キートンの決死隊

劇場公開日:

解説

「キートンの結婚狂」「キートンのエキストラ」に次ぐバスター・キートンの主演映画である。「スポーツ王国」のアル・ボースバーグとシドニー・ラザラス合作のストーリーを「エキストラ」と同じくリチャード・スカイヤーが脚色し、ボースバーグ、スカイヤー両氏が台詞を書き、「エキストラ」「キートンの結婚狂」のエドワード・セジヴィックが監督にあたった。助演者は「愉快な相棒」のサリー・アイラース、「有頂天時代(1930)」のクリフ・エドワーズ、「エキストラ」「キートンの結婚狂」のエドワード・ブロフィー、ヴィクター・ポーテル、フランク・メイオ等。カメラはウィリアム・リーヴァンウェイの担任である。

1930年製作/79分/アメリカ
原題または英題:Forward March
配給:MGM支社
劇場公開日:1931年4月1日

ストーリー

金持ちのエルマーは百貨店に働いているメリーという美しい娘を恋してたびたび彼女に言い寄ったが、いつも拒られていた。ちょうどその頃、アメリカはヨーロッパ戦争に参加し、国民は異常な興奮にかられていたしかしエルマーはそんな事よりもメリーの事で胸が一杯だった。街頭では美しい娘達が義勇兵募集に声をからしていた。お抱えの運転手がこの募集に応じてしまったのでエルマーは失業救済所へ人を求めに訪れた。ところがそこはいつの間にか入隊申込書と変わっていたので珍問答の末、彼は遂に軍服を着せられてしまう。訓練所に回されたが、根がおめでたくできている彼は種々珍事をひき起こす。ことに頑固一徹なプロフィー軍曹とは絶えず互いに悩まし悩まされ続けた。彼は偶然メリーが軍隊に働いているのを発見し狂喜した。彼女もまた彼は一兵卒として下から叩き挙げる意気と健気さを讃えた。ある夜、彼は秘かにキャンプを抜け出して彼女に会いに行った。同じ思いのプロフィー軍曹と顔を合わせたが、エルマーの女がメリーとは軍曹も知らなかった。2人が彼女の家の前にきた時、軍曹も初めてそれと知ったが、メリーはエルマーのためを思いこんな男と会ったこともないと突っぱね、軍曹にも今後私の所へきたら上官に報告すると脅して帰した。その後、間もなくメリーとエルマーは同じ運輸船で出征することになり、彼女はエルマーに心情を打ち明けようと思ったが、機会がなく彼が戦線に出て番兵を命ぜられた時、図らずも再会した。彼は彼女から本心を聞かされ喜びのあまりユカレレを奏して同僚の安眠を妨げたので窓から突き落とされ、迷ってある農家の娘の寝室に飛び込んだ。これですっかりメリーの信用を失ってしまった。同僚のネスコペックは彼が沈んでいるので彼女に合わせてやろうと兵士慰安会に出演させた。だがその開演中突如来襲した敵方飛行機の爆弾投下で開場はメチャメチャとなった。恋を失ったエルマーはついに奮起し、戦死の覚悟で敵陣に乗り込んだ。種々失敗を演じつつも敵の塹壕内に転げ込んだ時、相会したのが彼の以前の使用人グスタフで、彼らが食料を断たれて困っているのをきき、エルマーは食料を届ける約束をして味方の陣地に引きあげた。その際、何心なく机上にあった地図をもって帰ったのが大手柄となり、功によって休暇をもらう。彼は意気揚々と戦線からキャンプに戻って行った。が途中またも敵機が飛来し逃げまどう折り、メリーを発見しとまどいして敵の陣地へまた飛びこむ。俄に喚声起こって2人の心臓を寒からしめるが、よく聞けば休戦条約締結と知れた。戦争を終えて帰国したエルマーは会社の社長として軍隊でいじめられた上官たちを使用してただ得意であった。そしてメリーはエルマー夫人として良人を助けることとなった。

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