ジャンゴ 繋がれざる者のレビュー・感想・評価
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【レオナルド・ディカプリオの黒人をモノとしか見ない狂気の農園領主を演じる姿に戦慄を覚えた作品。】
一般的には、南北戦争直前のアメリカ南部の黒人の立場を露わに描き出した作風も後押しし、アカデミー脚本賞とクリストフ・ヴァルツの助演男優賞受賞が表に出ている作品だが、私の印象ではレオナルド・ディカプリオの狂気を帯びた農園領主を演じる姿が忘れ難い。
今更ではあるが、この俳優の底知れない演者としての力量を再確認させられた作品である。
勿論、当時の黒人の置かれた状況をシビアに描き出しているし、それに抗おうとするジェイミー・フォックス演じるジャンゴとその妻、ブルームヒルダを演じたケリー・ワシントン及びこの人の後釜は誰なんだというくらいの圧倒的存在感を誇るクリストフ・ヴァルツの姿も忘れ難いが、矢張り今作品はレオナルド・ディカプリオの印象が強烈に残っている。
<2013年3月9日 劇場にて鑑賞>
タランティーノの考えるカッコイイ西部
タランティーノ特有の人物や画が濃すぎるせいで、もたれやすいです。中身はしっかりした成り上がりモノ、復讐劇でした。
前半のおしゃべりはいつものノリで、後半の銃撃戦はケレン味たっぷりで見ごたえもありました。
個人的にこの映画でクリストフ・ヴァルツを知ることができたのは収穫でした。
やっぱりタランティーノ監督の作品は良いですね。
割りと長めの作品でしたが、決してテンポが悪い訳ではありませんでしたし、登場人物が魅力的なのに加えて演出が良いために全く飽きずに最後まで楽しめました。
覆面のくだりのような笑いにしても、吹き上がる血飛沫が印象的だったガンアクションにしても、不必要に格好良い絵面にしても、やっぱりタランティーノはセンス良いですよね。
それに加えて、俳優の起用がとても巧いですよね。予めこの俳優って決めてから脚本を書いているのかと思うくらい役柄と俳優さんがぴったりですよね。
飄々とした雰囲気ながら味のあるクリストフ・ヴォルツも良かったのですが、サミュエル・L ・ジャクソンの嫌味なジジィっぷりは最高でした。
そして、ディカプリオ。
絶対ディカプリオはトラボルタと同じく悪役やった方が格好良いですよね。
サミュエルの癖が強すぎる!!(笑)
相変わらずのバイオレンスと時折あるくだらない会話とセンスの良い音楽!
役者はジェイミーも良かったけど、クリストフ・ワルツの飄々として冷静な正義感強い演技、ゲスで残虐なディカプリオ・・・そしてS・L・ジャクソンの眼力&甲高い声からの癖の強いキャラ!!すべてがザ・タランティーノであり、タランティーノだから際立つ!
今回個人的には初めてクリストフ・ワルツ観たけど流石はオスカー俳優!良かった。
でもやっぱり、S・L・ジャクソンが好きだ。最高!
ただ犬に殺されるシーンと格闘の末に殺されるシーンはとてもしんどい。それありきの、シュルツが撃ち合うってのは解るけど・・・。なので星3。
異色西部劇
黒人が主人公という異色西部劇。タランティーノの人種差別に対する思いが吹き溢れ、それでも彼らしく血肉吹き飛ぶグロ映像も満載(笑)。
まずはシュルツの賞金稼ぎたる存在の面白さ。いきなり善良な保安官も殺すのか?と思わせておきながら、そいつも指名手配犯だったというからくり。そして連邦保安官が現れても法執行中につき云々という決め台詞によって手出しさせない面白さ。ジャンゴを拾ったのも、実は列車強盗をはたらいた悪人たちを見つけるため。その屋敷でのやりとりも面白いが、用心棒を殺されたとして農園主や従業員たちが彼らを夜襲する・・・その中にジョナ・ヒルもいた!
