ジャンゴ 繋がれざる者のレビュー・感想・評価
全165件中、1~20件目を表示
「西部劇」、「奴隷制」とタランティーノ作品の相性の良さが光る。
○作品全体
「西部劇」、「奴隷制」という要素とタランティーノ作品のカタルシスが見事にマッチした作品だった。
「西部劇」の大半は物語中盤の敗北があって、その逆境に打ち勝つラストシーンが魅力の一つだ。「奴隷制」という制度も物語になる時、奴隷になった人たちが辛酸を舐める日々というのは必ず語られ、ときに栄光や幸福とのコントラストを生む。
タランティーノ作品にも、共通した魅力がある。監禁されたうえに襲われそうになったところを反撃する『パルプ・フィクション』。劣勢の状況がガラッと一変する『レザボア・ドッグス』。どちらも危機的状況からの大逆転が印象的だが、これは他作品でも該当することでもある。
ではタランティーノ作品ならでは、となるとなにが思いつくだろう。個人的には「決着までに要する長い時間と、決着がつく時の圧倒的なスピード感」だと思う。この要素は西部劇の戦いまでの因縁の描き方や、奴隷制の長い忍耐の歴史とリンクする。一方で一発の銃が決める決着のスピード感は西部劇の代名詞でもあるだろう。
その相性の良さが、本作では漏れることなく発揮されていた。カルヴィンに弾丸を食らわせるまでのブルームヒルダが受けた数々の仕打ちと、それを悦ぶキャンディ家の人々の表情。カルヴィンに出会ってから屋敷を訪れ、本題に迫るまでに蓄積される鬱憤は、この作品がここに一番時間をかけていることと切り離せはしない。
それでいて決着がつくのはシュルツの一撃での一瞬。「すまん、我慢できなくて」という一言は、私達が抱いている気持ちをスッキリと代弁してくれている良いセリフだった。
ジャンゴ自身の因縁は未だ終わらず、再びキャンディの屋敷に戻ってきて精算する流れも素晴らしい。自由人という肩書きがあるから全てが報われたわけではないのは、奴隷解放宣言後の世界とも繋がる。ジャンゴ自身の手で、そしてジャンゴ自身が身につけた話術という処世術で未来を切り開いたラストは、爽快感で溢れていた。
この爽快感の根源は「題材」と「監督のセンス」ががっちりとハマっているからだろう。だからこそ、それぞれの長所が輝く作品だった。
○カメラワークとか
・ズームの演出が多い。西部劇が流行った60年代リスペクトだろうか。隠し事が悟られる時に使われがちだったけど、緊張感を生む反面、ちょっとギャグっぽくもあった。
・ズーム演出もそうだし、タランティーノ爆散カットもそうだけど、ちょっと特撮チックだった気もする。
○その他
・タランティーノ爆散カットはめちゃめっちゃ笑った。
タランティーノの魅力たっぷり
南北戦争前夜のアメリカ南部。白人賞金稼ぎの協力を得た黒人奴隷が、奪われた妻の奪還に挑む物語。
タランティーノが描く西部劇。
タランティーノらしく、ギリギリのグロさを魅せるアクションが秀逸な作品ですね。
惨たらしい人種差別の実態をしっかりと描き、西部劇らしく激しいガンアクションを魅せ、カタルシスに繋げる展開は見事でした。
この作品、魅力的なキャラと俳優陣の熱演も見事でした。ジェイミー・フォックス、レオナルド・ディカプリオ、サミュエル・L・ジャクソン・・・
その中でも、クリストフ・ヴァルツが最高でした。主人公を導く飄々とした凄腕の賞金稼ぎ。その裏に自らの信念に殉ずる覚悟がある、そんな格好の良い大人。
そんな魅力的なキャラであるDrキング・シュルツを、ヴァルツが見事に演じ切りました。
残念な要素で言えば、上記のシュルツが主人公であるジャンゴに肩入れする動機が不十分に感じた事。
また、ラスト前に彼が退場したこと。正直、驚きました。この驚きは、拍子抜けに近いもので、映画に対する評価としてはかなりネガティブに感じてしまいました。
私的評価は4にしました。
この転調よ
