世界詐欺物語

解説

フランスのユリス・プロダクションのプロデューサー、ピエール・ルスタンが企画、日本篇は菊島隆三が脚本を執筆「悪の紋章」の堀川弘通が監督「林檎の花咲く町」の中井朝一が撮影した。イタリア篇はTVプロデューサーウゴ・グレゴレッティが監督、フランス篇は「新・七つの大罪」のクロード・シャブロルが監督、オランダ篇は「タンスと2人の男」のロマン・ポランスキーが監督したオムニバスもの。

1964年製作/日本

ストーリー

〔日本篇〕TOKYO 銀座のバーに勤めるホステス佳江は今日も宝右店の前に佇んでは、真珠のネックレスをみつめている。欲しくて仕方がない宝石だが、五万円しかない貯金ではとうてい買える代物ではない。ところが今日もバーに現われた作曲家の三津田、老醜をさらしてはいるが、金の出る大切な人と見れば佳江にはまんざらな人でもない。色じかけに出た佳江、アパートに連れこむと三津田にサービスすることしきり、だが三津田は、出された餅が命ちとりとなり五十万もするプラチナの入れ歯を残して、昇天した。驚きあわてた佳江は一一九に連絡すると、入れ歯だけを戴いて、颯爽と宝石店へ、真珠のネックレスはかくして佳江のものとなった。 〔イタリア篇〕NAPLES 娼婦マリアが追放されてスゴスゴ帰る汽車の中、ナポリにいたいと泣くマリアに、マリアに惚れた法学生は「ナポリにいたいならナポリの男と正式に結婚するより手はないよ」と話した。それを聞いた暗黒街のヒモ野郎は、夜の女を一連隊老人ホームに引き込んで集団結婚で巧みに国籍をとって、せっせとかせごうと意気ごんだ。これを知った法学生アイデア盗用と恨んだが、そこは法律を学ぶ者結婚しながら春を売りゃ姦通罪でブタ箱入りとは、知るまいがニヤニヤ笑う法学士。 〔フランス篇〕PARIS フランスびいきのドイツ人屑鉄商のウムラルドはエッフェル塔の即売会の案内状を手にして、喜こんだ。都市計画の局長と名のる男と交渉し、エッフェル塔の頂上で、フランス政府のお墨つき、しっかり握って取り交す、七千五百万フランの金。これでエッフェル塔はわがものと、女をつれて意気揚々、係員の前を素通りと、思ったウムラルトの前に、入場券なくて通過とは何ごとぞ、とうとうポリスの世話になる始末。 〔オランダ篇〕AMSTERDAM プロの女詐欺師が狙ったのはダイヤの首飾り。先ず高級車に忍びこみ、車の持ち主実業家のハートをがっちり掴んでは、まんまとその名刺を手に入れた。名刺を持って、宝石店へ、今晩この家にダイヤの首飾り届けてネ、まんまとかかった宝石商下にも置かぬえびす顔。サテ稀代の女詐欺師、実業家を色じかけで、甘えて入った大きな邸、指定の時刻に入って来た宝石商の手から、ダイヤは彼女の手に渡り、ほくそえんで入浴中の主人を残して、女は裏から一目散見事なカゴ抜け詐欺の外国版。

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