時空の旅人
劇場公開日:1986年12月20日
解説
未来からの逃亡者によって、過去へのタイムトリップに巻き込まれた若者たちの姿を描いたアニメ。眉村卓原作の「とらえられたスクールバス」の映画化で(この映画化で本タイトルに改題された)、脚本は「傷だらけの勲章」の大和屋竺、「カムイの剣」の真崎守、竹内啓雄の共同執筆。監督は「はだしのゲン」の真崎守が担当。
1986年製作/91分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1986年12月20日
ストーリー
17歳の女子高生、早坂哲子はカメラマンの兄の撮影につき合うため、ロケ用のマイクロバスに乗り込んでいた。兄が車を離れたすきに、奇妙な少年が運転席に駆け込んで、持っていた機械をバスにセットしスイッチを入れた。たまたま居合わせた哲子の同級生、信夫、真一、教師の北もバスに乗り込み、タイムトリップしてしまう。彼らは1945年の東京大空襲のまっ只中に到着した。哲子は戦火の中で救ってくれた学生服の若者に心魅かれた。バスは再び超時空に飛び出した。少年はアギノ・ジロと名乗り、自分の住んでいた未来が嫌になり、過去へ逃亡してきた未来人だと告げた。しかも、バスに仕掛けたタイムマシンは過去にしか行けず、二度と逆戻りはできないと言う。その時バスのエネルギーが切れかかり、江戸幕末に不時着。燃料を補給してホッとした彼らを、未来からジロを追って来た逃亡者ハンター、クタジマ・トシトが急襲してきた。やっとの思いでトシトを振り切ってワープした先は、1600年、関ヶ原の戦いのド真中だった。そこで彼らは、徳川家康側近の瀬道仁=セドゥド・ジンと出会う。ジロは彼を未来から来た時間管理局員だと見抜く。ジンは刺客の中に家康を殺し、歴史を変えようと企んだ未来人かいたことを告げると、クイムマシンに乗り消えた。刺客の生き残り平野兵蔵が仲間に加わり、バスが着いたのは1582年の安土城。本能寺の変が起こる5日前だった。織田信長の歓待を受けることになった一行は、安土城に逗留することになった。哲子は信長の側近、森蘭丸に東京大空襲で出逢った少年の面影を重ねる。二人はいつしか心を通わすようになっていった。信長出兵の日、兵蔵は信長に反逆しようとしていた明智光秀を斬る。本能寺の変を目前に歴史は変ってしまった。だが、ジンがやって来て光秀暗殺の日へワープした。彼はトシトが兵蔵に光秀を討つよう意識操作しているのを目撃する。ジンは兵蔵を斬り、光秀暗殺を阻止。全てはジロを罠にはめて逃亡させ、ハンターの特権を利用して歴史を変えようとするトシトの陰謀だった。本能寺上空で戦いが始まり、ジロがトシトを射った。トシトはアンドロイドで核戦争の犠牲者だった。そのため歴史を変えたがっていたのだ。哲子たちは年とトシトのマシンで現代に戻るが過去へトリップした記憶は消えていた。