ビッグ・ハウス

解説

「愛すればこそ(1929)」「アリバイ」のチェスター・モリス、「人生の乞食」「支那街の夜」のウォーレス・ビアリー、「マダムX」のルイス・ストーン、「キートンのエキストラ」のロバート・モントゴメリー、「キートンの結婚狂」のリーラ・ハイアムス「海魔」のジョージ・マリオン、J.C.ヌジェントの共演映画。「アンナ・カレニナ」「風」のフランセス・マリオンの原作台詞に基づき、「コサック(1928)」「大飛行艦隊」のジョージ・ヒルが監督し、ハロルド・ウェンストロムが撮影した。助演者は、カール・デーン、デウィット・ジェニングスその他である。

1930年製作/アメリカ
原題:The Big House

ストーリー

ケントは正月の前晩、祝い酒に酔い、自動車を運転中誤って人をひき殺し、10ヵ年の刑に処せられ、入獄せねばならなかった。彼が投ぜられた部屋にはモーガンとバッジがいた。両人共凶暴なる札付きの悪人であった。監獄が告げていた際とて典獄も詮方なくケントを彼らと同室せしめたのであった。ケントの妹アンは兄に面会に来て、努力のかいもなく彼を放免することは徒労に帰したと語るのであった。バッジは密に脱獄を企て、鉄片をナイフにして懐にしていた。ある日、囚人一同が大食堂に集まった時デモンストレーションを起こし、数百名の囚人がそれに和し騒然たる有り様となった。その際バッチは取り調べそうな形勢となったので、ナイフをモーガンに渡した。モーガンはケントに渡した。ケントは始末に困ってモーガンの寝室の中に隠したのを取り調べの役人に発見され、嫌疑はモーガンにかかって翌日するはずであった借り出獄は取り消され、真っ暗な独房にぶち込まれたので、ケントを恨み、復讐を心に誓った。モーガンは遂に失神を装い、独房から引き出され、意思の診断を受けることになったがすきをねらって脱獄した。彼は高飛びする積もりで参考書を求めるべくある書店に入った。そこにはアンが働いていた。アンはケントからの手紙により、また、新聞の報道により、彼が脱獄囚であることを察して、1度は警察に報告しようとしたが、何故か警察に渡すに忍びなかった。彼女の擁護にモーガンは感謝して以後生涯を正しく送るべく決心した。しかしモーガンは遂に捕らえられ、監獄に送還されたが彼は昔日のモーガンではなかった。神妙に刑に服すべく決心していた。一方バッチは同志と謀り、大々的破獄を企てて、機の熟するのを待っていた。ケントはこれを当局に密告したので監獄当局は防御策を怠らなかった。数百の囚人が監獄の庭内に集合した時、果然バッチの一味は破獄を企てた。場内はたちまち一大修羅場と化し、遂には守衛等の力では制し得ず、軍隊の力を借りなければならなくなった。タンクの出動によりようやく騒動を鎮静せしめたこの騒動の前からバッチはモーガンの態度の変わったのを勘づき彼が裏切ったと見るや憤然として彼を殺そうとしたが互いに負傷して倒れた。バッチは遂に絶命し、ケントもまた致命傷を負って死んだ。しかし、モーガンの傷は浅く直ぐ回復した。彼が騒動中、幾多の守衛の生命を助けたことも判った。かつナイフの事件の嫌疑も晴れて出獄を許された。そして恋するアンは彼の出獄を祝って彼を出迎えたのであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 アカデミー賞(1930年)

受賞

脚本賞 フランセス・マリオン
音響録音賞  

ノミネート

作品賞  
男優賞 ウォーレス・ビアリー
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