十二人の女だった

解説

イヴ・ミランドの作った映画で、大戦勃発後に製作着手され短時日の間に出来上がったものであるが、その出来栄えは即製の戦時映画とはだいぶ違う物らしい。この映画の特異性は、最後の場面で兵士の影が現れる意外は、全く女ばかりが登場することであって、ミランドは再びこの女たちを主人公として戦時を背景にブルジョア階級の風刺を見せている。シナリオはミランドの書き下ろしで、ジョルジュ・ラコンブの演出。撮影はヴィクトル・アルメニーズ、装置はアンドレイエフである。

1940年製作/フランス
原題または英題:Elles etaient Douzes Femmes

ストーリー

女達は夫や息子や恋人を戦線に送って、日夜そのことを口にしていたが、あるサロンの有閑夫人達の集まりで、ヴィムーズ公爵夫人(フランソワーズ・ロゼー)、プリンセス・カディコフ(ベティ・ストックフェルド)、ベルニエ夫人(シモーヌ・ベリオー)及びベルニエの情人ギャビー(シモーヌ・ルナン)ほか二人の夫人(パメラ・スターリングとミラ・パレリー)が、兵士のための後援会を作ろうと提議する。しかしその資金がない。そこで父なし子を持ち社交界から遠ざけられてはいるが金のあるマリオン夫人(ガビ・モルレ)のところへ、嫌いやながら資金を頼みに行く。ところが、このマリオン夫人には宝の娘ジュヌヴィエーヴ(ブランシェット・ブリュノワ)と養女リュシー(ミシュリーヌ・プレール)があり、ヴィムーズ公爵夫人には娘ジャニーヌ(プリムローズ・ペレエ)があり、この三人の若い娘が互いに組んで、ジュヌヴィエーヴとベルニエ夫人の出征中の息子との恋を完成させようとする。

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