アンジェラ・マオの女活殺拳
劇場公開日:1974年6月29日
解説
合気道の道場を経営する若い美人拳士と悪らつな日本人グループの対決を描く空手映画。製作はレイモンド・チョウ、監督はフアン・フェン、脚本はホー・チエン、撮影はリー・ユー・タン、音楽はライ・シュ・ファが各々担当。出演は「燃えよドラゴン」でブルース・リーの妹役を演じたアンジェラ・マオ、カーター・ワン、サモ・ハン・キンポー、パイ・イン、テルオ・ヤマネ、チー・ハン・チアエなど。
1971年製作/香港
原題または英題:Lady Kung Fu
配給:東和
劇場公開日:1974年6月29日
ストーリー
合気道のこころは「忍」--これが大韓帝国合気道飛鷹総館々長の固い信念だった。弟子の中でも中国からやってきた紅一点の美人拳士ユー・イン(A・マオ)は、カオ・チャン(C・フアン)、ファン・ウェイ(H・K・ポ)と共に、その教えを守りながら厳しい訓練の日々を送っていた。やがて先生は、この三人の弟子たちを、中国滄州飛鷹道館の指南役として派遣することに決めた。みだりに争いをするなかれという教えを胸に三人は祖国滄州で道場を開いたが、この町で勢力をふるう悪人揃いの黒熊道場と対決するハメになってしまった。ある日、血の気の多いファンが、黒熊道場の酔漢二人に喧嘩を売られ、大殺陣まわりを演じてしまった。早速、この機会を利用して新興ライバルの飛鷹道館をぶっ潰ぶそうと黒熊道場の連中がいやがらせを始めた。だが〈忍〉の戒律に耐えきれなくなったファンは再度戦いにまき込まれた。平和解決を願うカオは、黒熊道場に赴き、和解を申し込んだが、師範のティエン(P・イン)は、ファンを三日以内に引き渡せとすごむばかりだった。さらに、カオはティエンによって大切な右腕を折られてしまった。ユーは口惜し涙にくれながらも、ファンを町の片隅にある空倉庫に身を潜めさせて、気丈にひとり飛鷹道館を守り抜く決心を固めた。相変わず黒熊一派の挑発はくりかえされ、執拗な手口に怒ったユーは遂に敵道場に単身乗り込んだが、フェン(T・ヤマネ)は待っていたとばかり、日本刀をふりかざす用心棒を放ってきた。その頃、ファンの隠れ家が発見され、ティエンの強烈な荒わざに屈し、若い命を散らせていった。こうして黒熊一派のいやがらせは日ましに激しくなり、遂にユーの道場に黒熊道場滄州合気道分館なる看板を掲げようとした。武芸者にとって看板は命、怒りに燃えたユーは黒熊道場に殴り込み、あっという間に門弟たちをなぎ倒した。だが多勢に気勢で、大挙手下をくりだした黒熊一派に飛鷹道館を占拠されてしまった。負傷したカオを抱え、ひとまず道館をひきはらった彼女の前に強力な助っ人が現われた。恩師が派遣した一番弟子のピンだった。喜んだユーは隠れ家にいるカオを呼びにやったが、その途中、カオは黒熊一派のために殺されてしまう。今はただ〈忍〉の文字を捨て、報復あるのみだった。ユーとピンは黒熊道場を襲い、鍛え抜いた合気道と空手で門弟百人をことごとく打ち倒していった。かくしてユーは、仇敵フェンの息の根を止め、カオとファンの仇を討つと、飛鷹道館再建への第一歩を踏み出したのだ。