パナマ運河地帯

パナマ運河地帯

解説

1967年のデビュー以降、現代アメリカ社会を独自の視点で見つめ続けてきたドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン監督が、長年にわたりアメリカの事実上の植民地だったパナマ運河地帯に暮らす人々の社会を描きだしたドキュメンタリー。1977年、ジミー・カーター米大統領は将来的に運河地帯を返還することを決め、米パ両国で運河を共同管理する新運河条約を締結する。2011年、ワイズマン監督作を一挙上映する「フレデリック・ワイズマンのすべて」にて日本初公開。

1977年製作/174分/アメリカ
原題または英題:Canal Zone

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映画レビュー

パナマの歴史の勉強から

2024年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「租借」という帝国主義的な遣り口でパナマ運河を領有し続けて来たアメリカの当地での活動を記録したドキュメンタリーです。  3時間近い長編なのですが、その間に映し出されるのは、学校・消防署・警察は勿論、ディスクジョッキーが軽快に曲紹介するラジオ局・劇場・ボクシング会場・ウーマンリブを痛烈に罵倒する牧師のいる教会などなど、アメリカの地方都市そのままの光景なのです。中米のこの地域に突如現れる「アメリカの小都市」を記録する事こそが監督の狙いだったのかなと思うのですが、それだけで3時間はやや退屈に感じました。それは恐らくこの運河を巡る歴史が分かっていないからだろうと思い、鑑賞後にあわてて勉強し直しました。  そうして、太平洋・大西洋を繋ぐ運河をパナマに引っ張って来たアメリカの策動、元コロンビアであったこの地を独立させる動き、パナマ運河のアメリカ永久租借を認める「パナマ運河条約」(1903) の存在を知ったのでした。幾つになってもやはり勉強は大切です。

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