君知るや南の国

劇場公開日:

解説

女流作家ジョセフィナ・ニグリの小説「あるミキシコの村」の映画化で、製作は「土曜は貴方に」のジャック・カミングス、監督はメキシコ映画界出身のノーマン・フォスター(「荒原の女」)の担当。脚色は原作者ニグリと監督フォスターの共同で、撮影はレイ・ジューン(「山荘物語」)、音楽監督ならびに編曲はレオ・アーノウドが受け持つ。出演者は「闘牛の女王」のリカルド・モンタルバン、「三つの恋の物語」のピア・アンジェリ、「摩天楼の影」のヴィットリオ・ガスマン、「地中海夫人」のイヴォンヌ・デ・カーロ、「バンド・ワゴン」のシド・チャリシー、新進リック・ジェイスン、「巴里のアメリカ人」のニナ・フォック、「リリー」のカート・カズナー、ウォルター・ハムデン、トーマス・ゴメス、アルフォンゾ・ベドヤらである。

1953年製作/103分/アメリカ
原題または英題:Sombrero
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1954年9月21日

ストーリー

メキシコの田舎町コランバは、長年のあいだ隣り町ミルバ・ヴェルデと犬猿の仲であった。その原因は、コランバ生れの大詩人ドン・ロミュロが、ミルバ・ヴェルデで死に、そこに埋葬されていたからである。コランバの牧師サカヤは両町の不和を何とかおさめようとしたが、努力は空しかった。こんな町の騒がしさにもかかわらず、コランバの3人の青年に恋が芽ばえた。裕福な地主カスティロの息子アレハンドロ(ヴィットリオ・ガスマン)は、町一番の美人マリア(イヴォンヌ・デ・カーロ)と恋におちた。だがマリアは私生児で町の人々から除ものにされており、アレハンドロの父は、息子を良家の娘エレナ(ニナ・フォック)と結婚させようとしていた。アレハンドロは頭痛がひどくなり、医師に診てもらったところ、あと数ヶ月の命であることがわかった。彼は絶望したが、マリアにすすめられ、父を安心させるためにエレナと結婚した。間もなくアレハンドロは死に、父は息子の本当の恋を知ってマリアを自分の娘にした。キャンディ売りのルーベン(リック・ジェイスン)は、ジプシーの闘牛士ギタニロの妹ローラを恋した。ギタニロは妹が結婚すると自分は死ぬという迷信を持っていたので、無理に2人の仲を裂こうとした。しかしギタニロは闘牛中に牛に殺され、ルーベンとローラは結ばれた。ペペ・ゴンザレス(リカルド・モンタルバン)は、コランバ名物チーズ作りの家の息子で、悪戯好きの青年であった。彼はミルバ・ヴェルデの町長の娘イウフェミア(ピア・アンジェリ)が好きになった。だが町の不和にたたられて、2人はなかなか会うことが出来ない。ペペは何どもイウフェミアの許に忍んで行っては、追い出される始末であった。とうとうペペはイウフェミアの父が自慢にしている闘鶏をひそかに盗み出し、2つの町の和解のためにと称してミルバ・ヴェルデに闘鶏試合を申し込んだ。いよいよ試合となったが、双方の鶏は一向に闘おうとしなかった。サカヤ神父は、これこそ両町の和解をねがう神のご意志であると説き、人々は漸く隣町同志が反目しあう愚かさを知った。ペペとイウフェミアも晴れて結ばれた。

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