肉体の学校(1965)

劇場公開日:

解説

三島由紀夫の同名小説を「万事お金」の井手俊郎が脚色「男嫌い」の木下亮が監督した風俗もの。撮影は「悪の紋章」の逢沢譲。

1965年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1965年2月14日

ストーリー

元男爵夫人で六本木に洋裁店を持つデザイナーの妙子は、離婚後、レストラン経営者の鈴子映画服飾批評家の信子という、同じ境涯の二人と仲良くなり、裕福で自由な生活を楽しんでいた。月に一度の例会を持っていた三人は鈴子の紹介で、ある日池袋のゲイ・バーに足をむけた。女性的な頽廃的なムードの中で、カウンターの中で精悍な顔をしたアルバイト学生の千吉の存在は、妙子の眼を奪った。同じ店で働くテルも千吉のファンであったが、金のためなら誰とでも寝るという彼の哲学に、憎しみをもっていた。そして、妙子が千吉に目をつけたことを知ると、何かと知恵をつけて応援した。千吉と妙子の最初のデイトは、新宿の喫茶店であったが、千吉はその日、遅れてやって来たうえに、ジーパンに下駄ばきという、妙子の上品さとは、正反対のいでたちであった。これにこりた妙子は次のデイトには、女詩人のムードよろしく、極くくだけた服装で千吉の前に出たが、その日の彼は、三ツ揃い紳士ぜんとしたスタイルであった。妙子は、この怪物じみた青年にすっかり魅了された。ある日、ファッションショウに出かけた二人は、妙子の店の上客である繊維会社の社長夫人室町秀子と娘の聰子と一緒に会食をした。千吉はそのテーブルの雰囲気になじめないようすであった。それから数カ月、妙子と千吉は、お互いの自由を縛らないという契約のもと同棲生活を始めた。だが千吉は、妙子のもとへ帰ることは少かった。いらだった妙子は、千吉と恋人を紹介しあうことにした。その日、政治家の平を連れていった妙子は聰子を連れた千吉を見て目を見はった。千吉と聰子はファッションショウの日以来、交際し、結婚したというのだ。テルに応援を求めた妙子は、千吉がゲイをしていた当時の写真を手にして、千吉に迫った。突然の写真に驚愕した千吉は、成功を目前にしてこの障害にうちのめされると、妙子の前で、哀れな平凡な男性に化した。成功するには、世の中をクールに渡るのだという千吉の招いた誤算だ。その姿を見つめる妙子の口から、皮肉な笑いがもれた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0岸田今日子の純情

2016年8月8日
PCから投稿
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小二郎