを偽装して行なわれる各国秘密機関の、萩原入札の現場に木戸が潜入し、萩原さえ救い出せば入札のために集まる三億近い金は奪ってもいい、と佐東は語った。木戸は準備金五百万を貰って仲間集めに取りかかった。まずもと相沢組の片山が亡き組長の病身の娘の治療費のために、仇の木戸を殺すことはひとまず諦め、木戸の仲間になった。木戸がデカイ仕事をやると聞いて、金本、辺見、芹沢と弟の鉄が次々に仲間に加った。そんな彼らを黒沢刑事が尾行していた。木戸たち六人は別荘の監視に好適のロッジに押し入ると雇番の老人と、その主人の娘亜紀を監禁し、電力会社社員に化けて別荘の下調べを行なった。盗聴で、入札日に保証金が五千万ずつ六ヵ国の手で持ち寄られることも確かめられた。だが六人はそれぞれ三億を独り占めにしようと腹の中で思っていた。そんなとき、黒沢が殺され、六人の中に秘密機関のスパイがまぎれ込んでいるのではないかという懸念があったが、それを調べる時間はなかった。入札の日、周到な計画通り、襲撃は成功したが、脱出寸前に裏切ろうとした芹沢と鉄を残し、木戸たちは廃車置場のガレージに直行した。そこには佐東が待っていた。彼は特捜班などではなく、危険な仕事は木戸にやらせ三億円を横取りしようと金本をスパイに使っていたのだ。乱射戦の末、木戸は佐東を倒したが、その間に、三億の入ったケースが巨大なプレス機につぶされ、札束は千切れた紙片となって飛び散っていった。