花と竜(1965)
劇場公開日:1965年11月20日
解説
火野葦平の同名小説を、「第三の忍者」の田坂啓が脚色、「関の弥太ッぺ(1963)」の山下耕作が監督した侠客もの。撮影は「新蛇姫様 お島千太郎」の古谷伸。
1965年製作/97分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年11月20日
ストーリー
明治の末門司の港は大陸相手の貿易で湧き返り、多勢の仲仕(ゴンゾウ)が来ていた。浜尾組の玉井金五郎も四国の山奥から一旗あげようと来ていた。ある日金五郎は、ブラジルへ密航を企だてようとする鉄火肌の女マンに会った。やがて門司一円を襲った“上海コレラ”騒動にまきこまれた金五郎の病床を、マンがたびたび訪れた。金五郎は、男勝りの性格のうちに優しい心遣いをのぞかせるマンにいつか惹かれていった。全快した金五郎は、浜尾組の親方との意見の相違から、マンと一緒に彦島の山下組に職替えしていった。彦島の貯炭場に落着いた金五郎とマンの目前を、北九州一を誇る吉田磯吉親分が、乾分や芸妓を従えて山下組の事務所へ向った。貯炭場の昼休み、仲仕たちが弁当を広げている最中、マンが金五郎からもらった懐中ランプで一服つけていた時、吉田親分に連れられた芸妓の君香が、マンのライターを譲ってくれとマンに迫まった。仲仕仲間の森新之助がマンを救ったものの、その夜新之助は吉田の乾分に袋叩きにされ、半死半生の格好で放り出された。これを知った金五郎は、吉田親分に直談判に出かけた。だが意外にも吉田親分は全て自分の責任と平謝りに頭を下げた。一方、新之助は吉田親分の名前で見舞に来た君香に心をうたれ、駆落ちしようとするが、君香は土地の蝮一親分に束縛され、身動き出来ない有様であった。話を聞いた金五郎とマンは、ブラジルへゆくため貯めた金で君香と新之助を逃がしてやった。彦島にいたたまれなくなった金五郎とマンは、戸畑の永田組に移り、先輩格の角助を押しのけて、親方の代わりに采配をふるった。連合組の慰安旅行に行った金五郎は、刺青師お京に会い、金五郎の左腕に菊を握った竜の刺青を膨らせた。金五郎の腕のみせどころは、パナマ船の積荷争いにあった。競争相手は若松組の友田喜三一派であった。金五郎を目の仇にする角助の邪魔を払いのけパナマ丸の荷役を永田組の手で終えた金五郎の名は、高まっていった。やがて永田組々長引退に代わって、金五郎が親方の座につく玉井組が誕生した。マンが祝福したこの晴れやかな日は、旅順城の喜びで日本中が湧き返っていた時であった。
スタッフ・キャスト
-
玉井金五郎萬屋錦之介
-
谷口マン佐久間良子
-
蝶々牡丹のお京淡路恵子
-
清七神木真寿雄
-
金子甚兵衛内田朝雄
-
甚兵衛の手代北川巧
-
骨董屋の親爺源八郎
-
中盆相原昇
-
森新之助田村高廣
-
君香宮園純子
-
中年男堀広太郎
-
浜尾市造天王寺虎之助
-
浜尾組ボーシン尾形伸之介
-
年配のゴンゾウ佐々木松之丞
-
見張りのゴンゾウ原京一
-
ゴンゾウA土橋勇
-
ゴンゾウB平沢彰
-
ゴンゾウC船越正雄
-
倉庫番畑中伶一
-
大村組ボーシン小田部通麿
-
ぶらじる丸機関長重松睦也
-
浜尾の妾中山栄子
-
医者那須伸太朗
-
役人波多野博
-
巡査疋田圀男
-
吉田磯吉月形龍之介
-
友田喜造佐藤慶
-
島村ギン日高澄子
-
鯉千代三島ゆり子
-
山下松次沢村宗之助
-
厚司男五里兵太郎
-
安次近江雄二郎
-
辰加藤浩
-
政大城泰
-
ノロ甚遠藤辰雄
-
蝮一堀正夫
-
蝮一の乾分結城哲也
-
大庭春吉香川良介
-
永田杢次松本染升
-
おサク園千賀子
-
平尾角助小松方正
-
六ゾロの源中村錦司
-
城三次遠山金次郎
-
新谷勝太郎川路誠
-
松本重雄有川正治
-
中学生の俊次菅原利夫
-
竹大里健太郎
-
大川時次郎江木健二