序盤から小気味よく進むが、クライマックスから怒涛の唖然展開はタランティーノの真骨頂か。転調によりそれまでの流れ、テンポをぶち壊すので、好き嫌いが別れるだろう。ドリフコントのフィナーレの音楽が聞こえるようで半笑いになっちゃいます。とんでもないが爽快感のあるシナリオに脱帽。
爽やかな気分になるよ
かなりグロく途中の叫び声も割とリアルで、切り取って聞いたら少し引いてしまうような本作だが、ちゃんと見たらとても爽快感を感じられ、ストーリーに感動することができ、またこの作品は、あらすじからして完璧だった。🔥
黒人奴隷のジャンゴは紳士な白人の賞金稼ぎに買われ手配書の犯罪人を殺す手助けをしていた、またジャンゴはそれの傍ら生き別れの妻を探しに行く、、、という作品。
一見すると王道感満載な本作だが、そこがい い! 、と自分は言いたい。
まず西部劇がベースとなっているこの作品は 、なんと言っても血まみれの銃撃戦が最高にかっこよく、キャラの映えるような発言やただならぬ雰囲気もマッチして男心がくすぐられるような、、誰でも一度は想像したことのある"無双状態"に出会えるからである。
また、前半はみな差別に重きを置くかもしれないが後半ぶっちゃけそんなんどうでも良く、ジャンゴめっちゃかっこいいやんけ、に変わってることを自分は期待したい。
P.S.こうゆう西部劇知ってる方おりましたら何でも良いので教えてください。
ジャンゴ、最高で最強のヒーロー‼️
南北戦争前のアメリカ南部。
黒人奴隷の男が、生き別れの奴隷の妻を取り返す話し。
終盤の銃撃シーンはまるで西部劇そのものです。
血湧き肉躍る最高のバイオレンスを見ました。
銃弾が当たり血が飛び散り、肉が千切れるシーンは、
CGがうますぎると言うか、
臨場感が半端無いです。
黒人奴隷ジャンゴ(ジェイミー・ボックス)の愛する妻が、
これまたクールビューティの上に愛くるしい。
ケリー・ワシントンの美しさなら、ジャンゴの妻恋しい気持ちも納得。
ジャンゴがライフルそして2丁拳銃で撃ちまくるバイオレンスシーン。
バイオレンス映画の帝王タランティーノ作品。です。
撃ちまくるジャンゴは西部劇スターみたいだが、もっと容赦ない。
なんせ虐げられて来た長い長い歳月、
妻と引き離された悲しみ恨み・・・憤り、
奴隷で足を鎖で数珠繋ぎ行進させされていたジャンゴ。
通りがかりの賞金稼ぎの、
シュルツ医師(クリストファ・ヴァルツ)に出会ったのが、
幸運の始まり。
シュルツはお尋ね者の顔を知っているとの情報で、ジャンゴを
奴隷商人から買い取る。
晴れて自由黒人になったのだ。
それからはシュルツの片腕として一冬過ごし、
いよいよ妻が奴隷奉公しているディカプリオの屋敷に向かうのだった。
ここでの駆け引きも見事。
黒人を競わせるゲームのチャンピオンを高額で買うと見せかけて、
ジャンゴの妻を奪い返す作戦なのだ。
ここで、驚くのはディカプリオの執事が黒人の老人で、
この男は黒人なのに黒人の敵なのだった。
ラストでジャンゴが言い放つ。
「お前は黒人奴隷の死に様をただただ見物してたんだろう!!
何千人もな!!」
驚いたことに、その執事がサミエル・L・ジャクソン。
いやぁ気がつかなかった、流石の演技力、
その憎々しさ!!
聞くところによると、「続・荒野の用心棒」と「マンディンゴ」の
影響を受けている作品らしい。
でもそこはクェンティン・タランティーノ監督の抜群のセンスと
オリジナリティ。
珍しいことに、挿入歌が5曲か6曲かかって、凄い盛り上がります。
ジャンゴ役のジェイミー・フォックスの不敵な面構え、
軽妙なクリストフ・ヴァルツのコンビ。
シュルツ医師は全く黒人を見下しません。
最後にディカプリオを撃ったけれど、シュルツも撃たれちゃって、
悲しかった。
この後、シャンゴに絶体絶命のピンチが来ます。
ここからが、ジャンゴの知恵が炸裂しますよ。
ラストは妻もノリノリで明るくて、
「俺たちに明日はない」や、
「ゲッタウェイ」がここから始まるんじゃないか?
と思うほどの明るさ!!
タランティーノ監督さん、引退なんか撤回してどうか新作、
お願いします。
タランティーノ映画の面白さは不滅!!
