よりよき人生

劇場公開日:

解説

「ロベルト・スッコ」のセドリック・カーン監督が、「ナルコ」のギョーム・カネを主演に迎えて撮りあげたヒューマンドラマ。自分のレストランを持つことを夢見ているコックのヤンは、有名レストランでウェイトレスとして働くシングルマザーのナディアと出会い、恋に落ちる。ある日、湖畔に空き家を見つけたヤンは、その物件を買い取って店を開くことを決意。しかし、資金繰りのために多額の借金を抱えてしまう。2011年・第24回東京国際映画祭でコンペティション部門に出品された(映画祭上映時タイトル「より良き人生」)。

2011年製作/110分/フランス
原題または英題:Une vie meilleure
配給:パンドラ
劇場公開日:2013年2月9日

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(C)Wild Bunch 2011

映画レビュー

4.0愚かさの意味

2013年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

幸せ

ああ、この物語はどこにたどり着くのだろう…。途中から、ハラハラというより暗澹たる気持ちになった。レストランの開業という夢の実現に燃える主人公は、あれよあれよと借金にまみれ、次々に拠りどころを失っていく。出口は見えない。後半で挽回し、鮮やかな逆転劇に持っていくには、あまりにハードルが高すぎる。彼にどんな悲劇が待っているのか。もしや、野たれ死にか。そんな気持ちが膨らみきったところで…鮮やかに裏切られた。そうくるか、というふんわりした幕切れ。思わず顔の筋肉が緩んだ。
彼と行動を共にする、9歳になる恋人の息子が、またいい。けなげでも賢くもない、むしろ愚かな子ども。生活苦を察していながら、クレープを食べたがったり、高い靴を万引きしたり。挙句に、生活費半月分の靴を買い取るハメになった男が、やっとの思いで整えた食事を、怒り任せにテーブルから払いのけてしまう。
そんな子どもを、男は放り出そうとしない。頑なに、繋いだ手を離さない。なぜそこまで…なんと愚かな! しかし次第に、揶揄のはずの「愚かさ」が、不思議なぬくもりと輝きを放ち出すのだ。
前進するはずの主人公は、結局は後退したのかもしれない。得るより多くを失い、取り返すことすらできていないのかもしれない。問題はまだまだ山積みだ。それでも彼は、物語のはじまりよりずっとしっかりと地に足をつけ、広がりある世界を捉えている。そんな物語を、私は好む。

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cma

3.0フェリーニの哲学

2020年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

日本で幅を利かせている自己責任論。
私だったらもっと慎重に生きるし、こんな馬鹿げた生き方や愚かな事はしない。ごもっともです。

でも、愚かなのも人間なのです。愚かでも貧しくても精一杯今を生きているのが、人間なのです。まさしく、フェリーニですよね。

今作も例外ではなく、ヨーロッパ映画の根本的な部分には、フェリーニの哲学が受け継がれているなと感じます。

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ミカ

3.0愚か者も美点

2014年6月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

幸せ

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arakazu

3.0セドリックカーン

2014年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

アサイヤスやデプレシャンより密かに好きな倦怠、ロベルトスッコのセドリックカーン監督作。まぁベストはリモザンだけれど。

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ssspkk