THE GREY 凍える太陽

こういうしょぼくれたタイプの中年役は、リーアム・ニーソンのはまり役かな。この作品でも危うく自殺しそうだったのに、何が彼をそこまで生に駆り立てたのか？　死んでしまった人たちの身代わりなのか生き証人になろうとする使命か？　過酷な自然に抗い、オオカミと闘い、そして神さえ呪っても生きようとする姿には感動を覚える。
すべての色を失ったモノトーンの世界。奇跡も幸運も起きないし、得意のライフルも使えない。時折夢に見る妻と思しき女性にも余計な説明もせず、そういったすべてを切り捨てた無の潔さがむしろ好ましい。
ＴＶ版はエンドロール後のシーンがカットだったけれど、余計なシーンはなくても良いとも思える。

飛行機事故で雪山に放り出され、狼と対峙しながら死物狂いで下山。
吹雪に狼、これでもかっていうくらいの試練に襲われながらも、とにかく生きるために闘う。
もう見ていてこっちが辛くなる。
温かい飲み物を飲みながら鑑賞なんて、そんな甘い気持ちで観てたらダメなような気にさせられた（笑）

リーアム・ニーソン、最後のボス狼との対峙で、表情がすーっと変わっていくシーンにゾクッとした。さすがの一言。あんなに力尽きてたのに。

最後はこちらの想像にお任せのパターンだったけど、私はやりきったんだなーと受け止めた。
その日に死んで悔いはない。

閉館した丸の内ルーブルで鑑賞

感想として、｢撮影が大変だっただろうな｣、それしか出てこない作品でした
観ていられないシーンもあるし、あのラストも有りだとは思いますが
私の好みの作品じゃなかったです