天国は待ってくれる(1943)

劇場公開日:1990年8月9日

解説

死んで地獄に落ちた男が、そこで自分の人生を回想する姿を描くコメディ。製作・監督はエルンスト・ルビッチ。ラディスラウス・ブス・フェケテの原作『誕生日』を元に、脚本はサムソン・ラファエルソン、撮影はエドワード・クロンジェガー、音楽はアルフレッド・ニューマンが担当。出演はドン・アメチ、ジーン・ティアニーほか。日本版字幕は古田由紀子。カラー、スタンダード。1943年作品。

1943年製作/アメリカ
原題または英題:Heaven Can Wait
配給:プレノンアッシュ
劇場公開日:1990年8月9日

あらすじ

地獄行きの手続きを委ねられている閻魔大王(レアード・クリーガー)は、そこにやって来た全く天国行きに執着しないヘンリー(ドン・アメチ)という男に興味を抱き、彼からその人生の話を聞くことにした--。母バーサ(スプリング・バイントン)や祖母の愛を一身に受けて育ったヘンリー(ディッキー・ムーア)は、フランス人のメイド、イヴェット(シグニ・ハッソ)から愛の素晴らしさを教えられる。26歳の誕生日を迎えたヘンリー(D・アメチー)は、マーサ(ジーン・ティアニー)という娘を見染めるが、何と彼女はいとこのアルバート(アリン・ジョスリン)の婚約者だった。そしてヘンリーは、マーサに求婚し、彼女を連れ去るのだった。それから10年後、2人は幸せな結婚生活を送っていたが、ある日突然マーサがカンザスの実家に帰ってしまった。しかし祖父のヒューゴ(チャールズ・コバーン)とともに彼女を訪ねたヘンリーは、またもマーサを説得するのに成功するのだった。数年後、ヘンリーはダンサーのペギー(ヘレン・レイノルズ)に恋してしまう。しかし息子のジャック(マイクル・エイムズ)も彼女に恋していることを知り、ヘンリーは自分の年を実感すると同時に、改めて妻の愛情に感謝するのだった。25年目の結婚記念日、2人は愛を込めてダンスを踊る。しかしそれが彼らの最後のダンスになってしまうのだった。70歳になっても女性に興味がつきないヘンリー。しかし彼にとって、最愛の女性はやはりマーサだった。そんなヘンリーにも、ようやく最期の時がやって来た。彼の話を聞いた閻魔大王は、彼を天国に送ってやることにするのだった。(プレノン・アッシュ配給*1時間52分)

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受賞歴

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映画レビュー

4.5 天国は待ってくれる〜ルビッチと小津について

2026年1月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

名匠エルンスト・ルビッチ監督によるロマンチックコメディであり、唯一のカラー作品でもある『天国は待ってくれる』を十数年振りに観た。
本国アメリカでは非常に有名な映画なのだが、戦時中に製作された作品でもあり、我が国では長い間劇場公開されず、日本初公開はなんと1990年で当時渋谷のシードホールまで観に行った記憶がある。
それから更に16年の歳月が過ぎ去った今、改めてこの映画を観直してみると、昔以上に繊細、且つ機知に富んだルビッチ・タッチに酔いしれるのと同時に、曲りなりにも年齢を重ねて来たせいか、昔以上に実感を持って人生の機微を感じさせられ、今回はほぼ全編に渡り、泣きじゃくりながら観る羽目になってしまった。
それと同時に日本映画界の巨匠小津安二郎監督の師匠が間違いなくルビッチなのであり、しかも本作品の影響がもっとも大きいのではということを改めて実感した。「晩春」、「麦秋」「東京物語」、「彼岸花」、「秋日和」、「秋刀魚の味」といった名作の原点が全てこの映画にあるように思えてならない。実際に小津が戦時中の東南アジアで、当時の日本人が自国ではまったく観ることが出来なかった数多くのアメリカ映画をタイムリーに観ていたことはかなりよく知られている事実である。本作品も恐らく、いや間違いなく戦地で観ていたであろうことが、ほとんど直感的に察せられるのだ。
日本的なホームドラマをこよなく愛した小津安二郎、特に戦後の多くの作品に共通する作風は、"劇的なシーンを敢えて見せないこと"。その前後のさりげない日常の一コマこそを繊細で且つ機知に富んだ独特のタッチで丹念に描き切ることにより、最もドラマチックな部分を敢えて省略し、全ては観客の想像に委ねることに終始している。これこそがルビッチと小津とを結ぶ最も重要なテーマであり、最大の共通点だ。双方の作品が時代や国境を越えた不変のホームドラマと成り得た秘密は全て此処にある。「もしも小津が異国の地で『天国は待ってくれる』を観ていなかったとしたら?・・・と勝手に観たものと決め付けているが・・・日本映画史に残る珠玉の名作群は実は生まれていなかったのでは?」と思わず想像を巡らしてしまう。
「映画は易々と越境する。」という真実を半世紀以上も前のルビッチと小津との事例が明確にそのことを示しているのだ。

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ナオイリ

3.0 優しい閻魔様

2026年1月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2026年1月17日
映画 #天国は待ってくれる (1943年)鑑賞

地獄の受付に来た男が、サタンの前で自分は地獄に送られて当然だと語った内容は自分の浮気性の人生であった

甘やかされて育ったからなのか、素敵な女性を見るとつい心が動く男の話

1943年の映画とは、日本の戦時下とは大違いだな

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とし

3.0 天国か地獄かのグレーゾーン

2025年8月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ハートウォーミングないいお話ですが、ストーリー展開にややもたつきが感じられる一方で、説明が足りてないところもあり、ルビッチ監督作としては標準的な出来栄えでしょうか。

自他ともに認める女好きの主人公の30代から70代までをドン・アメチーが好演。醜女には冷たく、美人を見るとフラフラしてしまう、でも基本は愛妻家の憎み切れないカサノバ。

祖父役のチャールズ・コバーンが、いつもながらの快活で小粋な演技を披露してくれていて、心が和みます。

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sugar bread

4.0 戦時中に映画が作れる、アメリカの余裕

2021年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

最初に出てくるおじいちゃん(主人公)とその青年期壮年期を演じたのが同一人物だった。

80年近くも前の映画なのに、メイク技術に驚いた。

コメディタッチなので、深いものは感じないが、今見ても楽しめる、部屋の調度品

とか電話とか服装とか。

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藤崎敬太