誘拐(1962)

劇場公開日

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解説

高木彬光原作を「右門捕物帖 卍蜘蛛」の高岩肇が脚色。「続 悪名」の田中徳三が監督したミステリーもの。撮影は「うるさい妹たち」の小林節雄。

1962年製作/93分/日本
配給:大映

ストーリー

井上金融の社長宅。一人息子の節夫が誘拐されたという報せに家中は騒然とした。この家の主、庄蔵は、自分の一族の犠牲の上に立ってあくらつな金貸しを営む強欲な男であり、家族たちからは勿論、取引関係者や他人からも憎まれていた。金を目あての誘拐か、それとも他の目的……で。強欲な庄蔵もさすが一粒種の節夫のために、金に糸目をつけずに必死の捜索をつづけるのだった。同時に、疑惑の眼は家庭の内部にも向けられざるを得なかった。それほど井上家は複雑なのだ。同居の家族には、バーの女から井上の後妻におさまった妙子、その妹の光子、昔から井上家のお手伝いとして住んでいる稲と庄蔵との間にできた子供の定夫、それに庄蔵の腹違いの弟の卓二。それぞれ利害関係から庄蔵に対して憎しみを抱いていた。やっきとなる庄蔵一家をしりめに、犯人は巧妙な方法で脅迫を続けた。そのやり口は実にぬけ目がなく、木村事件として世をさわがせた誘拐事件の失敗点をことごとく知りつくしている様子だった。犯人の誘拐した目的もいまだに判然としない。そんなある日、ついに犯人からの速達が舞い込んだ。一千万の金を入れたトランクをさげた卓二の前に現れたのは若い女だった。タクシーに乗った女を追跡する卓二。とうとう女を見失った卓二は庄蔵から罵倒を浴びせられるのだった。翌日、その女も何者かに殺害され死体は道端に捨てられてあった。これで捜査陣も壁につきあたり、事件は迷宮入りになりそうだった。そんな時、光子の依頼で登上したのが木村事件の弁護を担当した百谷弁護士だった。木村事件を研究し完全犯罪をたくらんだ犯人は、百谷の明察により次第に追いこまれた。すべては義兄の財産をねらってたくらんだ卓二の犯罪だった。節夫は、すでに卓二の手で殺されていた。卓二の入念に計画された完全犯罪もすべて水泡に帰したのだった。

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