ブロードウェイ(1929)
解説
演出家ジェッド・ハリス氏がニューヨーク市のブロードハースト座に上演して大当たりをとったフィリップ・ダニング、ジョージ・アボット両氏原作の同名戯曲を「都会の哀愁」のエドワード・ティー・ロー・ジュニア氏がチャールズ・ファースマン氏と協力して脚色し、科白をつけたもので監督は「ラスト・モーメント」「都会の哀愁」のポール・フェリス氏。主演者は「当たって砕けろ(1929)」「都会の哀愁」のグレン・トライオン氏、「サーカス」のマーナ・ケネデイ嬢「都会の幻想」「虎御前」のエブリン・プレント嬢の他に舞台劇『ブロードウェイ』出演のトーマス・ジャクソン氏、ポール・ポルカシ氏が加わっている。助演者にはオディス・ハーラン氏、ロバート・エリス氏、マリオン・ロード嬢、アーサー・ハウスマン氏等が出ている。撮影は「結婚行進曲」「ジャズ・シンガー(1927)」のハル・モーア氏。カール・エムレ・ジュニアー氏が監督ポール・ブエヨス氏を助けている。最後の場面にテクニカラーを施したオールトーキーである。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:Broadway
ストーリー
ニック・バージスの運営するブロードウェイのパラダイス・ナイトクラブへは「狼」のエドワーズという酒の密造者が密かに酒を入れていた。エドワーズの好適手で表面紳士を装うティーブ・クレンドールは、エドワーズの縄張りを荒らして、クラブへ自分の酒を入れたのでエドワーズは怒って、ある晩ナイトクラブへ掛け合いに来たが、返ってスティーヴのために謀殺されてしまった。スティーヴはクラブの踊り子ビリイ・ムーアの美しさに心牽かれているが、ビリイには道化舞踏手のローイ・レーンと言う恋人があった。そこでステーブは金力によってムーアを手に入れようと計った。探偵ダン・マッコーンは「痕」のエドワーズの死骸を発見しててきり犯人はクラブに出入りする者の所為と見てスチーブ、ニックその他の連中に対して厳重な探索の手を延ばした、ダンはまずエドワーズの婚約者であった踊り子のバールをさぐるがバールは返ってエドワーズの急死に驚愕する程であった。ローイトビリイとの仲はスチーブのことから妙に気まずくなって行った。ビリーはローイを愛していたが貧困を嫌って結婚が伸び伸びになっていた。スチーブはある晩、宴会を開いてクラブの連中を招待した。ローイはまたしてもビリイのことからスチーブと口論し果し合いまで仕兼ねまじい様子があった。ダン探偵は2人に鋭い注視を忘れなかった。ビリイとローイはこのことあって以来ますます気まずくなって行った。スチーブはクラブへの途中何者かのために無音短銃で狙撃された。彼の神経は妙に鋭くなって来た。ダン探偵に対する警戒と何者共知れぬ狙撃者に対する恐怖とから彼はついに一切をニックに話して高飛びの準備をする。これを立聞いていたのはパールだった。パールはニックが立ち去った頃を見計らってスチーブを襲い彼を射った。ダン探偵は一切を承知していたが、スチーブの死を自殺なりとして事件の円満を計った。ローイとビリイとが仲直りをしたのはもちろんのことである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- パウル・フェヨシュ
- 脚本
- エドワード・T・ロウ・Jr.
- 脚色
- エドワード・T・ロウ・Jr.
- チャールズ・ファースマン
- 原作戯曲
- フィリップ・ダニング
- ジョージ・アボット
- 台詞
- エドワード・T・ロウ・Jr.
- 撮影
- ハル・モーア
- 音楽
- ハワード・ジャクソン
- 歌
- コン・コンラッド
- アーチー・ゴットラー
- シドニー・D・ミッチェル
- 編集
- モーリス・ピーヴァー
- アソシエイト・プロデューサー
- カール・レムレ・ジュニア