比べようがないです。
ストーリーの面白さに惹きつけられる。
ジャンゴが、タランティーノの手にかかるとこうなるのかという痛快娯楽作。
悪役たちのクズっぷりも見事で、ディカプリオの歯が汚い所なんかもちゃんとこだわっていて好印象。
胸糞場面はたくさん出てくるが、否定されるべきものをキチンと否定して、ジャンゴの復讐として昇華させている。
とにかくジャンゴがカッコ良いのと、タランティーノの出演場面が思いの外面白かったのと、馬車が襲われるシーンが好みだった。
ハラハラドキドキ、ストーリーの面白さにも惹きつけられた。
一点、アマプラの字幕が、セリフとあっておらず残念。
ちょいちょいグロいけど、スッキリ
吹き替えで見たけど、ドクターのキャラが良かった。
ジャンゴが屋敷で降参した時はバッドエンドか!?とヒヤヒヤした。
ラストはドクター死んじゃったけどハッピーエンドでよかった。
結末後、賞金かけられる可能性あり
生き残りが証言したら、賞金かけられる可能性あるよね。
ジャンゴを気に入ってるから、ジャンゴの妻である奴隷女性を買いたいっていうことでも、高値なら買えたんじゃないかな。
作品じたいは面白い。
殺し合いと言っても本当に殺す訳じゃないし、エンターテイメントな作りだから、後
味の悪さはない。
黒人奴隷と白人のデスマッチ!!
ジャンゴが自分の妻であるブルームヒルダを
取り戻すまでの死に物狂いの戦い!
白人に対してのリベンジが描かれていました。
DJANGO?Dを読まないジャンゴが
銃殺された人の仇討ちが出来て良かったと
思いました。
レオナルド・ディカプリオ演じるカルビンが
ブルームヒルダを引き渡す前の契約の
ときに、テーブルに手を付くジャンゴたちの
前で女性の頭にハンマー🔨を振りかざす
姿は狂気の沙汰でした。
銃撃戦も激しい死闘でしたが、人間が犬に
喰われてしまう場面は目を覆う恐怖でした。
元歯科医のシュルツ、舞い上がるお札の大金!
屋敷に乗り込んでいくジャンゴ
黒人奴隷がされた非道な仕打ち!
賞金稼ぎの手配書。
必ず妻を取り戻す、白人に対する
復讐を果たそうとする執念が感じられた
ストーリーでした。
サミュエル・L・ジャクソン
やっと観ました。
ずっと観たかったけど、長いから後回し後回し(笑)
タランティーノのドキュメンタリー公開に合わせ、地元で上映してるので、この機会に映画館で。
サミュエル・L・ジャクソンが出てるのは知ってたけど、誰だか分からなくて、最後に気付いた(笑)
スティーヴンだったのね(笑)
すごい怪演だった(笑)
さすがタランティーノ、しっかり面白かった♪
面白いので、体感的には、そこまで長さは感じなかった(笑)
もっとドンパチが多かったら、より良かったな(笑)
タランティーノで西部劇だったら『ヘイトフル・エイト』の方が好きですね♪
コッチがダメって事じゃないので、ご安心を(笑)
西部劇だけど、少しラップが使われてたり、その点も面白かった。
強烈なキャラ目白押しなウェスタン映画
元奴隷の黒人主人公が元歯医者の賞金稼ぎを師事してガンマンになって
悪辣な奴隷農園主であるディカプリオから奥さんを救うお話、多少痛々しい描写に身がすくむが勧善懲悪で面白い。
手を流血させる大ケガしても熱演する悪役なレオ様の狂気にご注目。
邪悪なオランウータン風特殊メイクに見合った陰湿キャラを演じるサミュエルにもご注目。
でも一番推しは元歯医者の賞金稼ぎ、タラちゃん制作【イングロリアス・バスターズ】では恐ろしいナチス将校だった人が今回は作中随一の善人かつ愛嬌のある有能師匠になってる。
ぶっちゃけ存在感がありすぎてアンタッチャブルのショーンコネリー状態。
でも主人公も好き、アメスパ2を先に見てたからあのエレクトロが奴隷から解放されて一流の賞金稼ぎに成長していく過程は応援したくなる。最大のピンチに陥った時にかましたハッタリ交渉は無知な奴隷だった主人公が師匠と同じ
手練れガンマンに到達した名シーン、タラちゃんの爆殺も注目所。
ジャンゴはかっこいい
なぜ頑なにシュルツはレオと握手しなかった?
握手さえすればたぶん平和に終わったのに!
シュルツめちゃくちゃ良い人だった。
ラストのジャンゴはカッコよかった
昔の銃だからか、1発でものすごく吹っ飛ぶ。
レオはやっぱり死んだ、、。
途中のあのガラスで手を怪我したところ迫力あった。血が思ったよりめちゃくちゃでてて痛そうだったのに良く続けられるなぁと思った。
ちょっと長く感じたけどダラっとはしなかった。
レオの弁護士?役の黒人おじいちゃんも良かった。
見終わってから知ったけどサミュエル・L・ジャクソンだった。気付かなかった、、。存在感すごい!
