奇傑パンチョ

解説

「バワリイ」「酔いどれ船」のウォーレス・ビアリーが主演する映画で、パンチョ・ヴィラの伝記小説を「生活の設計」のベン・ヘクトが脚色し「舌戦速射砲」「旅客機の怪盗」のジャック・コンウェイが監督し、ジェームズ・ウォング・ホウとチャールズ・G・クラークが共同撮影した。助演者は「バワリイ」のフェイ・レイ、「恐怖の四人」のレオ・カリーロ、「九番目の客」のドナルド・クック、「南風」のスチュアート・アーウィン、「クレオパトラ(1934)」のジョセフ・シルドクラウト、ジョージ・E・ストーン、キャサリン・デミル、ヘンリー・E・ウォルソール等である。

1934年製作/アメリカ
原題または英題:Viva Villa!

ストーリー

1880年代のメキシコ国民はディアス将軍の虐政の下に呻吟していた。パンチョ・ヴィラはこの時代に農奴として産まれた。父は地主の鞭の下に悲惨な死をとげた。少年パンチョの心に復讐の鬼が巣くった。チフワフワの山中に育った革命児パンチョは長ずるに及んでついに虐政に歯向かう原住民軍の恩師として雷名を響かせるに至った。パンチョは自ら義賊と称したが真面目な統率者を欺いた彼の部下の暴行はむしろ盗賊のそれに近く、官民共に彼を恐れた。そこに現れたのがメキシコの救世主と称される人傑フランシスコ・マデロであった。彼はパンチョをして彼の配下にさんずる事を命じ、パスカル将軍の統率の下に規律ある軍隊の一員とならん事を求めた。パンチョはしぶしぶパスカル将軍の部下となったが決して大将の命には従わず自己流のがむしゃらな戦法で100戦100勝しついに首都メキシコ市を陥れた。大統領となったマデロは戦い終わった以上、パンチョの引退を勧めたが覇気満々のパンチョには我慢出来なかった。腹黒いパスカル将軍はマデロを退けて自分が大統領たらんとの野心を起こし、それにはマデロの腹心のパンチョが邪魔になるので些細な過失を口実についにパンチョを国外追放に処し、その間にマデロを暗殺して自ら政権を奪った。国外流浪の境遇にあって悲報を耳にしたパンチョの怒りは心頭に達した。彼は6人の部下を率いてその国に帰るや、パスカルに対する復讐の義軍はそうぜんとして彼の周囲に集まり、大軍は怒濤のごとき勢いをもって、首都メキシコにせまりついにパスカルを捕らえて復仇の目的を遂げた。国会は彼を大統領に推薦したがパンチョは自らその任に非ざる事を知り栄職を辞して帰郷の途上、彼に恨みを抱く1貴族の復讐の銃先に倒れた。1代の奇傑パンチョ・ヴィラはくていったがその所に自由をあがなった新しいメキシコ国は生まれたのである。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第7回 アカデミー賞(1935年)

受賞

助監督賞 ジョン・ウォーターズ

ノミネート

作品賞  
脚色賞 ベン・ヘクト
音響録音賞  

第2回 ベネチア国際映画祭(1934年)

受賞

ゴールデン・メダル(最優秀男優賞) ウォーレス・ビアリー
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