徐々にガンマンとして成長したジャンゴを連れ、彼のために性奴隷とされていた妻を救うために旅をする。どこの大農場でも黒人奴隷の扱いのひどさが浮き彫りにされ、一見立派な大農場主(ディカプリオ)も黒人差別の酷さが痛快に描かれる。
ドイツ語を喋れるという珍しいジャンゴの妻ブルームヒルダはすぐに見つかるが、奴隷格闘技の奴隷を買おうとするシュルツの作戦はまんまと失敗。結局は銃撃戦で修羅場と化す。シュルツも農場主もあっけなく死んでしまうところもタラちゃんらしい演出なのか・・・
立ち上がれっ!奴隷たち!
個人評価:4.2
タランティーノ十八番のリベンジストーリー。
流石のキレッキレなセンスで、人物の会話だけで背筋がゾクゾクくる。
そしてこの物語の世界観と空気感を作っているのは、紳士的かつ即決で悪人を葬るクリストフ・ワルツ。圧巻な演技で2度目のオスカーも納得。
タランティーノ作品常連のS・L・ジャクソンも、老いた執事役もハマりまくり、眼光鋭く素晴らしい。
珍しく悪役で出演のディカプリオもなかなか良い。
物語の最後は立ち上がれ奴隷たち!というような白人達に対しての黒人からのリベンジに繋がる展開。いつもの個人的リベンジではなく、もっと大きなテーマがあり、後味も最高なストーリー。
ニガー言いたいだけの映画!!
同じ監督の「ヘイトフル・エイト」はミステリー要素があって楽しめましたが、こちらは長いだけで苦行でした。9割以上は会話ですが、会話が全く面白くないです。起承転結もはっきりせず、折角の西部劇なのにニガーニガー言いたいだけで残念です。130分過ぎの銃撃戦は良かったですが、これも短いです。
マカロニサラダ
キング・シュルツの計画の進め方はまだ理性的であり、だからこそ内に秘める激情にグッとくる。
それに比べジャンゴは凶に走っている。
寄せては返す人種差別意識の一端を担っているのはタランティーノ、お前だよ。
キングには生きててほしかったなぁ。 イングロリアスになんか似てる。...
キングには生きててほしかったなぁ。
イングロリアスになんか似てる。
どっちかというとイングロリアスのほうが面白いな。
タランティーノの匂いがプンプン、で、どっちに転んでも面白い結末を、...
タランティーノの匂いがプンプン、で、どっちに転んでも面白い結末を、嫌らしくじらしながら引っ張る、抜け目ないわ、このおっさん。
おかげですっかり面白いんだってば!!
タランティーノの大失敗
タランティーノの最初には、狂気、興奮、コミュニケーショナル・シネマの愛、伝えたいという欲望、そして彼が眩惑されることを視聴者にささやくことがあります。
Django Unchainedはフリーホイーリングディレクターによって無限に伸びた映画です。あまりにも長いシーンと不運なチャッターですでに苦しんでいたInglorious Basterdsの醜い丘を掘るために行く。無限のログリーダー。それは、偉大なセルジオ・レオーネの神聖な沈黙、あまりにも話したような激しい顔、男性の代わりに話すリボルバーとハーモニカを後悔させます。
本物のヒーロー(アンチヒーロー)とブッチギリに卑小な外道
通常の娯楽映画に親しんでいる人間には(僕も含めて)この映画を初めて見たら戸惑うと思う。タイトルロールのジャンゴ役にはタフそうなジェイミー・フォックス。彼が奴隷商人に屈するようには見えないし、逆に反撃できるぐらいの力強さをスゴく感じる(弱そうな男の印象、今ならオタクと草食系だし)。ただ先に断言する。エピローグで見方は変わる。タランティーノ作品では『パルプ・フィクション』(1994)の次に好きです!
