マドモアゼル(1966)
劇場公開日:1966年12月3日
解説
異色の作家ジャン・ジュネが、映画のために初めて書いたストーリーを「雨のしのび逢い」のマルグリット・デュラスが脚本、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のトニー・リチャードソンが監督した。撮影は「ナック」のデイヴィッド・ワトキンで、音楽は一切使われていない。出演は「ビバ!マリア」のジャンヌ・モロー、イタリアの活劇スターで、本格的ドラマへの主演はこれが初めてというエットレ・マンニほか。製作は「ナック」のオスカー・リュウェンスティン。
1966年製作/100分/イギリス・フランス合作
原題または英題:Summer Fires
配給:UA
劇場公開日:1966年12月3日
ストーリー
フランス中央部の小さな村にマドモアゼル(J・モロー)と呼ばれる女教師がいた。彼女はオールド・ミスだったが、村民の厚い尊敬を受けていた。その頃、村にイタリア人マヌー(E・マンニ)が息子のブルーノ、友人のアントーニオをつれて出稼ぎに来ていた。マヌーの野性的な魅力が村の女たちの目を惹いたのは言うまでもない。しかし、彼が来てからというもの、村では水門が破られたり、原因不明の火事がおきたりで、村人たちは、よそ者の彼が犯人ではないかときめつけていた。村で災難が起るたびに、半裸でかいがいしく働くマヌー。そんな彼を、マダモアゼルはいつも遠くから見続けていた。マダモアゼル--この神秘な美しさを持つ女の秘密を知る人は誰もいなかった。彼女こそ、すべての災難の犯人だったのだ。夜になると厚化粧に身をやつし、凝ったデザインをほどこしたマッチを持ち、ひそかに農家へ放火しにいく女。そんな彼女の正体を見破ったのは教え子のブルーノたった。しかし、マドモアゼルに、あこがれに近い恋心を抱く、この少年は何も語らなかった。マドモアゼルは、マヌーが木こりとして働く森によく散歩に行き、道で彼に出会うことも、しばしばだった。そして彼女は欲望を自制しようとすればするほど、マヌーの肉体を求めるのだった。彼女が毒薬を入れた池の水を飲んで家畜が全滅した日、村人たちの怒りは爆発し、犯人と目したマヌーを捕えることにした。その頃マドモアゼルは森でマヌーと逢っていた。野性の女と化したマドモアゼルは、夜がしらむ頃までマヌーの肉体を求め、朝になって、引き裂かれ泥によごれた衣服のままで村に帰って来た。驚く村人たちの質問に彼女は、マヌーに暴行されたと語った。そしてマヌーは村人のリンチでなぶり殺された。悪夢のような夏がすぎ去る頃、マドモアゼルは、おしまれながら村を去った。だが、彼女の正体を知っているブルーノだけが、彼女の後姿に、ツバを吐きかけるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- トニー・リチャードソン
- 脚本
- マルグリット・デュラス
- 原案
- ジャン・ジュネ
- 製作
- オスカー・リュウェンスティン
- 撮影
- デビッド・ワトキン
- 美術
- ジャック・ソルニエ
- 音楽
- アントワーヌ・デュアメル
- 編集
- ソフィー・クッサン
- アントニー・ギブス
受賞歴
第19回 カンヌ国際映画祭(1966年)
出品
出品作品 | トニー・リチャードソン |
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