ロード・トゥ・パーディション

ALLTIME BEST

劇場公開日:2002年10月5日

解説・あらすじ

「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督がトム・ハンクスを主演に迎え、大恐慌時代のアメリカを舞台に描いたクライムドラマ。ミステリー作家マックス・アラン・コリンズのグラフィックノベルを原作に、殺し屋に追われるマフィアとその息子の逃避行の旅を描く。1931年、イリノイ州。妻や2人の息子と暮らすサリバンには、マフィアの殺し屋という裏の顔があった。組織の首領ルーニーはサリバン一家を本当の家族のように愛しており、ルーニーの実の息子コナーはそれを妬ましく思っていた。サリバンへの憎悪を募らせたコナーは彼の命を狙い、妻と次男を殺害。生き残ったサリバンと長男はコナーへの復讐を誓い、ルーニーはサリバンのもとへ凄腕の殺し屋マグワイアを差し向ける。マフィアの首領ルーニーをポール・ニューマン、ルーニーの息子コナーをダニエル・クレイグ、殺し屋マグワイアをジュード・ロウが演じた。2003年・第75回アカデミー賞で撮影賞を受賞。

2002年製作/119分/G/アメリカ
原題または英題:Road to Perdition
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2002年10月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第75回 アカデミー賞(2003年)

受賞

撮影賞 コンラッド・ホール

ノミネート

助演男優賞 ポール・ニューマン
作曲賞 トーマス・ニューマン
美術賞  
音響賞  
音響編集賞  
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映画レビュー

