明日ある限り

劇場公開日:

解説

壷井栄の小説「雨夜の星」の映画化「東京夜話」のコンビ、八住利雄と豊田四郎がそれぞれ脚色と監督を担当。撮影は「断崖の決闘」の岡崎宏三。

1962年製作/113分/日本
原題または英題:Till Tomorrow Is
配給:東宝
劇場公開日:1962年2月10日

ストーリー

七夕の宵に生れたその子は織姫星にちなんで小織となつ子は名付けた。夫の哲夫は陸軍病院に入院していて、太郎、アカネに次いで三番目の子供だった。小織の目は二百日を過ぎてもあかなかった。何軒かの医師を訪ねた。先天性白内障--これが小織に下された診断の結果だった。手術をすすめる代田先生に、逡巡するなつ子。昔気質の姑の松江は手術に反対だった。やっと手術を決心したなつ子であったが、当の代田先生はその前夜応召してしまった。その頃、戦況の深刻化と共に政府は学童の集団疎開を実施した。寂しく家を離れて行く太郎とアカネ。その姿になつ子は小織の目にだけ気を奪われ、報いることの少なかった二人の子供に秘かに涙を流したが、二人の子供はむしろ小織の恢復を祈って別れて行った。戦場の代田先生から、白内障の手術では日本一といわれる先輩の苅屋医師を紹介して来た。なつ子は、早速埼玉の老医師苅屋を訪れ、小織の手術をしてもらった。だが、小織の視力は依然としてはかばかしくなかった。そんな小織を連れてなつ子は故郷の小豆島の実家に帰ってみた。夫の哲夫と島をとびだしたなつ子だったが、実家では母のまさをはじめ兄や嫂たちが温かく、なつ子母子を迎えてくれた。そんな頃、夫の哲夫が退院して来た。なつ子と小織は急いで東京に帰った。哲夫は元の会社に復帰した。小織は盲学校に入学させることになった。それから十年三人の兄妹たちはそれぞれ成人した。太郎は工場の独身寮に住み、アカネは看護婦として病院に住みこんでいた。太郎もアカネも不自由な小織をかばい、苦労する母親をいたわった。太郎は盲目の妹があるということで恋人暁美の愛を失った。小織は十七歳になっていてマッサージ教室に通っていた。そのうち同じ境遇にある青年相沢を知り未来を誓いあっていた。両親も相沢との結婚を心から祝福した。太郎もアカネも自分たち以上にしっかりした小織の人生への情熱にうたれ、哲夫となつ子は急に小織を手放す寂しさに心を痛めた。だが、なつ子は、小織の結婚式に渡そうと小織のためにつくした十数年にわたる記録の点訳に明け暮れていた。小織たちの将来に生れ来る子のためにと--。

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