美しき抵抗
劇場公開日:1960年12月21日
解説
中村八朗の原作を、「闇を裂く口笛」のコンビ原源一が脚色し、森永健次郎が監督したホーム・ドラマ。撮影は「刑事物語 犯行七分前」の間宮義雄。
1960年製作/59分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年12月21日
ストーリー
大学医学部助教授松浦亮輔は研究に没頭し、世事にうとく、妻ゆき子は家計が苦しく、内職に精だした。亮輔には三人の娘がいた。長女智恵子は工場の栄養士、次女都紀子はタイピスト、三女久美子は速記者志望の高校生。娘たちは父が仕事のために母をかえりみず、母があまりに従順すぎるのに不満だった。ある日、都紀子は社長に呼ばれ、父を研究主任に招きたいといわれた。話を聞いたゆき子は、夫が仕事を金で売るはずがないといった。智恵子の恋人で医学生の中田は、およそ恋愛に不向きなタイプだが、そんな彼を亮輔はほめるのだった。久美子は男の級友たちと人形芝居の巡回に行くのを父に反対されて大ムクレ。都紀子は友人のパーティに行き、酒を飲んで帰った。父は都紀子を叱った。日頃のウップンを都紀子は父にぶつけた。お父さんはお母さんや、私たちの気持をちっとも考えない、横暴だわ。亮輔は都紀子を殴りつけた。その夜以来、亮輔は仕事か家庭かとおもい悩んだ。帰宅した亮輔は研究室をやめ、収入のよい会社に入るといった。ゆき子は驚き反対した。ゆき子は自分たちのために学問を犠牲にしたくない、娘たちは自分の道を選べばいい、私は貴方の才能を信じている--といった。隣室で両親の会話を聞いた娘たちは、心を打たれ顔を見合せるのだった。