ファミリー・ツリー

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劇場公開日:

ファミリー・ツリー

解説

「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督がジョージ・クルーニーを主演に迎え、ハワイで暮らすある家族に起こる出来事を描いたドラマ。祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮らすマット・キングだが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに、エリザベスには不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。第84回アカデミー賞で脚色賞を受賞。

2011年製作/115分/G/アメリカ
原題:The Descendants
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2012年5月18日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第69回 ゴールデングローブ賞(2012年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョージ・クルーニー
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映画評論

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(C)2011 Twentieth Century Fox

映画レビュー

3.5今までにない感じの映画だった

2022年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

なんとも不思議な類の映画。こういうのはみたことない。
いつもの二枚目役でなく、かっこ悪くサンダルで走り回る単なるオヤジのクルーニー。
他の方も書いておられますが子役の2人の演技がいい。ママが助からないことを知ったときの演技は本物です。
ハワイのアンニュイな空気が優しくくるんでいる感じ。(でもカッピーンな快晴ではないのよね。グレーな感じ。)
常識のない無礼な彼氏も、何ものにも囚われず本音で生きるいいやつというのがわかり、
少しだけ羨望。(少しだけだけど。)

最後のソファのシーンに救われた。とてもいい画だ。

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momokichi

2.5日本映画との差異

2024年6月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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えがたろう

3.5不思議がいっぱい

2023年11月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アレクサンダー・ペイン監督の作品群を見てみると、派手さはないが綿密に積み上げられていく温かさがある脚本を書く人のように思う。よく言えば素朴で優しい味わい。
しかし裏を返せば、明白で強烈なメッセージ性を持っていないとも言える。
人それぞれ好みがあるので良し悪しは言えないけれど、ふわふわとしてとらえどころのない作風は本作「ファミリーツリー」にも当てはまる。

たまたま偶然手にした先祖の土地も、たまたま偶然家族になった者たちも、たまたま偶然だけでは平穏に維持することはできない。土地に対しても家族に対しても多少の努力と気遣いは必要だ。
そしてたまたま偶然は続いていく。っと、まあ多分こんな感じのふわふわした作品だったかなと思う。

ジョージ・クルーニー演じる主人公マットと娘二人は、妻(母)の死を前に分裂寸前。そんな家族を破天荒な母が脳死状態でありながら修復していくという不思議な物語。
厳密には母はもちろん何もしないし、分裂の原因の大部分を彼女がもたらしているので、字面ほどハートフルではないし、結構ドロドロしている。
それでも、エンディングでは温かな気持ちになるのだから不思議だ。

私的に一番面白かったポイントは、長女のボーイフレンドのシドのキャラクターだ。
初めは単なるアホなティーンエイジャーで、本当に殴りたくなるような男なのだが、マットら家族と行動を共にしていく中で、次第に素敵な一面をみせるようになっていく。
多少はシドの内面にも変化があったかもしれないが、最初のアホさは彼の一部分でしかなく、脳死状態の母と同じように隠された別の顔も持っているのだ。
ラスト付近ではカッコいい男にしか見えなくなっているのが、これまた不思議で面白い。

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つとみ

4.0父親としての意思の強靭さ

2023年9月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
家族は群島と同じだ。
全体では一つだが、個々は独立し、少しずつ離れていく。

自分の感情は圧し殺しても、なお家族が崩壊することを必死に食い止めようとするマット(ジョージ・クルーニー)の姿が、印象的な一本でした。

そりゃあ、並大抵のことでは、なかったことでしょう。マットにとっては。こういう状況で自分の感情を圧し殺すのは。
ボートの事故で最愛の妻の命が奪われようとしているということだけでなく、その最愛の自分の妻が他の男性に心も体も許していた、しかも、入れ込んでいたのは妻のほうで、相手の男性の方はマットの妻を単なるセフレとしか見ていなかったというのですから。
こういう事態を招いたことについて、マットにも責任があった(弁護士としての仕事に明け暮れて、家族を顧みていなかったetc.)のかも知れませんが、その心痛は、察して、余りがありすぎると言うべきでしょう。

しかし、自分というものを殺し通すことができたからこそ、二人の娘…特に17歳という余計に感受性が強かったであろうアレックスとの父娘関係も破綻なく維持することができ、家族の崩壊を食い止めただけでなく、妻の野辺の見送り(海洋散骨)まで、無事に済ませることができたと言えるのだと思います。
それぞれの島(娘…と妻?)を群島(家族)として取りまとめようと努力する父親としてのマットの…その精神力の強靭さ。

そのことに思いを致すと、充分に秀作と評することができる一本と思います。本作は、評論子は。

なお、イケメンながら、どうかするとドラマでは三枚目的な役回りを演ずることが、多かったのではないでしょうか。ショージ・クルーニーは。評論子には、そんな印象です。
その彼がシニカルに演ずるドラマというのも、面白い一本でした、評論子には。(でも、どことなく、やっぱり三枚目っぽい?)
そのことも加味しての評価となっていることを、申し添えておきたいと思います。

なお、本作は、映画.comレビュアーに教えてもらって観た一本になります。
末尾に記して、きりんさんへのお礼としたいと思います。

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talkie