わが愛は終りなし
劇場公開日:1957年10月10日
解説
20年前、一世を風靡した世界的ソプラノ歌手マージョリー・ローレンスの自叙伝「中断されたメロディ」の映画化。「オクラホマ!」のウィリアム・ルドウィグと「ボワニー分岐点」のソーニャ・レヴィーンが脚色、「哀愁物語」のカーティス・バーンハートが監督した。撮影監督は「葡萄の季節」のジョセフ・ルッテンバーグ、音楽は「お茶と同情」のアドルフ・ドイッチェュ。主演は、「辺境の掠奪者」のグレン・フォード、「ながれ者」のエレノア・パーカー、新進のロジャー・ムーア、「ハーヴェイ」のセシル・ケラウェイ。
1955年製作/アメリカ
原題または英題:Interrupted Melody
配給:大映
劇場公開日:1957年10月10日
ストーリー
オーストラリアの農家の娘マージョリー(エリナ・パーカー)は、市のオペラ歌曲コンテストで1位に入選し、パリに留学した。ある日、父の急死の知らせが来た。帰らねばならぬ。師のギリ夫人はその才を惜しみ、モンテカルロ歌劇団のソプラノ歌手に彼女を推薦した。マージは「ラ・ボエーム」の舞台にデビューし、成功する。それを故郷に電話しながら、嬉し涙にむせぶ彼女に、ハンカチを差し出す青年があった。アメリカの医師トーマス・キング(グレン・フォード)である。ソルボンヌ大学で留学を終え、帰国の途中だった。月光の海を前にしたレストランで、若い2人のエトランゼの間に愛が芽生えた。彼を港に送ったマージは再会を約して別れた。それから3年、マージは欧州のプリマドンナとして名声をかち得た。遂に、ニューヨーク、メトロポリタン劇場の桧舞台を踏む日が来た。初日の夜、楽屋につめかけたファンの中にトムの姿もあった。その夜、マージはフランスの伯爵の求婚をけって、一介の町医者トムと結婚した。が、落着く間もなく、「トリスタントイゾルデ」南米試演が待っていた。夫と気まずい別れをしたマージは、南米で稽古中に倒れる。小児マヒの診断が下された。トムは下半身不随の彼女を連れ戻すと、フロリダに転地させ、一心に看護した。失意のマージを励まし叱り、回復への希望を与えた。彼女は車椅子の上で歌の練習を始めるほどになった。リサイタルの夜、車椅子で舞台に出たマージは、思わず途中で逃げ出した。劣等感からの激しい恐怖に襲われたのだ。その後、彼らの生活は窮迫した。彼女は自殺を計ったりした。第2次大戦。夫の愛で元気を回復したマージは、自分と同様車椅子で暮らす兵士達のために陸軍病院へ慰問に行くのを思い立ち。この期、彼女は南洋の前線を慰問して廻り、大勢の将兵達を喜ばせた。戦後、マージはメトロポリタン劇場へ復帰した。彼女の声は少しもおとろえていなかった。聴衆の感激が最高頂に達した時、奇跡が起った!舞台の彼女が立ち上り、1歩1歩、歩きだしたのだ。愛の奇跡。見守るトムの眼に白く光るものがあった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- カーティス・バーンハート
- 脚色
- ウィリアム・ルドウィグ
- ソーニャ・レビアン
- 原案
- マージョリー・ローレンス
- 製作
- ジャック・カミングス
- 撮影
- ジョセフ・ルッテンバーグ
- 音楽
- アドルフ・ドイッチ