重役室

劇場公開日:

解説

キャメロン・ホーリイの小説を「麗しのサブリナ」のアーネスト・リーマンが脚色、「罠(1949)」のロバート・ワイズが監督、「兄弟はみな勇敢だった」のジョージ・フォルシーが撮影を担当した。主なる出演者は「喝采」のウィリアム・ホールデン、「我が心に君深く」のウォルター・ピジョン、「もず」のジューン・アリソン、「欲望の谷」のバーバ・スタンウィック、「綱渡りの男」のフレドリック・マーチなど。「ジュリアス・シーザー(1953)」のジョン・ハウスマンが製作する1954年作品。

1954年製作/アメリカ
原題または英題:Executive Suite
配給:MGM
劇場公開日:1955年9月23日

ストーリー

ミルバーグ市のトレッドウェイ株式会社のブラード社長がニューヨークで社外重役の1人ジョージ(ルイス・カルハーン)を訪問したあと突然脳出血で死んだことから、重役たちは社長の椅子を狙って知能的闘争の渦を捲き起した。株価の暴落を見越すジョージはカラ株を売るが、会社側はすかさず収益報告を新聞に発表したので株は下がらなかった。経理担当のオルダースン(ウォルター・ピジョン)と意匠促進部長のドン(ウィリアム・ホールデン)はブラートを心から崇拝していた。監査役のショウ(フレドリック・マーチ)は皆から嫌われているが、新社長になる自信を抱き早くも足場固めにかかった。製作担当のグリム(ディーン・ジャガー)は近く引退を計画しており、営業のダッドレイ(ポール・ダグラス)は折からのシカゴ出張を口実に、秘書エイヴァ(シェリー・ウィンタース)のアパートにしけ込んでいる。もう1人の社外重役で大株主は会社創立者トレッドウェイ家ただ1人の生存者ジュリア(バーバラ・スタンウィック)である。以上7人の重役が社長を推薦し選挙する。4票あれば当選だ。ショウは新聞発表や葬儀の日取りなどを決定し、指導権の実績を握る一方、社務に興味のないジュリアから委任状をとることに成功し、ダッドレイの浮気を細君にいわないという約束でその1票をせしめる。自分を入れてあと1票はかねて眤懇のジョージを狙っていた。ジョージは売ったカラ株の穴埋めに会社の手持ち株をショウから貰おうとしている。そしてショウはとうとう票を獲得したわけだ。ドンは正義派の立場から、最年長で功労者たるオルダースンを社長にすべきだと考える。しかしオルダースンはその任でないことを自覚しているので、誰を社長にすべきか3人は迷った。絶対にショウであってはいけない。ダッドレイが対抗馬と考えた。ダッドレイはドンに、もうすこし年功があって経験があれば、ドンこそ適任者だと洩らす。しかし当面の問題としてダッドレイを推すことになった。その後、ドンはダッドレイを推薦する気がなくなって来た。近頃、緊縮政策の結果、会社が安物の規格品を多量生産し、安工場に転落しているので、この重要な時期を乗り切るため、自分が社長になるよりほかはないと思う。最初オルダースンは反対だった。グリムは工場関係の嫉みからドンに反対。ダッドレイはショウに尻尾をつかまれている。ジュリアだけが味方になってくれた。風雲を喚んだ社長投票の会議の席上、ドンは会社本来の立場から大演説を行い、皆その熱意と真実に打たれ、ドンは新社長に推薦された。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第27回 アカデミー賞(1955年)

ノミネート

助演女優賞 ニナ・フォック
撮影賞(白黒) ジョージ・J・フォルシー
衣装デザイン賞(白黒) ヘレン・ローズ
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

4.0ステレオタイプもいいですよ

2024年9月17日
PCから投稿

所謂企業ものの原点的な作品です。 正義感あふれる役員が様々な妨害を乗り越えて儲け主義の役員を打ち負かすという王道ストーリーなので現代の視点からすると、こんなに上手くいくわけない、と思いがちですがある意味で理想を追求するアメリカ人らしい作品です。 ホールデン先輩の実直な演技も出色ですが、さすがワイズ先生はキモを押さえた堅実な演出です。

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越後屋

4.0ロバート・ワイズ監督、初期の佳作

2022年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

TSUTAYA発掘良品の棚にあったのでレンタルしたDVDだが、TSUTAYA発掘に感謝(^^) 主演のウィリアム・ホールデンの熱演に感動させられると共に、バーバラ・スタンウィックの存在感も光る。 オープニングシーンが「ニューヨーク証券取引所(NYSE)から見たウォール街」というあたりから、すでにビジネス物語を描く雰囲気たっぷり。 そもそも、タイトルから会社上層部のドラマであることも想像していた。 ワンマン社長エイブリーの視線で描かれる冒頭部は、凝った演出。 社長の姿を描くことなく、社長の見ている風景を描く「一人称映画」として始まる。 しかし、その後は、オーソドックスな撮り方をしているので、冒頭部「一人称」が光る。 ワンマン社長の顔が映ることなく、社長が突然死。そして、ワンマン社長だったことから、今後の会社の在り方・次期社長選出など、重役たちの思惑ドラマが描かれる。 その合間に、ウィリアム・ホールデンの妻を演じるジェーン・アリソンが夫を支える気持ち、亡くなった社長の親友女性バーバラ・スタンウィックなどのエピソードが描かれて、下手すると「重役室ドラマとして重くなりそうなのを避けたバランスの良さ」が上手い。 ロバート・ワイズ監督の初期の佳作。

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たいちぃ