まずとにかく素晴らしいのは、シュルツを演じるクリフトフ・ヴァルツ!ランダ大佐が見事だった『イングロリアス・バスターズ』(2009)から、こんな素敵なオジサマをわずか3年でお見せするとは!いやもはや参りました!師としてもパーフェクトです(『スター・ウォーズ』のクワイ・ガン・ジン、ヨーダ級の存在ですよ)!
「賞金稼ぎ」というオフィシャルで悪を討てるこの仕事の利点難点それらすべてを丁寧に教えてくれて(現代人は参考必須!)、それでいて相棒としても頼もしい存在感。茶目っ気のあるところだったり、エレガントなビールの注ぎ。これらすべてが品格に直結していて見事でした!だからこそミスタープッチに撃ち殺されるあの最期は、哀しくって尚更「ジャンゴ頑張れ!」って応援しました!一時は「主演男優」になった逸話も納得です。まあその分ジャンゴが主役に昇格するのがかかりますが(これは後述)。
レオについては、いつになく楽しそうに演じてましたが、サミュエルさんの存在感に残念ながら霞んでましたね(笑)ただ良いバケーションにはなっていたと思いますよ(トラボルタは悪役芝居が楽しいって言ってましたし)wサミュエルさんは外道執事を実にイキイキ演じていて、負け犬の遠吠えや惨めな死に様サイコーでした!彼の爪の垢を煎じて、スパイク・リーに飲ましてやりたい!
少しここからフォックス版ジャンゴの良さで長くなります。彼の良さとは、“耐え忍ぶ”強さからの“爆発力”です(大高忍の漫画『マギ』のモルジアナを知ると良いかも)。序盤のジャンゴは心折れる一歩手前の状態ですが、根底には奥さんを見つけ出す闘志があって、それがシュルツの出会いを機にどんどん強くなっていきます。ただ先に述べたように彼の武器は射撃の腕より、“耐え忍ぶ”強さです(もちろん射撃も一級ですが)。
劇中レオが演じているカルビン・キャンディの所有奴隷が脱走するも、発見されて殺されそうになるんですが(脱走した黒人奴隷の名前はダルタニアン)、シュルツが耐え切れなくなって、助けるために挙手するのを、遠回しにジャンゴがそれを一蹴してしまいます。ただこの時ジャンゴの立場は『マンディンゴ』(1975)に匹敵する奴隷商人の芝居中で、ダルタニアンを助けた後のリスクを直視しているんです。結果的にダルタニアンは無残に犬に食い殺されて、ジャンゴとシュルツはピンチを回避し、キャンディランドに無事着きます。
ダルタニアンを見捨てたジャンゴに不満が出るかもしれませんけど、あくまでジャンゴは人間であり、スーパーマンではありません。ジャンゴの当初からの目的、それは奥さんを助けることで、その一心で男ジャンゴは頑張って生きてきたのです。なのに誰かを助けることで目的を諦めるのは、あくまで僕の意見ですが、究極の偽善者です。タランティーノはそんな行為をジャンゴにさせるわけがなく、ちゃんとここで“耐え忍んで“、最後に勝利を勝ち取ります(当然ですがダルタニアンの仇だって討ちますよ)!キャンディランドは木っ端みじん、ジャクソンさんも前述のように素晴らしい死に様です!