笑いどころが所々あった。
人生、自由、そして復讐の追求。
マンディンゴ、ダルタニャン、奴隷虐待。黒人差別の痛々しさを真正面からとらえ、逆にラストシーンでカタルシスを与えるタランティーノの手法は見事だ。印象的なテーマ曲から始まり、それに代わるノンストップの暴力が、おぞましいアメリカ社会の万華鏡を垣間見せてくれる。レオナルド・ディカプリオの怪演とクリストフ・ヴァルツの完璧に近い脇役ぶりも本作の魅力だが、復讐と黒人差別を意図的に交錯させ、最後は奴隷を見下した人々を嘲笑するように仕上げたクエンティン・タランティーノの脚本も見事としか言いようがない。
黒人奴隷のヒーロー
2022年9月19日
映画 #ジャンゴ #繋がれざる者 (2012年)鑑賞
#クエンティン・タランティーノ 監督がアメリカ奴隷制度を正面からとりあげ、しかも娯楽作品としても楽しめる作品となっている
#クリストフ・ヴァルツ の好演が光る良作です
また、#サミュエル・L・ジャクソン の悪い役が似合うんだ
シンプルに雄弁に
頭カラッポ推奨ながら映像高濃度、というすなわち最高映画ですね。
血と肉片撒き散らす銃撃戦マジ最高、と思わせてくれる。
説明要らずのタランティーノ映画確かにここに極まる、といった印象受けました。
さて、これ以上があるのか、と無責任な我々は思ってしまうが、如何に。
初めて見て感動した
サム・ペキンパーを進化させた血吹雪が最高に良いと思う。
ストーリーは『マンディンゴ』をリスペクトしている。
全く、ジャンゴではないと僕は感じた。ジャンゴは単に主題歌とKKKを赤い覆面からリスペクトさせている。
勧善懲悪で、予定調和そのものだが、コメディ風で、深刻な話を茶化しているのが気に入った。
しかし、ジャンゴではない。ジャンゴの主題歌はイタリア語のバージョンの方がはるかに良い。その他流れる歌の中に何曲か知っている歌があった。
ジャンゴが強すぎるのと、簡単に勝負に勝ってしまうのが、少し物足りなかった。
記録用
3時間弱。きっとこれから面白くなるに違いないとずっと思っていた。まったく面白さがわからないまま終わった。
とにかく人をどんどん撃ち殺していく。撃たれると尋常ではないくらい血を噴き出してバッタバッタと倒れていく。興醒めだ。
ただ一点、ディカプリオのねちっこい悪ぶりが良かった
娯楽性と芸術性の両輪は黒澤の領域に
「イングロリアス・バスターズ」で、歴史上の出来事よりも作劇の面白さを優先し、見事に形にしたタランティーノが、またやってくれた。
今度は、アメリカ南部の黒歴史に、自由な黒人が存在したらというユニークな発想で、今まで見たことのないストーリーを作り上げてしまった。
さすがタランティーノ。
日本史に置き換えるなら、「沖田総司が実は女だった?」とか、「青い目のサムライがいたら?」みたいなことなのだろうか。
この映画、奇跡の出来栄えである。
あまりに完璧すぎて、ちょっとしたアラが見える部分も「あえてそうしたに違いない」と思えるくらいに出来過ぎだ。
特に、レオナルド・ディカプリオが、興奮してテーブルを叩き、グラスが割れて手を負傷したシーンの緊張感は出色の出来。本当に手を切ってしまったように見える。
クリストフ・ヴァルツの演技も実に素晴らしい。
南北戦争直前のドイツ人があれほどの人道主義を貫けるのかどうかわからないが、彼の存在無しに、この映画に説得力は生まれない。優れた知性と、強い信念、ユーモアと揺らぎない決断力。近年稀に見る完璧なキャラクターだ。
サミュエル・L.ジャクソンのクソ野郎ぶりも突き抜けていて非の打ち所がない。「レオン」のゲイリー・オールドマンに匹敵する悪党キャラと言えるかも。
あえて言うなら人種にかかわらず、悪いヤツは悪いということだ。
観た人のほとんどが嫌いになる小悪党を見事に演じている。
相変わらず、自作に出演したがるタランティーノの遊び心も健在。
音楽も素晴らしい。
お腹いっぱい。楽しめました。
2014.1.17
全165件中、1~20件目を表示