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「BLOOD-C」の最終話の後日談を描く完結編的劇場版。
「BLOOD」シリーズは「BLOOD+」が放送開始する際に深夜に放送されていた「BLOOD THE LAST VAMPIRE」を鑑賞したのが初めての出会いでした。その後「BLOOD+」も全話観てすっかりファンに。続編しないかなぁ、と長らく熱望していたら、「BLOOD-C」が始まりました。大歓喜!
美少女と日本刀…何という天才的な組み合わせ。「セーラー服と機関銃」以来のベストマッチング! 無性に魅せられました。
「THE LAST VAMPIRE」と「+」は敵である吸血生物“翼手”など殆どの設定を共有していますが、「C」はというと“小夜という少女が日本刀を用いて異形のものを倒す”というコンセプトのみを引き継いだ全く別の作品となっています。“C”はストーリーやキャラクター・デザインを担当したCLAMPの“C”なんですかねぇ…?
長野県の諏訪湖付近のド田舎“浮島地区”を舞台に、夜な夜な出現する怪物“古きもの”と小夜の戦いを描いています。普段はおっとりとした天然な小夜ですが、“お務め”を果たす際には豹変し、本性というか真の自分を解放して戦います。そのギャップが堪らなくカッコいい。水樹奈々がさすがだなぁ、と毎回感心しておりました。
深夜放送ならではのバイオレンス描写が素晴らしい。さすがにすご過ぎてテレビ放送ではぼかしが入っているほど。スプラッタも斯くの如し。
始めから得体の知れない空気感が漂い続けていて、その異様さの正体に気付かされたとき、驚愕のどんでん返しが待ち受けていました。伏線が見事なまでに作用しているストーリー展開に目を見張りました。まさに意表を突かれたという感じ。なかなかの衝撃でした。短いようでとても濃密な全12話でした。
真実を知った小夜が怒りと復讐心を漲らせたところでテレビシリーズは終了し、直後に映画化のアナウンスが。
そもそも映画化前提だったんでしょうねぇ。今の主流ですもの…。てなことでまたまた大歓喜!
公開日にいそいそと足を運びました。観たくて堪りませんでした(笑)
劇場版の舞台は東京。都政の中枢にまで入り込み、もはや街の実権を握っている真の黒幕が仕掛ける陰謀に、小夜が立ち向かいます。
浮島地区での出来事から孤独な戦いを望むようになっていた小夜ですが、陰謀に立ち向かうレジスタンス機関“サーラット”の女の子と出会ったことで、心境に変化が現れます。その女の子の声優を担当しているのが女優の橋本愛。繊細な演技で魅せてくれますが、ちょっと拙い感じも否めない…でもそれがちょっとかわいいから許せちゃいます(笑)
2時間弱の尺でいろいろと詰め込んであるのですが、それぞれが中途半端になっておらず、上手く捌きながら加えてストーリー展開がスピーディーでした。
テレビシリーズで残された全ての謎に終止符が打たれます。そしてさらなるどんでん返しまで…。「これぞエンターテインメント!」っていう感じでした。
シリーズの魅力であるバトル・アクションも、映画ならではの音響もあって大迫力でした。日本刀を持って華麗に舞う小夜の姿はまさに美しさの極み。惚れ惚れしました。
小夜の壮絶な復讐劇の果てに待っているものは、希望か絶望か…。自分を含めたあらゆるものに終止符を打つため、彼女が下す決断に心が震えました。
大いなる目論見を達成させるためには手段を選ばない巨悪に、研ぎ澄まされた小夜の刃が振り下ろされます。やり切れないところが残るものの、完結編として観応え充分な劇場版に大満足でした。