あそこでジャンゴが助けようとしてたらボクは白けてました。奥さんを取り戻すにはやれることをやるしかない。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)だってそうでしたから(白ける展開が見たいんだったら、そういう映画を見ればいいし)。
ただ不満を述べるなら、当初ジャンゴ筆頭候補のウィル・スミスで見たかった。彼は『アイ、ロボット』(2004)や『アイ・アム・レジェンド』(2007)内で見せた、弱さに負けてしまいそうな芝居が非常に素晴らしいので、そしたらウィルの代表作になっていたのは確かでした(今ではジェイミー・フォックス以外のジャンゴはあり得ないですが)。『スーサイド・スクワッド』(2016)のレビューでも指摘しましたが、彼はまだ引きに回る術と勇気を持っていない(前半は引きに徹する必要性がありましたから)。出ずっぱりでいたいスターの鎖はそろそろ断ち切らないと、ここ数年の不評の呪縛を抜け出すことは叶わないかと……。
他にも脇や話の地味さ、ジャンゴが主役へステップアップしていくのが終盤で、キャンディランドの銃撃以降は、ある意味長いエピローグ(銃撃戦でジャンゴが降参する場面は、未見ですが『殺しが静かにやってくる』(1968)の影響になるんでしょうか?)。それこそが最初に伝えた戸惑いの要因で、未だにボクはそのあたりにとても不満を感じています。贅沢は承知ですが、シュルツが一見主役のようにダマしながら描いておいて、退場後に不動の主役はジャンゴだと宣言して、長いエピローグの活躍をワクワクさせてほしかった。例え傑作だとしても、人と意見が違っても、これだけはどうしたって譲れない本音ですから……。
ただ先に述べたように、本作は『パルプ・フィクション』の次に好きな作品です!最終的にフォックスジャンゴはとにかくカッコ良かったし、シュルツは実に魅力的なジェントルマンでマスターでした!サミュエルさんは外道をとにかく素晴らしく全うして、史上最高にファンキーすぎる漢っぷりを見せつけました!
ぬるい娯楽が蔓延る今じゃ、刺激的なエンタメってだいぶ減少傾向なので、今のうちにチェックしといて損は無いと思いますよ。もし不満が勝っていても、でもなんか嫌いになれない映画だって感じたのなら、是非何度も見てください。新発見に出会えることを、素人なりに保証します!
個性。
音楽にとても個性があって好きです。
ジャンゴ、かっこよすぎ。
良くも悪くもタランティーノの作風が出ています。
ディカプリオが悪役としては弱すぎな気がしました。身の回りの黒人奴隷には理解がある感じが、どこまでも酷い奴でいて欲しかった。
今までと、新しいのと。
今までのタランティーノのいいところ、アクション・バイオレンス・音楽・血しぶき。そして新しいタランティーノの魅力、濃厚な社会ドラマと骨太な人間ドラマ。新旧いいところが混じり合った新しいタランティーノ映画でした。
男にしか分からないかっこよさ。
描き方としては、何が正義で不義なのか、何が善で悪なのか。人は歴史を刻みながら、正しさや悪行を定めて来た。法という形であったり、道徳心であったり、公徳心であったり。
金のある者がすべて、権力を持っている者が正義という時代である。そんな時代の中、正しさのためでも、善のためでもなく、権力者から根こそぎお金を奪い取ろうとする。
常に、危険に身を置きながら、いつ殺されてもおかしくない状況にありながら、己の信念に従って生き抜く男たちの生き様。これぞ、男の叶わぬ夢。
利害関係でしかなかった2人のコンビは、友情を持って成就したように思う。2人の出逢いによって生まれたものは、2人の男の人生を豊かにしたように思う。
黒人ガンマンが活躍する残酷で爽快な西部劇
ネットで視聴(英語字幕)。
アメリカ奴隷制度の廃止は、リンカーン率いる北部の州と、奴隷制度存続を主張する南部が戦った南北戦争(1861-65年)の結果だが、その戦争が始まる前、奴隷制度の本場であるアメリカ南部を舞台にした西部劇。
悲惨で過酷な実態をタランティーノらしい暴力的な表現で描きながら、その境遇から脱出した黒人ガンマン・ジャンゴの活躍を描くアクション映画。
悪辣な農場主をレオナルド・ディカプリオが怪演。
背景設定は深刻だが、そこはタランティーノ、娯楽映画としてスカッと楽しめる。
●映画の英語
Django Unchained
「ジャンゴ 繋がれざる者」という邦題は、クリント・イーストウッドの「Unforgiven(許されざる者)」を踏まえてつけられたと思われる。
訳としては正しいのだろうが、日本語としてはわかりにくい。
「鎖を解かれたプロメテウス」(Prometheus Unbound)からの連想で、「鎖を解かれたジャンゴ」とした方がよかったのでは。
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