テン
劇場公開日:1980年3月1日
解説
ハリウッドのポピュラー・ソングの作曲家である中年男が、10点満点の理想の女性と出会ったことから起きる大人の恋と冒険をコメディ・タッチで描くラブ・ストーリー。製作はブレイク・エドワーズとトニー・アダムス、監督・脚本は製作も兼ねる「ピンク・パンサー4」のブレイク・エドワーズ、撮影はフランク・スタンレー、音楽はヘンリー・マンシーニ、編集はラルフ・E・ウィンタース、製作デザインはロジャー・マウスが各々担当。出演はダドリー・ムーア、ジュリー・アンドリュース、ボー・デレク、ロバート・ウェバー、ディー・ウォーレス、サム・ジョーンズ、ブライアン・デネヒー、マックス・ショウォルター、ラッド・デリー、ネドラ・ボルツなど。
1979年製作/122分/アメリカ
原題または英題:10
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1980年3月1日
ストーリー
アカデミー賞を4度も受賞している作曲家ジョージ・ウェバー(ダドリー・ムーア)は、恋人のミュージカル・スター、サム(ジュリー・アンドリュース)にも愛され、地位も名誉もあるすべて順調な42歳の中年男である。そんな彼が、ある日交差点で信号待ちしている時、隣の車の中に彼の常々理想としている女性を見いだした。その女性はウェディング・ベールをつけ、そのふし目がちな横顔は、ジョージがこれこそ10点満点の女だ、こんな女と愛し合えたらと思わせるのに十分だった。あげくには事故まで起こして、彼女の車を追いかけ、教会に入り込み、花の影から彼女をのぞき、鼻の頭を蜂にさされる始末。その夜、サムとの夕食後、いつものように向いの家の乱痴気パーティを望遠鏡で覗き見るジョージをサムがたしなめて、2人はベッドに入るが、ジョージが“女は皆スケだ”と言ったことから話がこじれて、サムは家にさっさと帰ってしまった。翌日、前晩のケンカ別れが気になる2人は互いに電話をかけあうが、スレ違ったりでうまく言葉をかわすことができない。いらいらしたジョージは、相棒の作詞家ヒュー(ロバート・ウェバー)を訪ねるが、ここでもケンカ。どうしても昨日の花嫁を忘れることのできないジョージは、さりげなく牧師を訪ね、花嫁の名前を聞き出した。彼女の名はジェニファー(ボー・デレク)、ビバリー・ヒルズの有名な歯科医の娘だ。早速、歯の治療に出かけ、彼女の新婚旅行先がメキシコのラス・ハダスだと聞き出すが、かわりに虫歯を6本も抜かれてしまった。言葉も満足に話せない状態の時、運悪くサムからの電話がかかった。満足に発音できないジョージの声に疑問を感じたサムは警察に電話をかけ、ジョージの家に怪しい人物がいることを知らせ、彼女もジョージの家に向った。警察の取り調べを受け、ムシャクシャした彼は、向いの乱痴気パーティに行き、素裸になって女性たちと戯れていた。その様子を望遠鏡で目撃したサムは、完全にジョージに愛想がつき、以後彼の電話を取りつがないことに決め込んだ。失意のどん底で、ジョージはラス・ハダス行きを決意した。ホテルに着いた彼は、夜、酒場で夫ディビッド(サム・ジョーンズ)と踊るジェニファーの姿を目にした。そして翌日の浜辺で、ジョージは、ひょんなことから沖へ流されたディビッドを助けることになり、ジェニファーに感謝される立場になった。その夜、彼女の部屋を訪ねたジョージは、念願叶って彼女と夕食を共にし、浜辺を散歩した。そして、いよいよ彼女の部屋。ムードのある音楽が流れ、ベッド・インはもうすぐだ。一目見て以来、彼女こそ特別な女として考えて来たジョージだが、話してみると彼女は意外にも今風フリー・セックスの信捧者で、ベッド・インの最中に夫から電話がかかってきても何くわぬ顔でうけ答えする。自分がジェニファーを勝手に美化していたことに気がついたジョージは、がまんができずその場を去った。翌日、ラス・ハダスを発ってサムの家を訪ねたジョージは、サムが別の男とデートに行くところに出くわした。ひとり家に戻ってピアノを弾く彼のところに、しかし彼のことが気になってやって来たサムがそっと入って来た。歌うジョージにやさしく合わせて歌うサム。ジョージはサムに言った“結婚しようか”と。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ブレイク・エドワーズ
- 脚本
- ブレイク・エドワーズ
- 製作
- ブレイク・エドワーズ
- トニー・アダムス
- 撮影
- フランク・スタンレー
- 美術
- ロジャー・マウス
- 音楽
- ヘンリー・マンシーニ
- 編集
- ラルフ・E・ウィンタース
- 字幕
- 高瀬鎮夫
受賞歴
第52回 アカデミー賞(1980年)
ノミネート
作曲賞 | ヘンリー・マンシーニ |
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主題歌賞 |
第37回 ゴールデングローブ賞(1980年)
ノミネート
最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル) | |
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最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ダドリー・ムーア |
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) | ジュリー・アンドリュース |
最優秀作曲賞 | ヘンリー・マンシーニ |