荒武者キートン

ALLTIME BEST

劇場公開日:1979年12月22日

解説・あらすじ

喜劇王バスター・キートンの長編第2作。19世紀初頭。アメリカ南部で暮らすマッケイ家のひとり息子ウィリアムは、宿敵カンフィールド家との争いを避けるためニューヨークへ送られる。やがて成長したウィリアムは、遺産相続のため故郷へ帰ることに。その旅の途中、ウィリアムは同じ汽車に乗り合わせた女性ヴァージニアと親しくなり夕食に招かれる。しかし彼女がカンフィールド家の令嬢だったことから、ウィリアムはマッケイ家に恨みを抱くカンフィールド家の男たちに命を狙われてしまう。ヴァージニア役に、当時のキートンの実生活のパートナーだったナタリー・タルマッジ。

1923年製作/68分/アメリカ
原題または英題:Our Hospitality
配給:フランス映画社
劇場公開日:1979年12月22日

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映画レビュー

4.5計算された演出

2025年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『荒武者キートン』は、南北戦争を背景にしたアクション・コメディで、バスター・キートンによる無声映画の代表作です。主人公が機関車とともに繰り広げる追跡劇が、全編を通じて非常にテンポよく展開されます。

物語はシンプルですが、その中に驚異的な身体能力と精緻に計算された演出が詰め込まれており、特に列車を使ったアクションシーンは現在の視点でも圧巻です。キートンの表情を抑えた演技が、逆に滑稽さと哀愁を同時に伝えてきます。

また、鉄道、ロープ、銃などのモチーフが、自由・しがらみ・暴力性といった抽象的な概念の象徴としても機能しており、ミザンセンの視点から見ても非常に洗練されています。

技法を読み解く勉強のために鑑賞しました。無声映画でありながら、現代のアクションやコメディに多大な影響を与えた傑作だと感じました。

鑑賞方法: HDリマスター (Youtube)

評価: 88点

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