ファミリー・ツリー

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劇場公開日:

ファミリー・ツリー

解説

「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督がジョージ・クルーニーを主演に迎え、ハワイで暮らすある家族に起こる出来事を描いたドラマ。祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮らすマット・キングだが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに、エリザベスには不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。第84回アカデミー賞で脚色賞を受賞。

2011年製作/115分/G/アメリカ
原題:The Descendants
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2012年5月18日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第69回 ゴールデングローブ賞(2012年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョージ・クルーニー
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(C)2011 Twentieth Century Fox

映画レビュー

3.5不思議がいっぱい

2023年11月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アレクサンダー・ペイン監督の作品群を見てみると、派手さはないが綿密に積み上げられていく温かさがある脚本を書く人のように思う。よく言えば素朴で優しい味わい。
しかし裏を返せば、明白で強烈なメッセージ性を持っていないとも言える。
人それぞれ好みがあるので良し悪しは言えないけれど、ふわふわとしてとらえどころのない作風は本作「ファミリーツリー」にも当てはまる。

たまたま偶然手にした先祖の土地も、たまたま偶然家族になった者たちも、たまたま偶然だけでは平穏に維持することはできない。土地に対しても家族に対しても多少の努力と気遣いは必要だ。
そしてたまたま偶然は続いていく。っと、まあ多分こんな感じのふわふわした作品だったかなと思う。

ジョージ・クルーニー演じる主人公マットと娘二人は、妻(母)の死を前に分裂寸前。そんな家族を破天荒な母が脳死状態でありながら修復していくという不思議な物語。
厳密には母はもちろん何もしないし、分裂の原因の大部分を彼女がもたらしているので、字面ほどハートフルではないし、結構ドロドロしている。
それでも、エンディングでは温かな気持ちになるのだから不思議だ。

私的に一番面白かったポイントは、長女のボーイフレンドのシドのキャラクターだ。
初めは単なるアホなティーンエイジャーで、本当に殴りたくなるような男なのだが、マットら家族と行動を共にしていく中で、次第に素敵な一面をみせるようになっていく。
多少はシドの内面にも変化があったかもしれないが、最初のアホさは彼の一部分でしかなく、脳死状態の母と同じように隠された別の顔も持っているのだ。
ラスト付近ではカッコいい男にしか見えなくなっているのが、これまた不思議で面白い。

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つとみ

4.0父親としての意思の強靭さ

2023年9月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
家族は群島と同じだ。
全体では一つだが、個々は独立し、少しずつ離れていく。

自分の感情は圧し殺しても、なお家族が崩壊することを必死に食い止めようとするマット(ジョージ・クルーニー)の姿が、印象的な一本でした。

そりゃあ、並大抵のことでは、なかったことでしょう。マットにとっては。こういう状況で自分の感情を圧し殺すのは。
ボートの事故で最愛の妻の命が奪われようとしているということだけでなく、その最愛の自分の妻が他の男性に心も体も許していた、しかも、入れ込んでいたのは妻のほうで、相手の男性の方はマットの妻を単なるセフレとしか見ていなかったというのですから。
こういう事態を招いたことについて、マットにも責任があった(弁護士としての仕事に明け暮れて、家族を顧みていなかったetc.)のかも知れませんが、その心痛は、察して、余りがありすぎると言うべきでしょう。

しかし、自分というものを殺し通すことができたからこそ、二人の娘…特に17歳という余計に感受性が強かったであろうアレックスとの父娘関係も破綻なく維持することができ、家族の崩壊を食い止めただけでなく、妻の野辺の見送り(海洋散骨)まで、無事に済ませることができたと言えるのだと思います。
それぞれの島(娘…と妻?)を群島(家族)として取りまとめようと努力する父親としてのマットの…その精神力の強靭さ。

そのことに思いを致すと、充分に秀作と評することができる一本と思います。本作は、評論子は。

なお、イケメンながら、どうかするとドラマでは三枚目的な役回りを演ずることが、多かったのではないでしょうか。ショージ・クルーニーは。評論子には、そんな印象です。
その彼がシニカルに演ずるドラマというのも、面白い一本でした、評論子には。(でも、どことなく、やっぱり三枚目っぽい?)
そのことも加味しての評価となっていることを、申し添えておきたいと思います。

なお、本作は、映画.comレビュアーに教えてもらって観た一本になります。
末尾に記して、きりんさんへのお礼としたいと思います。

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talkie

2.0残念。響かなかった

2023年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

母親の事故による昏睡状態をきっかけに、ばらばらだった家族が本来の絆を取り戻していくというストーリー。
ジョージ・クルーニーは普通のダメおやじを好演していますが、残念ながら何も心に響いて来ず。

子役の演技も凡庸で、特に何も感じませんでした。
音楽と、時々映し出されるハワイの景色が良かったかなぁ。

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うそつきカモメ

3.5家族とは

2023年1月26日
iPhoneアプリから投稿

 事故で意識の戻らない妻に対し、今までを反省して元気になったら妻孝行をしようと思っているマット。しかし長女から、妻が浮気をしていたことを知らされる。マットの動揺ぶりが可笑しい。浮気相手を娘と探し出し、相手の家に乗り込み、浮気相手の奥さんに、別れ際の挨拶で頬にではなく、口にキスをしたのは、妻の浮気相手に対する、精一杯の復讐なんだろう。なんか意地らしい。
 それにしても長女が17歳、ママが浮気相手と一緒にいるところを見て喧嘩になり、それが最後になってしまったことに後悔している。辛い思いをしているのに、しっかりパパの相談相手になっているのが健気。妹のフォローもちゃんとして、いいお姉ちゃんなのである。
 マットは義父に何かと嫌味を言われるのだが、反論せずにじっと耐えている。よほど言ってやりたいだろうに。お前の娘はそんなにいい娘か?浮気して家族を裏切っていたんだぞ!
でも言わない。じっと耐えている。そこは偉い。確かに義父からしたら、大切な娘が事故で死んでしまうとなれば、それほど辛いことはないから。
 結局、病室に顔を出さなかった浮気相手、その代わりに会いにきた浮気相手の妻、素敵な女性である。
 マット、良きパパになって娘2人と仲良くね!

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アンディぴっと
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