アバウト・タイム 愛おしい時間について

ALLTIME BEST

劇場公開日:2014年9月27日

アバウト・タイム 愛おしい時間について

解説・あらすじ

「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス監督が、タイムトラベルを繰り返す青年が本当の愛や幸せとは何かに気づく姿を描いたロマンティックコメディ。イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。主人公ティム役は「ハリー・ポッターと死の秘宝」「アンナ・カレーニナ」のドーナル・グリーソン、ヒロインのメアリー役にレイチェル・マクアダムス、ティムの父親役にビル・ナイ。

2013年製作/124分/G/イギリス
原題または英題:About Time
配給:シンカ、パルコ
劇場公開日:2014年9月27日

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(C)Universal Pictures

映画レビュー

4.0 幸せを呼ぶ女性メアリー。キュート!

2024年6月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

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momokichi

3.0 なんでもないようなことがぁ、

2015年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

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しんざん

4.5 名匠リチャード・カーティスが最後の監督作でたどり着いた柔らかな境地

2019年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日常の中でふと、この映画について思い出すことがある。自由な時間が無限にある若い頃には気づかなかったかもしれないが、大人になって、歳を重ねて、自分がもう後戻りはできないのだなあとつくづく感じる瞬間に、「時間」や「人生」について描いたこの物語の優しさと切なさがぎゅっと胸を締め付けるのだ。

主人公は代々、タイムスリップする能力を有している。が、どれだけ行使しようとも、決して完璧な人生が送れるわけではなく、むしろ大切なのは、誰か大切な人と共にある「ありふれた時間」ということに気がつくのだ。かくも登場人物が何ひとつ特別な何かを成し遂げるわけではないからこそ、観る者はそこに映画と現実の隔たりを感じることなく、彼らに深く共感せずにいられなくなる。ささやかだけれど、ここにリチャード・カーティスが「最後の監督作」として描きたかった境地があるのだろう。自分を見失いかけた時、そっと寄り添ってくれる名作である。

