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映画「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
劇場公開日 2017年2月18日
解説
「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・バレ監督が、「ナイトクローラー」「サウスポー」の演技派ジェイク・ギレンホールを主演に迎え、妻の死にすら無感覚になってしまった男が、身の回りのものを破壊することで、ゼロからの再生へと向かっていく姿を描いたドラマ。ウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたデイヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたデイヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたデイヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つけるが……。
2015年製作/101分/PG12/アメリカ
原題:Demolition
配給:ファントム・フィルム
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2017年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ヴァレ監督はいつも、崩壊しそうなほどに傷ついた人の心を剥き出しに描き出す。それは時にヒリヒリする描写を伴うこともあれば、まるで真逆の、言いようのない温かみとなって香りたつ瞬間もある。こと本作を観ながら思い知らされたのは、心は一つの構造物であり、一つ一つのネジや柱が支え合って何かを成立させているということだろう。妻が死んでも泣けなかった主人公は、自分の気持ちに素直なのか、それとも抗い続けているのか。それは彼自身にだってわからない命題だ。だからこそ心をバラバラに解体してどんな構造なのかを確かめ、壊れているところがないかを見極めてみる。最初は狂気じみているように思えたその行為が、やがて慟哭にさえ近い、とても切実かつ胸に迫る行為であったことに我々は後から気づかされるのだ。その心理状況が見事に成立しているのもギレンホールの存在あってのこと。彼にはどれほど賛辞を送っても足りない。この俳優は生涯に一度あるかないかの難役を、見事に生き切った。
2017年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
原題のDemolitionは端的に「破壊」。分解や解体の作業は複雑にこんがらがった感情をいったんバラす象徴だけれど、インテリの主人公が肉体を酷使することで生きている実感を取り戻す効果もある。共通点の多い「永い言い訳」でも、作家の主人公とトラック運転手の遺族仲間が対比的に描かれていた。それに、慣れない子育てに触れることで、再生のきっかけをつかむ点も似ている。
ジェイク・ギレンホールは「ドニー・ダーコ」や「ナイトクローラー」など、精神的に問題を抱えた陰のあるキャラクターが似合う。主人公の義父役のクリス・クーパーが成功した経営者としての尊大さを醸しながらも娘思いのキャラクターを渋く好演している。
ジャン=マルク・バレ監督は、「ダラス・バイヤーズクラブ」に比べると今回少し演出にキレが足りない印象。音楽使いのセンスは良かったけれど。
人生経験の積み方によって、見方が大きく変わる作品。
突然ぽっかり穴の開いた心の描写が、緻密で激しく、
切ない。
鑑賞日:2017.1.20
2022年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
仕事一筋で家庭のことを顧みない夫が事故で急に妻を亡くし、悲嘆とどん底の中から少しずつ立ち上がっていく話。
悲嘆から通常に戻るまでにはいろいろな過程があるが、この場合は奇行とも言えるような行動が目立つ振る舞いからの立ち直りだった。
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