4.0 【91.5】ロード・トゥ・パーディション 映画レビュー

2026年3月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

サム・メンデス監督による2002年の作品「ロード・トゥ・パーディション」は、ギャング映画という古典的なジャンルに、ギリシャ悲劇にも似た重厚な父子の相克と救済の物語を融合させた、21世紀初頭を代表する傑作の一本である。前作「アメリカン・ビューティー」で現代社会の歪みを鮮烈に描き出したメンデスが、1930年代の禁酒法時代という歴史的背景を舞台に選び、静謐かつ冷徹な筆致で描き出したのは、暴力の連鎖から逃れようとする男たちの絶望と希望の軌跡であった。本作は、単なる娯楽としての犯罪映画の域を遥かに超え、視覚芸術としての極致に達している。
作品の完成度において、本作は非の打ち所がない。全編を支配する抑制されたトーンと、一分の隙もない画面構成は、観客を瞬時に大恐慌時代のイリノイ州へと引きずり込む。特に、雨の中で行われる銃撃戦のシーンに代表される「静寂」の使い方は、映画史に残る演出といえる。第75回アカデミー賞では撮影賞を受賞したほか、助演男優賞、美術賞、作曲賞、音響賞、録音賞の計6部門にノミネートされた事実は、本作の技術的、芸術的な達成度の高さを裏付けている。
脚本およびストーリーの構築は、極めて重層的である。原作のグラフィック・ノベルが持つ叙情的な要素を、デヴィッド・セルフが洗練された叙事詩へと昇華させた。表面的には復讐劇の形をとりながら、その核にあるのは「父と子の絆」であり、「親の罪が子にどう降りかかるか」という普遍的なテーマである。主人公が歩む「パーディション」への道は、自らの魂を犠牲にしてでも息子の未来を浄化しようとする聖なる巡礼の旅でもある。セリフを極限まで削ぎ落とし、沈黙や視線によって感情を語らせる手法は、観客の想像力を刺激し、物語に深い余韻を与えている。
キャスティングにおいては、名優たちの競演がこの物語に圧倒的な説得力を与える一方で、配役の妙が批評的な議論を呼ぶ点も本作の興味深い特徴である。
マイケル・サリヴァン役のトム・ハンクスは、それまでの「アメリカの良心」というクリーンなイメージを覆し、組織の冷酷な殺し屋という難役に挑んだ。しかし、彼の持ち味である温厚な佇まいや、暗殺者としてはどこか重厚すぎる体格は、ジャンル映画が求める「飢えた狼」のような鋭利さとは一線を画している。この「場違い感」こそが、裏社会に染まりきれない男の悲哀を表現していると捉えることもできるが、一方でキャラクターの造形としては一考の余地を残す。暴力の世界に身を置きながら、息子の手だけは汚させまいとする切実な祈りにも似た意志を、彼はその動揺を隠した眼差しによって必死に体現しようと試みている。
ジョン・ルーニー役のポール・ニューマンは、組織を統べる威厳と、血の繋がらないサリヴァンへの深い愛情、あるいは実の息子に対する諦念を抱えた複雑な首領を完璧に体現した。本作が彼の遺作となった実写映画であるが、雨の中でサリヴァンと対峙するシーンで見せた、すべてを受け入れたかのような静かな微笑みは、映画史に刻まれるべき至高の瞬間である。その存在感は、画面に登場するだけで物語の重力を変えてしまうほどに圧倒的であった。
コナー・ルーニー役のダニエル・クレイグは、父親の愛を切望しながらも、その期待に応えられず凶行に走る卑屈な放蕩息子を、危うい均衡で演じきった。後のジェームズ・ボンド役で見せる洗練された力強さとは対照的に、ここでは内面に潜む弱さと嫉妬、あるいは残忍さを滲ませ、物語の悲劇を加速させる触媒としての役割を十分に果たしている。
ハーラン・マグワイア役のジュード・ロウは、死体を撮影することを趣味とする異質な殺し屋という、本作の中で最もエキセントリックなキャラクターを怪演した。薄くなった髪を晒し、不気味な執着心を持ってサリヴァンを追い詰める姿は、静かなトーンで進む物語の中に、生理的な恐怖と緊張感を持ち込んだ。彼の登場シーンは常に死の香りが漂い、古典的な構成の中に現代的なエッジを加えている。
映像と美術衣装については、撮影監督コンラッド・L・ホールによる光と影の魔術が、作品を比類なき高みへと押し上げている。エドワード・ホッパーの絵画を彷彿とさせる孤独で詩的な画面構成は、登場人物たちの内面を雄弁に物語る。1930年代のシカゴの街並みや、田舎道の風景、重厚なコートや帽子の質感に至るまで、徹底的な時代考証に基づいた美術と衣装は、この寓話に揺るぎないリアリティを与えている。
音楽を担当したトーマス・ニューマンによる旋律は、本作の叙情性を決定づける重要な要素である。アイルランド音楽の調べを取り入れつつ、ミニマルで美しい旋律が、父子の孤独な旅路に寄り添うように響く。特定の主題歌に頼ることなく、劇伴全体で一つの壮大なシンフォニーを奏でており、特にラストシーンへと向かうピアノの旋律は、観客の感情を静かに、しかし激しく揺さぶる。
「ロード・トゥ・パーディション」は、暴力の連鎖という重いテーマを扱いながら、最終的には人間の高潔さと救済を信じさせてくれる稀有な作品である。サム・メンデスという完璧主義の演出家と、ポール・ニューマンをはじめとする名優たちが、最高峰の技術スタッフと共に作り上げたこの映画は、公開から年月を経てもなお、その輝きを失うことはない。主役の造形に関する議論を含め、本作が提示した問いは、今もなお映画史の中で重要な位置を占めている。
作品[Road to Perdition]
主演
評価対象: トム・ハンクス
適用評価点: B8
計算: 8 \bm{\times} 3 = 24
助演
評価対象: ポール・ニューマン、ダニエル・クレイグ、ジュード・ロウ
適用評価点: S10
計算: 10 \bm{\times} 1 = 10
脚本・ストーリー
評価対象: デヴィッド・セルフ
適用評価点: A9
計算: 9 \bm{\times} 7 = 63
撮影・映像
評価対象: コンラッド・L・ホール
適用評価点: S10
計算: 10 \bm{\times} 1 = 10
美術・衣装
評価対象: デニス・ガスナー
適用評価点: S10
計算: 10 \bm{\times} 1 = 10
音楽
評価対象: トーマス・ニューマン
適用評価点: S10
計算: 10 \bm{\times} 1 = 10
編集(加点減点)
評価対象: ジル・ビルコック
適用評価点: +1
計算: 24 + 10 + 63 + 10 + 10 + 10 + 1 = 128
監督(最終評価)
評価対象: サム・メンデス
総合スコア:[91.5]

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honey

3.5 父と息子の物語

2025年9月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

ギャングの復讐のストーリーだけどわりと地味目でした。
特に面白いストーリーに私は思えなかったけど、復讐より父と息子のストーリーとして観たら良い作品と思えます。
トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグという豪華キャストでしたが、主演のトム・ハンクスよりポール・ニューマンの存在感がすごかったです。
ポンコツ息子であっても愛する息子、血の繋がりはないけど息子同様に育てた部下への想いが伝わってきました。
私の思い込みですが、どうしても悪い人に見えないトム・ハンクスで、銃を持つ姿が似合うように見えないんですよね。
きれいなお顔の殺し屋役のジュード・ロウのやばさは良かったと思います。

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小町

3.0 最後、撃てよ、と思ったが

2025年7月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

難しい

カワイイ

息子が強くなっていく、運転もできる、片棒も担げる、じゃ最後オヤジの仇を討てよ。

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four7777

3.0 映像以外観るべきもの無し‼️❓形だけ子連れ狼‼️❓

2025年7月13日
PCから投稿

テレビの録画、この映画の原作は日本の漫画である子連れ狼にヒントを得たとのこと。ただ、主人公に共感も、映画に感動のかけらも無い、マフィアや殺し屋とゆう小道具を使うだけの映画に、ただ低品質の脚本と演出、これだけの名優を揃えて、これだけ低品質なのだから酷さに感心するばかり。

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アサシン5