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牛津厚信

4.5 【95.8】アバウト・タイム 愛おしい時間について 映画レビュー

2026年6月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

リチャード・カーティスが監督・脚本を務めた『アバウト・タイム 愛おしい時間について』は、タイムトラベルという古典的な題材を用いながら、実際には人生そのものの価値を問い直した優れたヒューマンドラマである。恋愛映画として語られることが多い作品だが、その本質はラブストーリーの枠を超え、家族、成長、喪失、そして限りある時間への賛歌にある。派手な仕掛けや劇的な運命に依存せず、誰もが経験する日常の積み重ねを通して人生の幸福を描き切った点で、本作は2010年代の英国映画の中でも特に広く愛され続けている作品の一つと言える。
物語の中心となるのは、21歳の誕生日に一族の男性が時間を遡る能力を持つことを知ったティムの人生だ。多くの作品であれば、この設定は世界を救うためや歴史を変えるために使われる。しかし本作は徹底して個人的な領域に留まる。好きな女性との会話をやり直し、失敗した場面を修正し、家族との時間を少しだけ長く味わう。そのスケールの小ささこそが本作最大の特徴であり強みである。観客は超能力の爽快感ではなく、「もし自分だったら」という極めて現実的な感情移入を促される。
脚本の完成度は極めて高い。前半はロマンティックコメディとして軽快に進行するが、中盤以降は家族の物語へと静かに重心を移していく。この構成転換は見事であり、観客が気づかぬうちに作品の主題を恋愛から人生へと拡張していく。ただし一方で、タイムトラベルのルール設定には説明の簡略化やご都合主義的に見える部分もある。因果関係の厳密さを重視するSFとして見ると弱さは否定できないが、本作は理屈の正確さよりも人間の感情を描くために時間移動という装置を用いた寓話であり、その点は致命的な欠陥にはなっていない。むしろ恋愛映画から家族映画へ、そして人生映画へと自然に変化していく物語構造と、「人生は最適化するものではなく受け入れるものである」という普遍的なテーマの着地は極めて完成度が高く、本作を同時代屈指の脚本へ押し上げている。
主人公ティムを演じたドーナル・グリーソンは、本作の成功を支えた重要な存在である。彼の演技は決して派手ではない。だが、その不器用さ、優しさ、迷い、そして成熟していく過程が驚くほど自然に表現されている。ティムは典型的な映画的ヒーローではない。容姿も性格もどこか普通であり、その等身大の存在感が観客を物語へ引き込む。特に父との別れを受け入れていく終盤の演技は印象的で、感情を爆発させるのではなく静かに滲ませることで深い余韻を残している。人生の幸福とは成功ではなく、愛する人との時間であるという作品の核心を体現した演技と言える。
メアリー役のレイチェル・マクアダムスは、本作に柔らかな光を与えている。彼女の持つ親しみやすさと知性が理想的に機能し、単なるヒロインではなくティムの人生そのものを象徴する存在として成立している。恋愛映画において重要な化学反応も極めて良好で、2人の関係性には終始説得力がある。
父ジェームズを演じたビル・ナイは、本作におけるもう1人の核となる存在と言ってよい。飄々としたユーモアと深い慈愛を兼ね備えた演技は見事であり、観客の記憶に強く残る人物となっている。人生をどう生きるべきかを息子へ伝える姿には、人生経験を積んだ人間ならではの重みが宿っている。
妹キット・カット役のリディア・ウィルソンは、家族の不完全さと脆さを象徴する重要な存在である。彼女のエピソードが加わることで、人生は何度でもやり直せるわけではないという本作の現実的な側面が際立っている。
ハリー役のトム・ホランダーも印象的だ。気難しく神経質な劇作家として独特の存在感を放ち、物語に英国映画らしいユーモアと風味を与えている。
演出面ではリチャード・カーティスの成熟した手腕が光る。感動を強制するような過剰演出を避け、日常の何気ない瞬間に価値を見出す視線が一貫している。編集も滑らかで、時間移動を扱う作品でありながら混乱を感じさせない。撮影は柔らかな自然光を多用し、英国の海辺や家庭の風景を温かく映し出している。豪華さよりも親密さを重視した美術設計も作品の世界観と調和している。
音楽もまた本作の魅力の一つである。ニック・レアード=クロウズによる劇伴に加え、ベン・フォールズの「The Luckiest」やザ・キュアーの「Friday I’m in Love」などの既存曲が効果的に用いられ、物語に優しい彩りを与えている。特に終盤の楽曲の使い方は、作品の主題を感情的に補強する役割を果たしている。
なお、本作は主要映画賞戦線で大規模な評価を受けた作品ではなく、アカデミー賞へのノミネート歴もない。しかし公開後の評価は高く、多くの観客から長く支持され続けている。
『アバウト・タイム 愛おしい時間について』は、タイムトラベル映画でありながら時間を操ることの快楽を描いた作品ではない。むしろ本作が辿り着くのは、人生は思い通りに修正できなくても価値があるという境地である。ティムは能力によって幸福を得たのではない。能力に頼って人生を最適化することをやめ、失敗も別れも含めて人生そのものを受け入れたとき、初めて真の充足へと到達する。だからこそ本作は単なる恋愛映画でもファンタジー映画でもなく、生き方そのものを描いた人生映画なのである。人生をやり直したいと思ったことのない人間はいない。しかし本作が最後に示す答えは、やり直すことではなく、今日という1日を丁寧に生きることの大切さだ。その静かな真理は、鑑賞後も長く心に残り続ける。

【最終表記】
作品[About Time]
主演
評価対象: ドーナル・グリーソン
適用評価記号と点: A(9点)
助演
評価対象: ビル・ナイ、レイチェル・マクアダムス、リディア・ウィルソン、トム・ホランダー
適用評価記号と点: A(9点)
脚本・ストーリー
評価対象: リチャード・カーティス
適用評価記号と点: S(10点)
撮影・映像
評価対象: ジョン・ガレシアン
適用評価記号と点: A(9点)
美術・衣装
評価対象: 美術・衣装チーム
適用評価記号と点: A(9点)
音楽
評価対象: ニック・レアード=クロウズ
適用評価記号と点: A(9点)
編集(加点減点)
評価対象: マーク・デイ
適用評価点: +1
監督(最終評価)
評価対象: リチャード・カーティス
総合スコア:[95.8]

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honey

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