女教師(1977)
劇場公開日:1977年10月29日
解説
東京近郊の中学校で美人教師が、中学生の一団に暴行されるという事件をきっかけに社会の裏面を操る大人たちの性関係をも生々しく描く、清水一行の同名小説の映画化。脚本は「性処女 ひと夏の経験」の中島丈博、監督は「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」の田中登、撮影は「夢野久作の少女地獄」の前田米造がそれぞれ担当。
1977年製作/100分/日本
配給:日活
劇場公開日:1977年10月29日
ストーリー
東京郊外の中学校。土曜日の放課後の音楽教室で、音楽教師・田路節子は三年生の江川秀雄らの一団に強姦された。三年担当の瀬戸山は半開きのドアから、現場を見てしまう。瀬戸山は妻帯者であったが、節子の肉体に魅かれ、節子が同僚浅井の恋人であることの嫉妬もあって、見て見ぬふりをしていた。生徒指導係の影山教諭は秀雄を呼び、事件当日の行動を問いただすが真相を聞き出せず、ただ歎息するばかりであった。秀雄の母・明子は自動車修理工場を経営していた。明子は証拠品についていた秀雄の指紋を消したお礼として、瀬戸山を料亭に招く。瀬戸山は事件を世間に公表し、秀雄を逆に被害者に仕立てる計画を話すと、明子に迫っていった。心機一転、旅に出ていた節子は、久しぶりに出勤するが、浅井が現れ、だまされていたと言い捨てると、節子が近ずくのを避けた。節子が江川を誘いこんだという噂がながれていたのだ。しかし、瀬戸山にも一体誰からこの新説が出たのか分らなかった。瀬戸山は噂の出所を聞き出そうと秀雄に迫るが、逆に瀬戸山が事件を目解していたのを同じ音楽教師の佐藤美也子が見ていたと聞かされる。節子の弟・恵司は影山や浅井を執拗に追った。そんななかで、節子を振った浅井と美也子の淫らな関係を知る。三年生の関西旅行中に大事件が起こった。江川が突然連れ去られ、身代金として五百万円を要求される。一方、東京では浅井と美也子が殺害され、北海道から節子の自殺未遂の報が届いた。連続事件に学校は大混乱に陥る。恵司は北海道から帰った節子を迎え、五百万円の札束を渡す。問いただす姉に、恵司は秀雄と仕組んで江川を誘拐した事や、美也子を犯し、浅井と二人を殺した事などをつぎつぎに語っていった。そして復讐をはたそうとする秀雄は、逆に瀬戸山に殺害されてしまう。神聖なる教育の場は、混乱し、泥沼にはまっていくかのようである。事態を収拾する見通しのたたないまま、恐怖の渦は拡大するいっぽうだった。