レスリー・チャン・メモリアル上映にて初見。上映館のタイムテーブルの都合でいきなり「2」から観ましたが、十分、いや十二分に楽しめました! 楽しすぎて、1はもちろん続編まで、シリーズをコンプリートしたい!と思ったほどです。
無駄に(←ほめ言葉です)火薬が炸裂する銃弾戦、スクリーンを突き破る勢いで吹っ飛ぶ負傷者、二丁拳銃、ストップモーション、白地(服、壁、ランプシェード…)を染める鮮血…。ウー監督印は当然ながら満載。思わず何度も吹き出しそうになりました。
とはいえ何より収穫だったのは、あの北野武監督作「アウトレイジ」への影響を発見できたことです。特に、冷徹なスナイパーと、加瀬亮が演じた金庫番の相似形! 顔つきも体型も全く違うのに、加瀬亮が被ってかぶって…「アウトレイジ」を観ているかのような錯覚に陥ることがありました。(ちなみに、連れは「レスリーが桔平ちゃんに見えた!」そうです。)ギリギリまで削ぎ落としたセリフやシーン、腹黒オッサン群の幼稚さ、脂っこさ…も然り。改めて観直したくなります。
また、すでに四方田犬彦氏や野崎歓氏らが論じている点ですが、抜き差しならない濃密な男性同士の関係も強く感じました。部下の裏切りと娘の死で正気を失った男を看病する料理人チョウ・ユンファ。いきなり肉料理を振る舞い、ソーセージ(!)をぱくついて見せます。そして、悪戦苦闘の末に病んだ彼がかぶり付くのが生肉の塊! さらにオレンジの果実を分かち合い、オレンジは仲間の結成の場面でも再登場。うまいなあと思いました。加えて目についたのは、男同士の「お姫様ダッコ」の多用。いくら深傷を負っていたとしても、一般には肩に手を回して引きずったり、肩に担いでダッシュするように思うのですが…。彼らは迷わず、愛する仲間をお姫様ダッコ! 不思議な切なさを生んでいました。
やっぱり、香港映画はたまりません! あー、もっと観たい。スクリーンでガンガン観たい!